秋田駒ヶ岳
秋田県仙北市田沢湖町、岩手県雫石町
標高1637.4m
JR田沢湖駅から羽後交通バス駒ヶ岳八合目行き終点下車
JR雫石駅からタクシー
【写真】男女岳
2011年7月16日
 711 水沢駅(JR東北線乗車)
 735 北上駅(秋田新幹線乗り換え)
 831〜845 田沢湖駅(羽後交通バス乗り換え)
 919〜927 アルパこまくさ(羽後交通バス乗り換え)
 952 八合目
1033 片倉岳
1132〜1205 男女岳
1333 大焼砂
1410 国見温泉分岐
1449〜1655 国見温泉(入浴休憩、タクシー乗車)
1739 雫石駅(JR田沢湖線乗車)
1755〜1816 盛岡駅(JR東北線乗り換え)
1911〜2121 北上駅〜飲食店(慰労会)
2136 水沢駅
参加者5名(小生含む)

 今年の団体登山の一回目は駒形山(平泉)、二回目は駒ヶ岳(夏油三山)だった。そして今回の三回目も山名に「駒」が付く場所に行くことにした。秋田駒ヶ岳は小生にとって10年ぶりとなるので再訪するには良い機会と思う。ただし出発地の岩手県内陸南部からは距離があるので旅程と予算を立てるのは毎度の事ながら苦労(楽しみの一つでもあるが)した。山歩き+温泉+慰労会一次、二次、三次までのプランを一日に詰め込むのである。これは要するに美味い酒を飲むことが主目的で場所(山を含む)を変えて飲み歩いているような物である。小生が若い頃感じたことだが、多くのおじさん達は大きなザックを背負っている。軽量で身軽な小生のザックに比べ随分大げさだ。一体何を持ってきているのか。山頂で荷を解いているおじさん達のザックから続々と現れるのはビールだ。ザック容量の2/3はビールと思われる。小生は蔑んだ目でこの光景を見ていた。しかし今となっては小生はこのおじさん達と同じ事をやっている。山上での宴会も山歩きの楽しみになってしまった。
 北上駅で秋田新幹線こまち号に乗り換える。このこまち号は東北新幹線のはやて号と連結されて走行し盛岡駅で切り離される。当初はやての自由席+こまちの立席券で乗車券を購入するつもりだったが北上駅からこまちに乗車する場合は指定席のみの発売となるとのこと。盛岡ではやてからこまちに乗り換える方法もあるが車内でゆっくりとする(朝食や仮眠)時間がなくなり慌ただしい。出発時刻まで時間の余裕がないし本日は三連休の初日なので指定席を取った方がよさそうだ。駅の窓口氏の指示通り指定券を購入し乗車した。
 田沢湖駅で下車。10年前と比べ駅前が一変した感がある。駅前広場の西側に羽後交通のバス乗り場がある。この時間帯は駒ヶ岳八合目までの直通バスがないのでアルパこまくさで乗り換える予定だ。バスは田沢湖高原温泉(以前はここで乗り換えた)までは見覚えがある風景を通る。バスは温泉街を過ぎると右折し高台にあるアルパこまくさに到着した。車窓から八合目行きのバスを待つ登山客の行列が見えた。ざっと見て100名位か。この行列の後端に並ぶ。我々はこれだけ大勢の人で賑わっている山域に訪れることは滅多に無いだけに興奮気味だ。あとで気づいたことだがバスの乗車券はあらかじめアルパこまくさで買っておくのが良い。ほとんどの乗客は乗車券を持っていた。だから降車時の両替などが無くスムーズだった。
 定刻になると近くに待機していた二台のバスがやって来た。後列のバスに乗車。補助席以外は席が埋まった。アルパこまくさを出発するとすぐに車窓から田沢湖を見下ろす。爽快な気分だ。バスは狭く曲がりくねった道を黒煙を吐きながら登る。道脇に標高を記した木柱があり次第に高度を上げていることが分かる。バスの終点は八合目小屋の駐車場の奥だった。降車すると空気がひんやりとして心地よい。
 登山ルートは片倉岳を経由する最も一般的で人気のあるルートである。沿道にモミジカラマツ、ハクサンチドリ、マルバシモツケが目立つ。やがて眼下に八合目小屋を見下ろす見晴らしの良い場所に出る。他のメンバーは感動したらしく写真撮影で忙しい。タイムスケジュール調整役の小生はさっさと先に進むようにと促す役目だ。片倉岳でさらに展望が開ける。田沢湖はガスに覆われ不明瞭な輪郭となって見えている。沿道はミヤマダイコンソウ、ハクサンボウフウ、ハクサンシャクナゲ、オノエラン、ネバリノギラン、タカネアオヤギソウ、ニッコウキスゲの群落と続く。左手に男女岳山頂へ続く斜面が続くが登山道は南面の裾へ回り込み阿弥陀池に出る。池畔の木道を進むとヨツバシオガマ、ウサギキク、エゾツツジ。先ずは予定通り男女岳山頂へ向かうが、登山客で渋滞している。まぁ、焦らずゆっくり進もう。やっと山頂に到達するもガスで視界はない。ここで休憩昼食とした。炎天下でなま暖かいビールは遠慮しようと思ってこの日はビールを持ってこなかった(ビールは慣例により小生の担当)が物足りなさを感じた。ワインを持参してきたメンバーもいたがこちらはコルク抜きを忘れてきたとのこと。尚、時間に余裕を持ちたいのでこの後予定していた男岳は見送ることにした。
 男女岳下山後、阿弥陀池畔の木道を西に進み男岳〜横岳を結ぶ稜線鞍部に出ると十字交差点がある。西・男岳、東・横岳、南・小岳方面、北・阿弥陀池であるが南に進む(進むと言うよりは急降下する)。つづら折りの岩礫の道のため慎重に下る。登ってくる多くの登山者と擦れ違う。登山道は火口原の谷間を通る。一面チングルマだが花期はほとんど終わりだ。湿原付近にミヤマキンポウゲ、イワカガミ、アオノツガザクラ。チングルマの花はこの付近だけ見頃になっている。この辺りまで来ると登山者は少なくなり静かな山歩きに変わった。一度灌木帯を抜けると火山礫が拡がる大焼砂と呼ばれる場所に出た。期待通りコマクサが咲く。タカネスミレはつぼみ。間もなく横岳方面から下ってくるコースと合流した。ここは田沢湖、和賀岳方面に連なる山並み、南昌山方面の展望が良い。
 横長根の稜線を下る。道の両側はイチイ、ブナの灌木とミヤマハンショウヅル。随所に展望が利く場所がある。最後は国見温泉までブナ林の中を下る。一部木道があるが一直線の急な下りが続く。硫黄の臭いと同時に樹林帯を抜け眼下に温泉の建物が見える。登山口に近い森山荘で入浴した。緑色の湯だ。その後は旅館のテラスでミニ宴会を開催した。ビール、メンバー持参のワイン(コルク抜きは旅館から借りた)、イワナの塩焼き、山菜、涼しい場所と条件が揃い至福のひとときだった。旅館の休憩室利用時間は4時までとのことだったが5時まで延長してくれた。休憩後、タクシーで雫石駅まで移動(雫石タクシー、ジャンボ料金、約9500円)し北上駅前の慰労会で本日の山旅(飲み歩き?)を終えた。

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