バス時刻
北上駅前発夏油温泉行き820
夏油温泉発北上駅前行き1650(1640土・日・祝)
2003年10月8日
924 JR水沢駅前
953 出店(バス\500)
1037 鳥の海
1107 大森十字路
1141 駒ヶ岳林道入口(登山口まで3.5k地点)
1224 駐車場登山口
1325 下賽の河原
1335 上賽の河原
1351〜1400 山頂
1609〜1650 夏油温泉
1755〜1901 JR北上駅(バス\1,080)
1916 JR水沢
今週は朝の冷え込みが厳しいせいか体の調子がよくない。暫く前から似たようなことを言い続け怠けているがそろそろ体を動かし不調から脱しようと思う。今回は栗駒国定公園焼石岳景観区駒ヶ岳を目指すことにした。胆沢平野の前面に位置する駒ヶ岳は金ヶ崎の和光の牧場口と夏油温泉口の二つの登山ルートがあり,いずれも片道2〜3時間程度で登頂できるが,単独行の縦走となると容易ではない。
小生は20年ほど前,水沢市内の自宅から自転車で金ヶ崎の登山口まで行き山頂に到達したことがある。当時は道標がなく地形図と木に巻き付けられた赤布を頼りに進んだ。登山口に向かう途中で渓流釣りの方から声を掛けられ車に乗せてもらった。車道の終点はキッツ川上流の砂防ダムであった。そこで渓流釣りの方と別れた。登山道は一山越えた北側なので強引に山の斜面をはいつくばって山を越え登山口に至った記憶がある。当時一帯は植林されたばかりの禿げ山で見通しが良く歩きやすかったのが幸いした。
今回は金ヶ崎から夏油まで縦走を計画した。金ヶ崎側の交通機関は町営バスとなるが通勤・通院時間に合わせた時刻のため全く役に立たない。地形図で検討したが,岩手県交通の出店(でだな)バス停(胆沢町)から長々と車道を歩くしかなさそうである。
JR水沢駅前からひめかゆ行きバスに乗車。バスは国道397号をひたすら西に向かって進み30分程で出店に着く。定刻より5分遅れ。バス停の前には食堂がある。胆沢川に架かる明神橋を渡り永徳寺→北沢→下足の口→鳥の海→大森→胆沢町営牧野と地形図を頼りに右左折を繰り返しながら最短コースをたどる。北沢→下足の口→鳥の海の間は新道が完成したため距離が短い旧道は荒廃していた。
牧場ののんびりした雰囲気に心が和む。駒ヶ岳入口3.5kの道標で左折し林道に入る。この道は登山口の駐車場まで舗装されている。左手に牧場が続くがそれが尽きると勾配がきつくなり疲労を感じ始めた。空腹に気づき歩きながらおにぎりを食べるが呼吸が苦しくなりむせいでしまう。駐車場の入口に一関市とペイントされたバスがあり団体客がいるようだ。登山口と登山カードは駐車場の中程にある。ここまで来るだけで体力の大半を消耗してしまった。
登りはじめはブナ林の中の緩やかな斜面で気分がよい。途中,左手に山頂を仰ぎ見ることができるが,紅葉にはまだ少し早いようだ。だんだん勾配がきつくなり疲労がピークに達してくる。下賽の河原まで展望が開けないので気分転換できないのがつらいところ。やっと下賽の河原に着く。ここまでくれば山頂はもう目と鼻の先にある。上賽の河原から一旦鞍部に下った後,山頂まで一直線の最後の上りとなる。いちばん苦しいところであるが10数分の我慢で山頂に達するので踏ん張り所である。
駒形神社奥宮のある山頂に到着。遅い登頂のため山頂には私一人である。携帯電話のカメラで自分自身の記念写真を撮るが目がまともに開いてなく衰弱した顔であった。奥宮は新聞報道されたとおり最近の大地震で基礎のコンクリートが崩れかかっていた。陸中国一宮であるが無惨な状態である。胆沢平野,経塚山,牛形山などの素晴らしい景色のおかげでいくらか疲労が回復した気がする。
夏油温泉に下山する。山頂には夏油方面を示す道標はなかったが,奥宮の裏から下る道しかなさそうである。一気に下る。既に太陽光線は経塚山・牛形山に遮られ薄暗い。紅葉は金ヶ崎側よりこちら側の方が進んでいる。しばらくつづら折りを繰り返し下り終わるといくつもの湿地帯を横断する。おそらくこの辺りは遅くまで残雪があり,また,お花畑にもなっているのであろう。ひたすら尾根筋を進む金ヶ崎側に比べ変化があって楽しいコースである。ブナ林の中に入りやっと陽が当たるようになる。色づき始めた紅葉を見ながら腰を下ろし休憩する。
