東根山(あずまねさん)
岩手県紫波町
標高928.4m
JR東北本線古館駅
JR東北本線日詰駅前から県交通バス志和・見前経由盛岡行きラ・フランス温泉館下車
【写真】JR古館付近より,左: 東根山,右: 南昌山
ラ・フランス温泉館バス時刻(土・日・祝用)
盛岡行き1618,1733(1733は日祝運休)
日詰行き1549,1819

2003年10月25日
 810 JR水沢
 900 JR古館
 943 高速道をくぐる
1019 一里塚
1022 登山カード
1042 山頂まで3700m地点
1101 一の平2500m
1009 近道,水飲み場分岐
1114 二の平1800m
1130 蛇石展望台
1147 山頂近くの展望台
1151〜1225 山頂
1252 蛇石展望台
1259 一本杉(登山道最後の杉)
1308 二の平1800m
1318 一の平2500m
1335 山頂まで3700m地点
1350〜1549 登山カード・温泉
1607 日詰駅前バス営業所\420
1611〜1628 JR日詰
1713 JR水沢

 手頃で温泉付きの山がないかと参考文献をながめ,行き先を東根山に決めた。この辺の地理は不案内なので紫波地区の山々の下調べも兼ねて出かけることにした。古館駅で下車。乗車する客は大勢いるが下車したのは小生のみ。典型的なベッドタウンである。駅舎は新幹線の高架下にありプレハブ小屋のようである。旅情は感じられない。線路に沿って道路を200mほど南下し右折。立体交差で線路下をくぐる。すると東根山・南昌山が見える。その後はひたすら道なりに西に向かう。道路は立派であるが歩道は無い。従って行き交う車には神経を使う。次第にいらいらし腹が立ってくるが,途中,通学の女子学生に「おはようございます。」と声を掛けられ,いらいらが吹き飛んだ。紫波町は捨てたもんじゃないなぁと思って歩く。周りが梨畑になるとラ・フランス温泉館が近い。ドカーンと害鳥除けの大砲が鳴り響く。
 丁字路に突き当たるので右折(北進)する。温泉館の入口に一里塚がある。南部藩が参拝用に盛岡−志和稲荷神社間に道をつくりその時4ヶ所設置した一里塚のうちの一つである。高さ2mの円錐状に土を盛り上げたものであった。仙台藩・南部藩の藩境塚に似ている。近くに登山口の看板があるので温泉館に向かって(西側へ)進む。登山口は温泉館北側の宿泊者専用駐車場裏手にある。登山カードと立派な案内板が立っている。志波三山登山ルート案内板には東根山−南昌山−箱ヶ森の縦走ルートが記されていて興味深い。
 杉林の中,道幅の広い登山道を進む。つづら折りを繰り返し山頂まで3700m地点の道標から普通の登山道となる。ここから一の平の間,木々の間から下界の景色を見渡すことができる。一の平から広葉樹林帯に入り二の平まで見事な紅葉が続く。途中の水場には寄らず近道を通った。二の平からつづら折りが続く登りとなるが蛇石付近になると平坦になり一息付けるところである。蛇石は登りでは気づかなかったが道標のあるところから左(南)に入ると大岩がある。その岩に登り展望を楽しむ所である。
 蛇石を過ぎると山頂までの最後の登りになる。登山者が行列をなし渋滞気味となったのでゆっくりと登る。山頂手前の展望台は満員御礼のため通過。山頂を目指す。いきなり細道となりあまり人が入っていないようだ。一旦鞍部に下って緩やかに登ると三角点のある山頂に着く。こちらは2団体しか居らず静かである。山頂の周囲は広々としていているが展望は木が刈払われている東面(北上平野側)しかない。昼食を摂っていると南昌山から来たという単独行の男性が通っていった。
 帰路は同じルートを引き返した。先ほどまで賑わっていた展望台には2,3人しか残っていない。わずか30分でほとんどの方が下山したようだ。今日はじっとしていると寒い日であるからだろう。岩手山は上半分が雲で覆われている。焼石岳はおぼろげながら見える。山王海ダムと紫波の平野の眺めは抜群である。景色をながめながら写真を撮っていると最後の一人になってしまった。ゆっくりと下山する。
 バスの時刻まで2時間の余裕があるのでラ・フランス温泉に入浴する。この温泉の効能は肌がすべすべになる,体がぽかぽかと暖かくなる(翌日まで継続した)。いい湯だと思う。
 日詰駅前のバス停は日詰駅から200m先,右手の営業所にある。日詰駅前には狭い駅前通りと数件の商店が並んでいる。待合室のベンチは5〜6人でいっぱいの小さな駅だった。

参考文献
※1「再発見 胆江地方から見える山々」及川慶志著 胆江日々新聞社2000年4月発行

東根山(あずまねさん)・不動岳・田沢山
岩手県紫波町
標高928.4m, 730m, 612m
JR東北本線紫波中央駅からタクシー
JR東北本線岩手飯岡駅で下車。県道120号沿いにある飯岡駅口バス停から県交通バス矢巾温泉線に乗車、矢巾温泉下車
【写真】田沢山山頂
2010年10月30日(土)
 710 JR水沢駅
 732 JR北上駅
 805 JR紫波中央駅 タクシー7.5km
 830 ラ・フランス温泉
 940 袖滝清水
1015 蛇石
1030〜1100 山頂近くの展望台
1105 東根山山頂三角点
1140 鍵掛峠
1150〜1225 不動岳
1255 田沢山
1337 秋津神社
1410〜1555 矢巾温泉
1613〜1649 JR岩手飯岡駅
1731 JR北上駅
2025 JR水沢駅
参加者3名(小生含む)

