駒ヶ岳 |
岩手県北上市・金ヶ崎町 標高1129.8m 金ヶ崎駅前からタクシー 北上駅前から岩手県交通バス夏油温泉行終点下車 【写真】 駒ヶ岳夏油コースのミズパショウ |
2011年5月21日 711 JR水沢(電車乗車) 717〜720 JR金ヶ崎(タクシー乗り換え) 745 駐車場登山口 830 標高742.1m三角点 909 下賽の河原 927 上賽の河原 955〜1055 山頂 1130 ミズバショウ 1155〜1220 ミズバショウ(昼食) 1415〜1650 夏油温泉(温泉入浴〜県交通バス乗車) 1750〜2121 北上新穀町・JR北上(慰労会〜電車乗車) 2136 JR水沢 参加者5名(小生含む) 駒ヶ岳縦走(金ヶ崎〜山頂〜夏油温泉)は以前も実施したことがあるが季節は秋であった。今回は春の残雪期である。今年の夏油温泉の営業開始が5月の連休後になったことから想定すると今年は積雪量が多く楽ではなさそうだ。特に夏油コースはだいぶ前に一度通っただけなので残雪で迷わないように当時の写真や立体地図などで事前に地形を頭に入れておくことにした。また登山日を予定より1週間後にずらしコース状態が良くなることを期待した。しかし今回の参加者の中に初登山者がいること、当日の天候が思わしくないことが心配の種である。やや無理がある計画かも知れない。 当日は朝6時頃にやや強い雨が降ったが7時には何とか収まった。金ヶ崎駅で北上方面からのメンバーと合流し予約していたジャンボタクシーに乗り込む。車窓から駒ヶ岳を仰ぎ見ることができるので山中での視界は良さそうだ。思っていたよりも早く登山口の駐車場に到着した(タクシー料金:北都交通7420円)。駐車車両は無く我々が本日の最先発のようだ。登山カードに名前を記入後出発する。 標高742.1m三角点は最初の休憩ポイントだ。周囲が刈払われ南面の展望が良い。その後、登山道に雪解け水が流れるようになる。慣れないメンバーは苦労しながら登ってきた。下賽の河原手前の雪渓で少し休憩。少し日が射し天気が好天してきたおかげで気分も良い。ショウジョウバカマ、カタクリ、シラネアオイ。上賽の河原を過ぎ鞍部に下る。ここから山頂まで雪で覆われている。右手の急斜面の雪上直登は避け左手の灌木の中の登山道を進む。この登山道も雪で覆われているが地面との間は空洞になっている。うっかりすると踏み抜いてしまうので足場を確認しながら進む。山頂稜線上は高さ2,3mの雪庇があったが運良くステップが刻まれていたので小生は難なく通過。ここから山頂までわずか10mほどだった。山頂に立つ駒形神社奥宮を一周しながら西面の夏油温泉への下山ルートを確認する。一方、東面の平野部の景色は薄いガスの中、水田の水面が反射し無数の光点となって広がっている。 そうこうしているうちに強い雨が降ってきた。そして西からの冷たい風。風雨を避けるため山頂から一段低いところにあるベンチで天候の状況を伺いながら休憩する。次第にビールとワインでアルコールが回ったせいか風雨が全く気にならなくなってしまった。 夏油温泉方面に下山する。山頂から続く急斜面の下りは多少の雪が残っているものの道は明瞭である。沿道一面にショウジョウバカマ、カタクリが咲く。右手の雪渓の脇の道を何度か折り返しながら下りきると平坦な場所に出る。ここから先は雪原が広がり登山道は雪の下に埋もれ全くわからない。幸い樹木に付けられた赤テープがあるのでこれを頼りに進むことになる。雨が止み天気が回復したようだ。2時間ほど標高1000m前後の道を進むが雪面の凹凸や段差があるのでそれなりに時間がかかっている。山頂から約30分、ミズパショウの咲く湿原に着いた。登山道は湿原の縁を180度時計回りに進む。 さらに30分ほど進むと数十m離れた左手の雪原に裂け目があり沢があることがわかる。そして沢の川幅が広いところにミズパショウが咲いているのが見える。登山道を進んでいくとこの沢の水が流れる湿地帯の脇を通る。ここもミズパショウの観察ポイントである。ちょうど下山開始から1時間が経過し昼になったので湿原脇の雪原に腰を降ろし昼食休憩とした。 休憩後、ミズパショウの湿原を出立しすぐに雪渓で覆われた沢を渡る。小生は雪渓を踏み抜き靴が水没した。この先は南面に連なる尾根下をほぼ水平に進むコースになる。登山道は地形図上で標高1034mのピークの東面から北面を巻いているがこの付近は平坦な地形のため広大な雪原が広がっている。登山道の目印となる赤テープの間隔は数百メートル先に点在するので右往左往することが多くなる。尚、赤テープがあっても正規ルートから外れている所もあるので周囲の状況をよく確認しながら進む。ここは5人がかりの探索がものをいったと思う。標高1034mのピークの北面を下ったところで再び赤テープを見失う。この北面はスキー場のゲレンデのようなだだっ広い雪の斜面となっていてそのまま下方に下っていいものかどうかと探りながらこの斜面を東へ横断すると雪原の東端の樹木に赤テープが見つかった。ここから先は樹木の中を通る登山道を進む。時折前方に牛形山が見える。それらの展望と草花を楽しみながら下る。タムシバ、ムラサキヤシオ、オオカメノキ、ツバメオモト、マイヅルソウ、ツクバネソウ、チゴユリ、マンサクなど。 登山道は右手斜面から落雪した雪に覆われていた箇所が数カ所あった。幸い道は明瞭で通行に問題はない。やがて眼下に夏油温泉の建物が見えてくる。左手からの沢の音も大きくなってきた。ここまでくると予定通りに下山できそうなので企画した小生としてはほっとする場面である。 登山口に到達しまずひと仕事終了。この日は我々以外の駒ヶ岳登山者は見かけなかった。次は休憩場所の手配だがこれも小生の担当だ。登山口の近くにある宿泊施設から交渉するつもりだったが夏油山荘は開業していない(5月末の営業開始と貼り紙があった)、観光ホテルは本年の営業はしないとのことで閉鎖状態。大震災の影響は大きい。最後の砦、元湯夏油で個室休憩を申し込んだら駒形館の2階の部屋を案内された。内湯、露天と温泉の梯子をした後、部屋で宴会を開催。もっとゆっくりと温泉に浸りたいところだが山歩きにいろいろな要素を盛り込んだスケジュールなので慌ただしい。それでも元湯夏油の親切な対応に癒されました。帰路は県交通バスに乗車し北上市内に移動。居酒屋で恒例の慰労会を開催した。 |