姫神山(一本杉コース、田代コース)
一本杉に向かう車道から姫神山 玉山村
標高1124.5m
IGR好摩駅
【写真】一本杉に向かう車道から姫神山
2003年11月5日
 752 秋成バス停発(県交通特急バス盛岡−室根)
 920 盛岡駅前着
 948 IGR盛岡
1010 IGR好摩
1029 芋田デイリー角交差点
1100 登山口まで2.5km道標
1131 一本杉第一駐車場
1137 登山カード(トイレの中)
1157 五合目
1203 六合目
1208 七合目
1236〜1300 山頂
1310 姫神山冷水分岐
1323 田代コース登山口駐車場
1327 車道
1329 田代登山口入口
1401 水場(飲用不適)
1411 コワ坂コース入口
1429 一本杉第一駐車場
1455 登山口まで2.5km道標
1520 芋田デイリー角交差点
1535〜1550 IGR好摩
1611 IGR盛岡
1630 盛岡駅前発(県交通特急バス盛岡−室根)
1758 秋成バス停着

 自宅近くのバス停から初めて盛岡行き特急バスに乗車する。乗車率は50%,二人掛けのシートに一人が座っていて空いている二人掛けシートを探したら最後部から2番目だった。ローカルバスでこの乗車率はすごい。水沢駅通りからどっと人が乗り込むのではと思ったが乗降共1名程度。水沢−盛岡間はJRと比較すると運賃は安いが運行本数が一日一往復と少なく所要時間も若干かかるから利用客は少ないのだろう。とするとほとんど千厩方面の乗客が利用していることになる。小生にとっては最寄りのバス停から盛岡に行けるから利用価値は大きい。何と言っても他の乗客に気兼ねせずにジュースやお菓子を食べながら車窓の風景を眺めることができ快適である。JRの通勤型電車では不可能だ。
 盛岡でいわて銀河鉄道にこれまた初めて乗車する。乗車率は100%近かったがほとんど滝沢駅で下車し車内はガラガラになった。次が渋民駅で駅に石川啄木の歌が掲示されている。「・・・おもひでの山おもひでの川」。この辺に来ると無意識に頭の中は啄木の歌を繰り返している。好摩駅の改札にも「霧深き好摩の原の停車場の朝の蟲こそすゞろなりけれ」とある。
 駅舎を出てから線路づたいに南下,跨線橋を渡り北上川を越えると国道4号線に突き当たる。ここで右折(南へ)。芋田バス停やコンビニ(デイリー)がある信号機付き交差点で左折。この道は最近できた道だ。古いガイドブックではさらに4号線を南下し鳥居のある場所から左折とある。小生はガイドブックどおり鳥居をくぐった。が,すぐに新道と合流した。新道との合流点に産土神社があったので参拝。その裏手で発掘作業が行われていた。この付近に4号線バイパスを通すらしい。
 新道ができたので地図が当てにならなかったが要所に登山口を示す案内板があり助かった。丘陵を少しづつ高度を上げながら進む。風景もいい。迷うことなく一本杉登山口に到着した。大きな炊事場がある。駐車車両は4台。トイレの中に登山カードがあり記入してから出発する。この辺りは広々とした草地となっていてくつろげる場所だ。
 登山道に入る。ほとんど一直線に上る。階段が無いところは靴がつるつる滑る。山頂が近くなると岩場になり大岩の上を足場を探しながら進む。山頂は360度の展望。東風が強い。寒いのでほとんどの人は下に降りて休憩していたが山頂の岩場の陰が風よけにちょうどよかった。正面に岩手山を望み絶好の場所だった。盛岡市街地が太陽光線に反射してチカチカと光っているのが印象的だ。