 季節通りに秋も深まりつつあると思っていたら急に冷え込みが厳しくなった。自宅から焼石連峰を望むとすっかり冠雪で白くなっている。週末に予定を立てていた山歩きの日は天候が回復し幾分暖かく過ごしやすい日になってほしい。
 当日の天気予報は台風が接近するため晴れのち曇り夕方から雨とのこと。今日は早めの下山なので何とか天気が持つことを期待する。紫波中央駅で下車。駅舎内の公衆電話からタクシーを呼ぶ。天候は曇りで肌寒い。山頂はもっと寒いであろう。薄着の装備の小生は不安になった。タクシーに乗車しラ・フランス温泉の登山口に向かう(日詰タクシー\2340)。乗務員によるとやはり今日は寒いとのこと。最近、東根山にも冠雪したとのことだが今は消えている。
 登山口には10台程の車が駐車していて人気のある山であることが窺える。最初はスギの植林地の作業道を進む。途中、森林づくり県民税で整備した植林地(ヒマラヤスギか?)及び間伐地がある。作業道から登山道に変わりつづら折りの登りで一気に高度を上げる。スギ植林地の薄暗い道沿いにはノブキが多い。やがて植林地を抜け紅葉真っ盛りの樹林に入る。道沿いにはシロヨメナ、アキノキリンソウ、ナンブアザミが見られた。
 途中、道が左右に分岐し左が水飲み場、右か近道の標識がある。ここでは左の水飲み場に向かう。ヤマボウシの紅葉を中を進み登山道から林道に出た。林道脇に袖滝(そだき)清水と記された標柱がある。水量が少なく細々とした小沢が流れている。後日地形図を見てわかったのだがこの場所は東根山の南面を流れる袖滝沢の源流地点である。
 道標に導かれ林道から再び登山道に入る。一の平で近道と合流。紅葉にはやや早く、ハウチワカエデ、ヤマモミジ、イタヤカエデなどの黄色になりかけた木々が多い。天候が曇りのため紅葉は映えない。サラシナショウマ、オクモミジハグマには実が付いている。二の平、一本杉を過ぎるとブナ林に入る。ブナは黄葉の時期を過ぎ茶枯れた葉の色に変わっていた。途中の蛇石に寄った後、山頂までの険しい登りに取り付く。この辺りまで来るとブナはすっかり落葉している。何度も折り返しながら進んでいくとやがて前方が開け野芝が広がるピーク(東根山の山頂ではない)に到達した。紫波町側に広がる平野部、新山、山王海ダム、雫石方面、岩手山の展望がよい。冷たい風が吹く。
 休憩後、南昌山への縦走コースに進む。灌木の間を進むと東根山の山頂広場に出る。その先は稜線上を一気に下る。樹木の赤ペンキや縦走コースの直径20cm位の黄色の丸い標識(1から100までの数字が記されている。箱ヶ森登山口が1、ラ・フランス温泉が100)を目印として進む。落葉したウリハダカエデの赤色が目に鮮やかだ。途中の鞍部に鍵掛峠と記された道標があり、道標を見ると次の目標地の不動岳はここから右に分岐する道にあるようである。そこで右折したが間もなく荒廃した道になったので引き返した。結局、分岐では直進することになった。緩やかな斜面を登っていくと樹林帯から抜け展望が開けた。南面に屏風のように聳える東根山、東面は紅葉の山腹、北面は不動岳へ連なる稜線。そこから5分ほどで田沢山分岐点に到着した。さらに10m先が不動岳山頂である。天候が曇りから晴に変わった。暖かく日当たりがよい田沢山分岐点にビニールござを拡げ昼食休憩とした。
 道標に従い田沢山方面に下る。背丈ほどのササをかき分け進む。途中道が左右に分かれるが道標に従い左の田沢山方面に進む。尾根沿いの道は緩やかでカエデ類の紅葉が美しい。特にヒトツバカエデの大型で黄色の葉が目立つ。林床はイワウチワの群落で春先は見事な花畑になるのだろう。針葉樹のヒノキアスナロも多い。一旦鞍部に下りクリの大木の間を少し登り返したところが田沢山山頂だった。山頂にはこの山のシンボルのブナが一本。山頂は平坦な広場になっているが周囲が樹木で囲まれているため展望は無い。
 道標に従い秋津神社に下る。途中から樹木が少なくなり眼下に畜産団地の近代的な建物群が見える。神社ではなく畜産団地に下山するコースを通ってきたのではないかと思った。モミジイチゴなとの低木をかきわけながら進むと送電線の鉄塔直下に出た。鉄塔には巡視路が付き物なので道は間違ったが下山できるだろうと思った。ここから薄暗いスギ林に変わる。道順を示す赤リボンを目印に急斜面をジグザグに下っていく。間もなく林道に突き当たり左折、すぐに別の林道に突き当たり右折。交差点には登山道を示す道標がある。林道を下っていくと左手のスギ林の中に秋津神社が現れた。予定通りのコースを通ってきたので安心した。
 沢沿いの林道を下っていくとリンゴ畑が広がる平野に出る。本日の最終目的地の矢巾温泉に向かう。温泉方向を示す道標に従い進んでいく。矢巾温泉には3件の温泉旅館がある。その一つ、矢巾町営の国民保養センターは増改築工事中で正面玄関から入れない。後方に瀟洒な和風の三角屋根の休憩所が見える。窓ガラス越しに届く暖かみのある電灯の光に惹かれ裏手に回ると温泉と併設の介護予防拠点施設があり温泉の玄関と兼用していた(入浴料\400、タオルは無し)。入浴後、バスの時刻まで時間があるので缶ビールとツマミをオーダーし慰労会を開催した。

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