稲庭岳

岩手県二戸市
標高1078.0m
IGRいわて銀河鉄道二戸駅からJRバスに乗り換え終点浄法寺駅で下車

【写真】駒形コース、山頂まで400m道標

2008年4月26日
 616 JR水沢
 839〜940 IGR二戸
1015 JRバス浄法寺駅
1101 杉沢集落交差点
1139 天台の湯
1214 岩誦坊
1220 駒形神社コース登山口
1248 駒形神社
1314〜1335 稲庭岳山頂
1422 キャンプ場登山口
1450 駒形神社コース登山口
1456 岩誦坊
1524〜1540 天台の湯前の公園で休憩
1618 杉沢集落交差点
1701 JRバス浄法寺駅
1758〜1830 JRバス長流部口バス停
1856 IGR二戸
2136 JR水沢

 二戸駅前からJRバス浄法寺駅行きに乗車し終点で下車する。県道6号を荒屋新町方面に進み地域活性化センターの標識に従って右折。福蔵寺や幼稚園の前を通る。この道は東北自然歩道「天台寺を訪ねるみち」のコースでもありちょうど一年前に通った道である。以後駒形コース登山口付近まで多々良沢に沿って車道を進むことになる。砕石所を過ぎY字交差点を左折、杉沢集落に進む。前方に残雪を抱いた稲庭岳が見えてきた。
 上杉沢、李ヶ平集落を通過すると道幅の広い車道に突き当たるので左折。しばらく進むと天台の湯という温泉施設がある。入口に水車があり水をカップで自由に飲めるようになっていたので水場として利用させてもらった。その先の車道の幅員は狭くなる。自家製豆腐の販売ののぼりが立っている民家がある。店の前でおばあさんが準備をしていたので何となく挨拶を交わした。これが最後の民家であった。道の両側はヒメヤシャブシが盛んに花穂を垂れている。牧場近くまで来るとキクザキイチリンソウを見かけるようになった。岩誦坊の少し手前からブナ林が優勢になる。
 岩誦坊は車道脇の岩の間から水が湧き出ていて竹筒で水を引き柄杓で飲めるようになっていた。以前は山伏の修験場だったと案内板に記されている。登山口に近いので水を補給できて便利である。
 駒形神社登山口の道標があるので未舗装の道にはいる。少し進むと10台程の駐車スペースがある。その先は登山道となる。山頂まで3キロと表示されている。ブナ林の中を進む。ムシカリ、ナナカマドはやっと葉が開き始めた状態。ブナはまだつぼみである。ところどころ登山道に雪が残っている。ジグザグに登っていくと丁字路に突き当たるので左折すると駒形神社に着く。周囲は平坦な地形でキクザキイチリンソウが咲いている。神社の前には屋根から落下したと思われる雪が堆積していたため近寄って参拝できなかった。ここから山頂まで1kmである。
 神社の後から登山道が山頂に向かって続いているようだが残雪量が多くなり一面が雪で覆われているため道は不明瞭となる。最初のうちは木に付けられている赤のビニルテープを目印にして進んでいくと山頂まで800mを示す道標を発見した。しかしその先はビニルテープを見かけなくなり登りやすい斜面を選びながら進んだ。雪上にはブナの実の殻がたくさん落ちている。次第に上り勾配がきつくなり足下が雪で滑りずるずると後退するようになった。ブナの木も疎らになる。前方にある山頂と思われるピークまで直線的に登るのは無理があるので西側に向かって斜めに進む。すると偶然にも山頂まで400mを示す道標を発見した。
 滑落転倒防止に何かすがりつく物がほしいので山頂やや東にある笹藪を目指すことにした。この部分だけ雪がないので目立つ。笹藪の上部から山頂に稜線が続くが勾配は緩やかになる。矮小化したブナの間を進んでいくと5分程度で山頂に到達した。
 山頂には二等三角点、ベンチ、展望台がある。また展望台の上り口の反対側に小祠が3基ほどあり以前は信仰の山だったことがわかる。展望は稲庭高原の牧草地とその向こうにうっすらと七時雨山が見える。稲庭岳の北方に稜線続きで標高1032mのピークがあるが稜線には雪庇が連なっている。
 キャンプ場コースに下山する。こちらのコースは南面のため雪が少なく道は明瞭である。植生はブナから一変しダケカンバが圧倒的に多くなる。途中男性1名と擦れ違う。中腹まで下るとフキノトウが芽を出していた。またキクザキイチリンソウも見かけるようになる。再びブナ林の中に入ったと思ったらキャンプ場コースの登山口に出た。一帯は平坦な土地のブナ林であるが林床を埋め尽くすようにキクザキイチリンソウが咲いて素晴らしい。一部ヤマエンゴサクも咲いていた。見学者は小生一人のみである。
 車道を北に進む。牧草地の中で気分がよい。丁字路に突き当たるので左折する。しばらく進むと駒形神社コース登山口に戻る。その後は往路を引き返す。浄法寺駅には予定より1時間も前に到着した。待合室で待つつもりだったが入口の引き戸は鍵が掛かり戸締まりされていた。外のベンチで長時間待つと不審者に間違われそうなので適当な時間になるまで先のバス停まで歩くことにした。長流部口バス停の広くてきれいな待合所でバスを待った。長流部口バス停は東北自然歩道の終点で昨年訪れた思い出のある場所である。

参考文献
※1「新・分県登山ガイド2 岩手県の山」藤原直美著 山と渓谷社2006年6月発行


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