笠詰山
岩手県大船渡市
標高885.7m
三陸鉄道三陸駅
岩手県交通バス大船渡市内線立根バス停

【写真】笠詰山頂
2009年11月28日
 656 JR水沢
 851〜914 JR釜石〜三陸鉄道釜石駅
 955 三陸鉄道三陸駅
1033 遊・YOU・亭夏虫入口
1054 三平沢分岐・河内一里塚
1114 生江峠(なまえとうげ)
1153 夏虫山展望所分岐
1201 広場前駐車場
1216〜1240 笠詰山
1251 広場前駐車場
1300 夏虫山展望所分岐
1339 生江峠
1432 国道45号
1434〜1513 立根バス停
1525〜1542 盛駅前バス停(県交通バス特急に乗換)
1803〜1829 JR一ノ関
1854 JR水沢

 5年ほど前に五葉山に登り、帰路は徒歩で車道を赤坂峠から吉浜まで下った。途中の沿道に「もりの学舎」まで○kmと記された道標があり東屋や遊歩道が延びている事を知る。だがこの時は帰路を急いでいたので「もりの学舎」には寄らなかった。「もりの学舎」とはどんな施設なのか勉強不足のため不明のままである。その後文献※1を入手。最終章に笠詰山の記載があり地図を調べると「もりの学舎」に場所的に近いことを思い出した。もしかすると五葉山から赤坂峠を経て、もりの学舎→大窪山・夏虫山→大船渡市内までの見所が多い長大コースが成立するのではないだろうか。実現はまだ先になりそうだが下調べを兼ねて歩いてみる価値はありそうだ。笠詰山は登山の対象となるような山ではないようだが最近体力不足気味の体には程良い刺激になることを期待した。
 釜石駅から三陸鉄道に乗車。この日の車内は観光客らしき乗客が多く賑やかである。三陸駅で下車。ホームには干し柿が吊されている。両手に大きな鍋を抱えて列車を待っていた人がいた。乗客に暖かい汁物が振る舞われるのだろうか。階段を下っている途中、もう一人鍋を抱えて「熱い、熱い。」と言いながら上ってくる方と擦れ違った。
 商店と住宅が混在する通りを抜け国道45号の丁字路交差点に出る。右折(国道を北に向かう)し100m程進み左(西)に分岐する道に入る。浦浜川沿いに開けた平野部を進む。後で知ったのだがこの道は旧浜街道とのこと。山中の割には沿道に民家が続きかつての街道の賑わいが予想される。途中に「遊・YOU・亭夏虫(温泉施設など)」があるので車の通行量も比較的多い。緩やかな上りは最近不調気味の体に堪える。前方に見える山並みの頂上付近に牧草地が広がっているのが夏虫山と思われる。今日の天気は良く好展望が期待できそうだ。1km間隔で遊・YOU・亭夏虫までの距離表示付きの道標がある。遊・YOU・亭夏虫付近から路上に鹿の糞が目立ち始める。車道沿いには鹿除けのネットや鉄条網が続く。
 途中に道標があり三平沢への道が北に分岐する(その先に何か見所があるのかどうか不明)。この分岐点では直進し10mほど進むと左手に河内一里塚の案内板が立っている。旧浜街道に現存する一里塚とのことである。案内板後方に高さ2m、直径3m位の土盛りが2つあり全体がササで覆われているがこれが一里塚であろう。思いがけず旧街道を歩く旅も兼ねることになった。ここまで来ると車両の通行は殆どなくなった。最後の民家前を通過した後、車道は大きな右左折を繰り返しながら斜面を上ってゆく。
 旧大船渡市と旧三陸町の分水界にY字交差点がある。この場所に旧浜街道生江(なまえ)峠の標柱が立つ。道標に従いY字交差点では右に進む。車道は非常に小刻みに蛇行を繰り返しながら高度を上げてゆく。時折左右に牧草地が現れ展望が良い。当面の目標となるのが右前方に見える(大窪山の西側にある)電波塔である。ミズナラ、アカマツ、ヤマツツジが主な樹木で次第にダケカンバも目立つようになる。アキグミに赤い実がなる。夏虫山展望所の分岐点では左に進む(分岐から右の夏虫山方面に少し入ったところに鹿供養塔が立っている。この日、鹿は見かけなかった)。間もなく笠詰山登山口となる駐車場に着く。駐車場から東面の展望が良く太平洋が一望できる。駐車車両は無い。道標によるともりの学舎はこの先2km程先にあるとのこと。
 駐車場から車道を隔てた反対側に炊事場、トイレ、管理棟なとが立ち並ぶ広場がある。各施設にはローブが張られていて既に今期の営業は終了したようだ。その入口に立つ案内図を見ると笠詰山登山道が記されてありコースは2つ(広場の右から上るコースと広場の左から上るコース)があることを知る。広場入口から中にはいるとすぐに登山道の道標があったので分岐する細道に入る。この道は右から上るコースである。最初は階段が続く。途中、ササが茂り道が不明瞭になる。勘に頼って進むと道標に出会い再び階段の道が続く。やがて左から上るコースと合流する。コース両側に茂るヤマツツジをかき分けて進むが右脇にも並行して道があるのでそちらを進んだ方が楽である。山頂付近はどれが正規のルートなのか判然としない。とにかくヤマツツジをかき分け高い方を目指すと山頂広場に出た。
 三角点のある山頂広場からは東面の展望が良く大窪山・夏虫山の牧草地、越喜来湾、先ほど小生が歩いてきた旧浜街道沿いに開けた平地、アンテナが目立つ今出山が見える。三角点から西方向にヤマツツジの株の間を擦り抜けるとさらに開けた広場がある。南から西方向の展望が良く五葉山、室根山、氷上山、眼下に大船渡市街地を見渡すことができる。すぐ西隣の毛無森山は均整のとれた三角錐形状をしていて興味を惹かれる。笠詰山から西に標高約800mの稜線が続いているが密生するヤマツツジに阻まれ道は無さそうだ。大船渡湾を望む広場に戻り昼食休憩とした。小雪がちらつき肌寒い。
 ピンク色のリボンに導かれ下山する。途中から階段に変わりコース分岐点で右折。往路とは別のコースを下る。すぐに樹林帯を抜けるので見晴らしが良い。途中に展望台の設備もある。最後は管理棟の脇から広場に出た。車道を生江峠まで引き返す。生江峠のY字路では西方面に下る未舗装のやや荒れた道に入る。下っていくと立根川支流の小沢に沿った道となる。その後、アマタケのブロイラーの生産設備群を通過する。輸送トラックが往来する。
 大船渡三陸道路と交差する少し手前から住宅地になり舗装道に変わる。国道45号に突き当たる。立根バス停は右折(大船渡市街地方向)しコンビニ(デイリー)の前を通過した場所にあった。コンビニで帰路の車中の食料を調達しバスを待った。

参考文献
※1「岩手の里山を歩く」大坊孝男著 岩手日報社出版部2004年4月発行


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