霞露ヶ岳

岩手県山田町
標高514m
JR山田線岩手船越駅
JR山田線陸中山田駅から岩手県北バス大浦・小谷鳥線小谷鳥口下車

【写真】漉磯海岸

2008年3月16日
 616 JR水沢
 905〜947 JR釜石
1026 JR岩手船越
1122 大浦地区センター前
1150 小根ヶ崎方面林道分岐点
1207 参道分岐点
1216 登山口
1259〜1317 霞露ヶ岳山頂
1346 四等三角点
1413 水場
1420 漉磯海岸
1503 登山口
1511 参道分岐点
1537 上水道施設・神社
1543 大浦地区センター前
1634 鯨と海の科学館前(船越公園)
〜1717 JR岩手船越(本州最東端の駅)
1807〜1811 JR宮古
2044〜2124 JR盛岡
2155 JR水沢江刺

 先週に引き続き沿岸地区の山歩きに出かけた。本日の目標は霞露ヶ岳。先週訪れた鯨山に近い。しかし今回は三陸海岸独特の半島・岬歩きとなり最寄り駅である船越駅からのアプローチは長い。事前に地図と時刻表を見比べながら予定を立ててみると新幹線利用で何とか日帰りできそうである。
 岩手船越駅で下車。駅名標に本州最東端の駅と記されている。駅舎を出て線路と並行して北進し突き当たりの踏切を渡る。ここに鯨と海の科学館近道の案内板がある。線路の東側に並行する道を進んでいくと公園の芝生広場に入る。鯨と海の科学館を過ぎ車道に出て左折(北に向かう)。この付近は家族旅行村、キャンプ場、温泉旅館などがありシーズン中は賑わいそうだ。途中道路拡幅工事をしていた。その先は工事完了済みで道幅が広くなる。
 大浦集落に入る。集落の入口から東側の小高い場所に見える大浦地区センター(元は小学校の跡地)はこの付近では一番目立つ建物である。この地区センターの前を過ぎ道なりに北へ進む。左手に山田湾が見える。集落の北端の住宅の前を過ぎると道が未舗装になった。杉林の中の薄暗い林道歩きとなる。途中、右に分岐する道がありこの道が漉磯方面に通じる道だろうと地形図から判断しこの道に入る。しかし道標はない。坂を上って行くがなかなか急で息が切れる。道も悪路で凹凸が激しい。文献※1に記載の通りである。
 登山口はまだかまだかと思いながら進んでいくと右手に道標を発見した。分岐点、至霞露ヶ岳2.3km、至漉磯2.0km、至開拓道大浦林道分れ1.3km、至大浦1.3kmと記されている。この道標から右に入る細道は霞露ヶ岳神社の参道で大浦集落への近道と思われる。地形図でもこの道は破線で描かれている。入り口付近は藪が茂って荒れているが帰路はこの道を通ってみようと思う。
 参道分岐点を過ぎると突然視界が開け右手に水田、左手に民家や作業小屋が並ぶ。道路も舗装されている。人里離れた山奥に突然現れた民家に驚いた。遠野物語のマヨイガにでも来たような感覚である。この地区は反対側(東側)の車道から上ってくるのがメインルートのようだ。この付近はシイタケ栽培が盛んなようだ。しばらく進むと登山口があった。近くに車が2台止めてあるので先客がいるようである。
 登山道は最初のうちは勾配が緩やかで林道よりも楽である。途中右に道が分岐しているが直進、坂を少し上ると鳥居があるのでその下をくぐる。その先は尾根を登る。コナラ、アカマツ、ブナ、ヒノキアスナロの中、気持ちの良い道であった。登山道は標高504mのピークは避けその東麓を通過する。間もなく鳥居があるので石段を登り神社に道中の安全を祈願した。霞露ヶ岳山頂は神社の裏手にあった。山頂には畳1枚ほどの大きさの道標が立っている。また陸中海岸自然歩道の道標もあり漉磯海岸3.1k、小根ヶ崎1.8kと表示されている。山頂の樹木には樹木名が記されたプレートが掛けてある。ヤマボウシ、ナツハゼ、ブナ、アカメガシワ、ヤマツツジなど。山頂北側の斜面には雪が残っている。
 漉磯海岸に下山する。このコースは陸中海岸自然歩道となっていて道も良く歩きやすい。道標も整備されている。残雪とブナ林が続き気持ちの良いコースだった。途中写真を撮ろうとしたときに熊除け鈴を紛失してしまう。標高421mの三角点を過ぎると左手(東側)にアカマツ、ネズ、ウリハダカエデの間から海岸線が見えるようになる。つづら折りに急斜面を下っていく。左は海へ切れ落ちる断崖のため所々に転落防止の柵が設置されている。海面に点在する岩礁に白波が立っている。
 小沢で水を補給。文献※1によれば涸れ沢と記されている地点と思われるがこの時期はまだ水が豊富のようだ。小沢と並行して下っていくと漉磯海岸に出た。小石を敷き詰めた浜である。河口にできた浜であるが川は海に到達する前に小石の浜に吸い込まれ消失している。南北はほぼ垂直な崖で打ち付ける波しぶきが豪快である。
 車道を西に進む。水田の広がる漉磯集落を過ぎ再び登山口に至る。参道分岐点から参道の細道に入ってみた。薄暗いスギ林の中を200mほど登ると峠に達しこの場所にヘッツォ石と呼ばれる直径3m位の石がある。その先は大浦集落まで直線的に下る。倒木やぬかるみがあるが道は明瞭である。道端に小祠があり歴史ある参道なのだろう。出口は上水道の取水口の施設脇であった。住宅地の中を下って行くと神社があり往路で通った車道に出る。
 大浦漁港近くにある小谷鳥口バス停の時刻を見ると10分間に合わず。船越駅まで往路を引き返す。鯨と海の科学館前(船越公園)でも山田線の列車を見送る。これはもともと間に合わないと思っていたが計画よりも早い到着だった。公園内を散策後国道45号沿いのコンビニで夕食を調達し宮古→盛岡経由で帰路に着く。後で調べたら釜石→花巻経由でも同時刻に帰宅でき旅費も安いことが分かり反省している。

参考文献
※1「新・分県登山ガイド2 岩手県の山」藤原直美著 山と渓谷社2006年6月発行


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