 帰路は別コース(コワ坂コース)にしようと思い早めに下山する。山頂にそれらしき道標があったのでそちらに下るがこのコースは田代コースであった。このコースは岩場がないので下山は早い。山頂からすぐに広葉樹の灌木地帯に入りそれを抜けると広い草地になる。再び樹林帯に入り水場の分岐を過ぎると間もなく登山口の駐車場に着いた。山頂からわずか23分である。ここで左折し林道を進むのが正しいルートであるが駐車場にあった道標に従い直進,荒れた道にはいる。たぶん旧道だろう。間もなく舗装道路に出た。田代口は一本杉口の180度反対側にあるので車道歩きが長い。ぐるりと反時計回りに山裾を回り一本杉登山口に戻った。
 この調子で歩けば予定していた電車の時刻に間に合いそうだ。田代コースは予定外だったがおかげで姫神山を西から東に横断することができた。次回はコワ坂コース→姫神山頂→城内コースに抜けてみようなどと思いめぐらせながら好摩駅に向かった。

参考文献
※1「岩手の山やま」 昭和60年7月20日発行 熊谷印刷出版部 高橋喜平・高橋亭夫・中村正
姫神山(城内コース、一本杉コース)
清水社 盛岡市玉山区
標高1124.5m
IGR好摩駅、岩手県交通バス小屋場バス停
【写真】城内コース清水社
2012年6月2日
 655 JR水沢(JR乗車)
 816 IGR好摩(県交通バス乗換)
 848 小屋場バス停
 935 東楽寺(千手観音)
1018 登山道入口
1035 城内登山口
1102 清水社
1145 笠石
1207~1320 姫神山山頂
1344 八合目
1348 七合目
1358 五合目 ベンチで休憩
1430 一本杉登山口(タクシーで移動)
1500~1700 ユートランド姫神
1729 ユートランド姫神バス停(県北バス乗車)
1807~1849 JR盛岡(JR乗換)
1945~2250 JR北上
2306 JR水沢
参加者6名(小生含む)

 前回の集団登山の時、次に登りたい山として姫神山が挙げられていた。日程計画係の小生としてはその要望に応えるべく予定を立てた。登山コースは幾つかあるが過去に小生が登ったことが無いのは城内コースである。以前から城内コースを歩いてみたいと思っていたので丁度良い機会だ。そこで城内コースから登り一本杉コースに下山する計画を立てた。
 IGR好摩駅で下車。久々に訪れた好摩駅は改築され橋上の立派な駅舎に変わっていた。改札口で乗越清算をする。6人分の清算なので結構時間がかかるが「皆さんどちらへお出かけですか」「姫神山です」。駅員の対応も親しみがあって和やかな雰囲気だ。次回の山旅もIGRいわて銀河鉄道に乗車してみたくなる。既に駅前に当駅始発の路線バスが待機している。
 バスは北上川を越え旧国道4号線を南下する。バイパス合流地点の交差点から県道169号に入る。次第に山が迫り谷間に細長く開けた土地を進む。小屋場バス停で下車。この地点は県道から東方向に道が分岐している丁字路で姫神山まで7kmの標識が立っていた。初めての場所だったので不安だったがこの標識を見つけ安心する。ここからでも前方に姫神山がよく見える。今日は時間の余裕があるので麓の集落からの登山のプロセスを楽しむのもいいだろう。新緑に覆われた美しい里山。同行者連中も小学校の遠足みたいだと喜んでいた。
 城内登山口の名称の由来となる城内集落の中を通る。集落内は道が入り組んでいるのだが要所に登山口を示す標識が立っていて全く迷うことが無い。しかし後で気づいたのだが標識通りに進むと遠回りだった。当初の予定では蛸の沢集落を経由するつもりだったが標識通りに進むと城内第四集落に向かうのでかなり北側を迂回する。この標識は車で登山口に向かう場合の道を示しているのだろう。地図を持参していたが全く確認しなかったのが失敗だった。しかし道を違えたおかげで東楽寺の観音を拝観できたのは良かったと思う。
