愛染山

岩手県住田町・釜石市
標高1228.5m
JR釜石線上有住駅

【写真】山頂のハクサンシャクナゲ

2008年9月23日
 616 JR水沢
 834 JR上有住
 946 登山口
1026 分岐
1110〜1145 愛染山山頂
1229 分岐
1255 登山口
1409〜1625 JR上有住
1758〜1857 JR花巻
1924 JR水沢

 五葉山を檜山コースから登ると西隣にあるなだらかな稜線の愛染山がよく見える。山頂付近は草原状になっていて展望が良さそうだ。いつかは登ってみたいと思っていて7月に計画を立てたのだが地震の影響で交通機関が復旧途上だったため延期となっていた。檜山からの登山道は廃道になっているようなので今回は反対側の箱根峠から登ることにした。
 上有住駅で下車。下車したのは小生のみ。気仙川に架かる橋を渡り丁字路で右折(左折100m先は滝観洞で東北自然歩道のコースとなっている)。滝観洞見学者用の駐車場と民家を過ぎ公民館手前で左折。県道167号に入る。県道入口には工事のため箱根峠から先の釜石方面に通り抜けできないと記されてある。しかし舗装の状態は良く車両の対面通行が楽にできる程の道幅がある。森林整備と箱根峠北側にあるdocomoなどの電波塔の管理のため維持整備されていると思われる。
 イタチハギ、ツリバナの実、ノコンギク、フシグロセンノウ、クサギの花を見ながら車道を進む。docomoの電波塔への分岐を過ぎると箱根峠で住田町・釜石市の境界標がある。道路上にはバリケードが設置されこの先は通行止めだ。バリケードの脇を擦り抜け釜石側に少し下ると右手に愛染山登山口の標柱が立っていた。
 登山道に入る。最初は右左折を繰り返す。踏み跡は明瞭で赤テープに導かれながら進む。尾根に出ると南へ一直線の単調で緩やかな上りとなる。カラマツの中にハウチワカエデなどの広葉樹が混じる。次第にヒノキアスナロも多くなる。何の迷いもなく進んでいくうちに露岩を飛び石で渡り歩くようになり道も不明瞭になった。この付近は県道167号に並行して流れていた箱根沢の源頭のようだ。ただし水は涸れている。北向きの急斜面で日が射さず薄暗い。露岩帯で樹木は少なく荒涼とした雰囲気となる。露岩帯を横断すると笹藪でこの先道は無さそうなので引き返した。文献※1に記載通り、道は不明瞭。どうやら簡単には登れそうにない。
 引き返す途中で赤テープを発見。よく見ると直径約5cmの木の幹に矢印が記されている。その地点から東斜面に上る道が続いていた。文献※1記載の分岐はこの場所である。尚、登山道上にも細い木が積み重ねてありこの先行き止まりの標識と思われる。気が付かなかったのは注意力不足が原因だ。気を引き締めて上りにとりかかる。つづら折りの急斜面の道が続く。樹木の赤ペンキが目印となる。足下にはモミジガサが多い。ブナの大木が点在する。下草にササが多くなると勾配も幾分緩やかになり木々の間から東面の展望が開けるようになる。ハクサンシャクナゲの株も現れた。
 山頂域はササ原が東西に広がっている。登山道はササ原の西端に上り詰めると左に直角に曲がり山頂(東方向)に向かう。この直角に曲がる場所に小祠があった。ハクサンシャクナゲの株の間を通り抜け山頂に到達した。南面の展望が良く五葉山が屏風のように横たわる。山頂の樹木としてはダケカンバ、ブナ、ゴヨウマツ、ミネカエデ、ハナヒリノキ、ノリウツギ、アオダモ、ムシカリ、ナナカマドが観察できた。
 強風が吹き続き帽子が飛ばされた。風景を眺めながら昼食を摂っていたが次第に寒くなってきた。天気は下り坂らしい。予定よりも早く下山することにした。帰路は往路を引き返す。
 上有住駅に戻ると小雨がぱらついてきた。次の列車時刻まで2時間ある。駅舎の中を竹箒で掃除(蛾がたくさんいた為)しながら列車を待った。

参考文献
※1「新・分県登山ガイド2 岩手県の山」藤原直美著 山と渓谷社2006年6月発行


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