国見山
岩手県奥州市衣川区
標高788.1m
奥州市衣川バス北股線西窪、古舘、または国見平温泉下車
【写真】山頂
2010年11月25日
 801 水沢駅通り
 823 大畑平
 925 古館バス停
1036 レストハウス
1052 第2リフト降り場
1102 林道十字交差点
1105 登山道入口
1112〜1130 山頂
1205 レストハウス
1221 国見平スキー場駐車場
1313〜1500 国見平温泉
1605〜1620 大畑平
1642 水沢駅通り

 文献※1記載の未踏峰の一つ、国見山を目指そうと思い計画を立てたのは9月末頃であろうか。しかし法事や体調不良でなかなか実行できないでいた。そんな中、今回は突然の登山実施となった。この日は元々自宅で個人的な諸事を処理をするつもりだったがこういう日に限って自宅でゆっくりと過ごす訳にはいかないことがわかり早々に家を出ることにした。さぁどこに行くか。机の上にあった国見山周辺の地形図のコピーが目に留まった。この日は平日のため過疎地への路線バスが運行されている。ただし衣川区の市営バスの時刻が不明のため県交通バスの広岡線に乗車することに決めた。
 水沢駅通りのバス停で広岡線の時刻を調べると小生が以前調べた時刻より10分遅い到着時刻に変更されていた。定刻にやって来たバスに乗車。この路線に乗車するのは35年ぶり位になるだろう。沿線の病院や胆沢区の主要施設などで乗客が下車し今でもそれなりに需要はあるようだ。岩手ふるさと農協本店から先は小生のみの乗車となり終点の大畑平で下車する。水沢市街地を抜けてから散居の風景が続いていたが大畑平は道の両側に郵便局、数件の商店、消防分署が並ぶ集落でかつてはこの地域の中心地であったことが窺える。
 地形図を頼りに車道を国見平温泉方面に歩き始める。しばらく稲刈りを終えた水田地帯が続く。胆沢区・衣川区境界付近は小高い雑木林の中を進む。ここはヤマガラ、ホオジロが多い。雑木林を抜けると畑が広がり南面に国見山が良く見える。車道を下っていくと県道37号に出る。その地点から県道南側の台地の上に国見平温泉が見えるが往路では立ち寄らずに県道を少し南下、市営バス西窪バス停から右折、北股川に架かる橋を渡り林道(舗装道)を上っていく。この林道には消えかかった道標があり国見平スキー場の上部にあるレストハウス、バンガロー、キャンプ場に通じていることを示しているのだが現在は全て廃業状態であった。時折大型ダンプトラックが往来する。
 沿道はアカマツ、ヒノキ、スギの人工林とナンブアザミ、ノコンギク、タニウツギ、ノリウツギなど。道路の急坂部分は迂回路が分岐・合流する。徒歩の小生は距離短縮のため直進した。スキー場の上部にあるレストハウスは窓ガラスが割れ、入口の階段部分にはコンクリートの破片が散乱していた。一昨年の大地震で被災したと思われる。先に進むと管理棟らしき建物、トイレ、第2リフト降り場があるが全て荒廃している。一方、眼下の景色は素晴らしい。北上盆地、胆沢扇状地が一望できる。樹木はブナが主役に変わる。
 第2リフトから先の林道は未舗装となる。しばらく進むと十字交差点がある。案内板によると左折方向が現在工事中の林道で衣の滝まで延長工事をしているとのこと。ここでは直進した。地形図を見ながら国見山の山頂を目指す。登山道が無い山らしいので適当な登り口を探さなければならない。その登り口は意外にも簡単に見つかった。国見山とその東に連なる標高約750mの小ピークの鞍部に位置する林道脇に赤テープを発見、その先に踏み跡が続いている。ササは刈払われ通行に支障がない。細道はトチ、ホオノキ、ヒトツバカエデ、エゾユズリハの鞍部を南に進んだ後、西に90度直角に折れる。赤テープに導かれ緩い稜線を登ると程なく山頂に到達した。同時に近くにいたカモシカが驚いて下っていった。
 二等三角点を中心とした山頂は刈払いがされ直径10m程の広場になっていた。ツルシキミ、ハイイヌツゲ、ハイイヌガヤが地表を覆う。周囲はブナの細木に囲まれているので展望は樹幹越しに見える程度である。南面にも別の登頂コースがあり工事中の林道に通じていると思われる。切り株に腰を下ろし昼食休憩とした。
 帰路はスキー場のレストハウスからゲレンデを下った。この一帯はブナ二次林である。既にリフトが架設されスキー場開きの準備が進んでいる。木々の間を飛び回る小動物がいるがムササビか?。ゲレンデは15分程で下り終えその後は車道を進む。国見平温泉に入浴し疲れを癒した。

参考文献
※1「再発見 胆江地方から見える山々」及川慶志著 胆江日々新聞社2000年4月発行

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