 城内第四集落手前で近年開通した立派な車道の土盛りの下のトンネルを抜ける。ここまで来てやっと遠回りしてきたことに気づく。もしかして登山口の標識は一本杉コースを示しているのではないか、と途惑う。立派な車道に出てみると登山口を示す標識が立っていた。その矢印に従い車道を南下する。これなら無事に城内登山口まで導いてくれそうである。車道は当初登り坂だったが峠を越えると下りに変わった。やっと前方に登山口入口を示す標識が見えてきた。標識で左折。未舗装の道に入る。伐採現場を過ぎるとシイタケ栽培の工場施設群が立ち並んでいる。登山者よりも工場関係の業者が主に通っている道のようだ。施設群は登山口まで続いている。
 城内登山口の駐車場に到着。伐採、採石の発破作業の現場が隣接し砂埃が舞う荒廃した雰囲気だ。駐車車両は10台ほどだが登山客の車なのか現場作業者の車なのか区別し難い。登山口には修験の道と記された案内板が立っていて神社や岩など見所が多いコースのようだ。また水場がある。ちょうど疲労を感じ始めた所なのでありがたい。水質が良くおいしい水だ。振り返ると岩手山の雄大な姿を望むことができる。この風景を見ると石川啄木の詩が思わず頭に浮かんでくる。ふるさとの山に向かひて…、…思ひでの山、思ひでの川。
 少し休憩の後、登山道を登り始める。登山口にトイレ有。最初は平坦だったが徐々に勾配が増してくる。沿道はヒノキの植林が多い。倒木で迂回する地点が数箇所あった。マイズルソウ、フタリシズカ、タチツボスミレ、チゴユリ。何か珍しい花でも咲いていないかと足元を見ながら進んだが見当たらなかった。一汗かいたところで清水社に到着。ここにもおいしい水が湧いている。
 その先は長い一直線の上り坂があり最も体力を消耗する場所だ。登りきった所にベンチがある。当然ここで休憩しながら後続のメンバーを待つ。標高が高くなったせいかブナが多くなる。右手の樹幹越しに展望が開け姫神山に続くなだらかな隣の尾根が見える。木々の樹高が低くなり道標に記されている山頂までの距離表示が1kmを割った。途中の奇岩、笠石を過ぎると頭上が明るくなりいよいよ森林限界を突破しそうである。
 突然先頭を行くメンバーが歓声(奇声?)をあげた。大きな岩が積み重なり西面の展望が一気に開ける。正面に聳えるのは岩手山。山頂付近に残雪がある。小生はこの季節に姫神山に訪れるのは初めてで眼下の新緑の風景は素晴らしいと感じる。どこか懐かしい風景である。岩の間に転落しないよう注意しながら通過した。通過後気づいたが岩場の東側に迂回路があった。間もなく一本杉コースと合流し山頂に到達した。東面に外山ダム、岩洞湖が見える。グループ登山のメンバー全員が揃ったところで慣例の登頂記念パーティーを開催した。山頂の西側のへりに座り心地の良さそうな上面が平らな石があったので場所はそこに決めた。ここから岩手山の全貌を見渡すことができる。朝方と比べややガスがかかっているのが残念だ。いつものようにビールで始まりワインで締めた。天候に恵まれたこともあり山頂での楽しいひとときだった。今回山頂では宴会で終始してしまったので次回は北上山地の山々や高山植物を調べたい。
 一本杉コースを下山する。山頂付近の露岩帯を抜け樹林帯に入る。ウグイスが鳴く。階段の道が続く。疲労とアルコールで足取りは覚束ない。だらだらと下る。五合目で休憩。ここにはベンチがあり休憩の適地だ。コース途中にベンチがある登山コースは数少ないので姫神山の各コースは好印象である。一本杉の大木を見学し一本杉登山口のキャンプ場にたどり着いた。草原の上に寝転び休憩。早くも誰かのいびきが聞こえる。
 本日の日程は余裕があるので下山後の予定は空白としていた。しかしこのまま昼寝するには時間がもったいない。タクシーを呼びユートランド姫神温泉で汗を流すことにした(好摩タクシー¥3780)。

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