次第に沢の音が大きくなる。左下に夏油温泉の建物が見える。温泉の呼出放送が聞こえる。山腹を右に大きく回りその後は温泉めざして一直線に下る。途中道が左に分岐しているがそちらの方が正式ルートのようだ。小生はそのまま直進し自然観察コースの中に入ってしまう。コースはいろいろあるようだが温泉の建物を目指して下ると最後は登山口に至った。
登山カードに下山報告を記入し階段を下ると温泉地区に入る。初めて訪れたところなのでバスの時刻までうろうろと歩き回る。観光案内板,温泉施設,経塚山登山口など得られる情報は多い。温泉入浴は見送った。東屋で帰り支度をしながら休憩していると浴衣姿の年輩の女性2名が来たので雑談する。宮城県の登米から来たとのこと。
定刻にバスは発車。夏油高原スキー場入口まで道幅が狭く蛇行を繰り返す。この道では冬期間は通行止めにならざるを得ないだろう。
参考文献
※1「再発見 胆江地方から見える山々」及川慶志著 胆江日々新聞社2000年4月発行
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2009年5月16日
830 まちの駅水沢(集合)
925〜951 登山口 迷う
1118 下賽の河原
1136 上賽の河原
1202〜1302 山頂
1320 上賽の河原
1329 下賽の河原
1445 登山口
1535 まちの駅水沢(解散)
同行Y氏、K氏
久しぶりのグループ登山となった。企画立案は小生が担当。メンバーの力量が未知なので車移動が楽、さほど体力を必要としない、景色が良い所などを勘案し行き先は駒ヶ岳に決めた。まちの駅水沢に集合後K氏の車に同乗し登山口を目指す。
登山口の駐車場は既に満車状態で最奥の列の狭いスペースに駐車する。タチツボスミレ、キジムシロが咲く。駐車場から道なりに進んでいくと左手に登山カード箱、道の終端はうがい清水である。登山道入口を示す標識がいくつか立っているが文字は消えかかっていて方向がはっきりしない。特に疑問もなくうがい清水から先に続く細道を進んでいくことにした。この道は悪路で小枝をかき分けながら進むがファミリー登山コースの範疇を超えている。やがて踏み跡が消失したので引き返した。正規の登山コースは登山カード箱の裏から続いていた。
ミズナラ林を進む。道端にチゴユリが咲く。間もなく伐採跡地を通過する。視界が開け左手に駒ヶ岳の全貌を望む。その先はブナが優勢となる。ムラサキヤシオ、オオカメノキ、タムシバ、コヨウラクツツジの花が点在する。クロモジ、ハウチワカエデ、ウリハダカエデも花を付けている。ウワミズザクラはつぼみ。マンサクは花期終わり。低木ではリョウブ、エゾユズリハが多い。標高が上がるにつれてショウジョウバカマ、カタクリの花も多く見られるようになる。ツクバネソウ、マイヅルソウは葉を展開しているが花期にはまだ早い。
下賽の河原付近は残雪の上を歩く。ブナは矮小化しまだ葉芽である。残雪から伸びるダケカンバは曲がりくねり厳しい気候条件を物語る。上賽の河原までの稜線にはシラネアオイが咲く。常緑針葉樹のイチイが点在する。上賽の河原、古い石碑前を過ぎ一旦鞍部に下る。沿道一帯はカタクリ花群落である。最後の山頂までの斜面は残雪の上を歩く。残雪と新緑のブナのコントラストが美しい。
駒形神社奥宮の立つ山頂に到着。先客は20人位で程良い賑わいだ。経塚山を望む場所にシートを拡げて休憩する。山頂広場は天然芝、周囲はアカミノイヌツゲ、ミネザクラ(開花中)、シラネアオイ、近くでウグイスが鳴く。天候は曇りで明瞭な視界はないが持参した双眼鏡では県立胆沢病院が確認できた。神社奥宮は地震で崩壊寸前の状態であるが今年中に立て直すと案内板に記されている。
帰路は往路を引き返す。新緑のフナ、季節の草花、展望は期待通りで久々のグループ登山の企画としてはうまくいきすぎたと思う。次回の企画も小生が担当のようだが今回の駒ヶ岳並みのレベルを期待されるだけにしばらく悩み続けることになりそうだ。
参考文献
※1「新・分県登山ガイド2 岩手県の山」藤原直美著 山と渓谷社2006年6月発行
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