室根山(むろねさん)

室根村,大東町,千厩町
標高895.4m
JR一ノ関駅前から大船渡行き特急バス室根山登山口下車

【写真】折壁から室根山を望む

2003年11月24日
 826 JR水沢発
 850〜900 JR一ノ関(県交通バス\820)
 951 室根山登山口バス停着
1018 蟻塚公園分岐
1026 蟻塚公園トイレ前
1028 登山道入口(神社2.7km,山頂3.5km)杉並木
1046 右室根高原荘,右室根山荘道標
1051 田植の壇
1055〜1103 姫滝・芦東山籠岩入口
1104 鬼岩分岐
1115 見晴台(シラカバ平分岐)
1123 望洋平キャンプ場
1128 山頂へ20分道標(駐車場奥)
1130 右回り左回り共15分道標 右選択
1134 右回り左回り共10分道標 左選択
1138〜1213 山頂
1218 林道
1234 シラカバの道分岐(悪路)
1246 丁字路 進入禁止
1254 室根高原牧場丁字路
1326 金剛童子 小屋あり
1328 陸奥長者富沢屋敷跡
1337 新田バス停
1410 七切農道
1425 一六バス停(国道343号)
1509 大森峠バス停
1526 かっぱいど橋
1555 四ツ角バス停発(県交通バス\690)
1645〜1704 JR一ノ関
1728 JR水沢着

バス時刻
室根山登山口バス停 室根村営バス両国橋行き810,1121,1405,1703,1801(津谷川終着)
新田バス停 大東町営バス町営バスセンター行き727平日,1154月水金,1623平日

 室根山は県南のどの山に登っても目立つ存在である。山頂まで車道が通じ登山の対象とならない山かも知れないが一度は登っておきたいし,また山頂からの展望も期待できそうだ,ということで今回の目標とした。
 一ノ関駅前から特急大船渡行きに乗車し室根山登山口バス停で下車。到着時刻は時刻表通り。バス停は室根村折壁の中心市街地沿いにある。ここから津谷川方面の村営バスの便もあるので後学のためメモする。バス停から商店街を東に50m程進むと信号のある交差点がありここに登山口の案内板があるので左折(北へ)する。すぐJR大船渡線の踏切を渡り鳥居をくぐる。室根山は正面に見える。鳥居の先,道路はY字に分岐するが道標に従い右に進む。道なりに進んでいくと十字路交差点があるが直進しその先すぐ道はY字に分岐する。道標によると左は蟻塚公園駐車場,右は室根山とある。どちらを進んでも蟻塚公園で合流するが右は自動車用道路で大きく迂回するので距離が短い蟻塚公園駐車場方面に進む。蟻塚公園は炊事場やトイレ等の野外活動設備がある。
 蟻塚公園の北端から登山道が始まる。登山道と言っても室根神社の参道を兼ねているせいか道幅はとても広く(車2台分はある)道の両側は立派な杉並木となっている。一直線の登りで勾配はきつい。しばらく同じ景色が続くので前に進んでいないような感じがしてくる。2度車道を横断したあと周りの樹林帯は低木となり高山の雰囲気がしてくる。途中田植の壇と記された小さな社殿がありその周囲は広場となっている。休憩にはちょうどいい場所である。
 左手に姫滝・芦東山籠岩入口の道標があったので寄り道をした。姫滝は室根神社境内三十三観音の下から湧き出た流れとのこと。籠岩は姫滝の右岸の大岩である。登山道に引き返すとこんどは右手に鬼岩へ分岐する道がありこちらにも寄ることにした。坂を下ると道の両側に大岩がある。そのどちらかが鬼岩と思われる。その先にも整備された道が続いて見晴台に至るとのこと。すぐ近くにあるだろうと思ってどんどん進んでいくがなかなか着かない。そのうちに樹林帯を抜け笹原となる。結局「←シラカバ平」という道標が立っているところに出た。周囲は芝やツツジが植えてありこの場所が見晴台であろう。気仙沼湾が見え素晴らしい。
 トラクターのわだちにそって公園内を登り車道を横断。車道の反対側にも階段があり登山道は続くようなのでほっとする。階段を登るとそこは望洋平キャンプ場であった。シーズンオフで入口が閉鎖されているので誰もいない。この設備と展望ならシーズン中は相当混雑すると思う。キャンプ場を横断する。キャンプ場入口に石彫のコース案内図があった。車道を歩かなくてもここから登山コースがいくつかあるようである。周りを見回すと北側の駐車場の奥に登山道入口があった。山頂へ20分とある。その先色々コースがあり道は枝分かれしているが山頂到達時間はどれも大差ないようである。気分次第で左右を選択し山頂台地に到達した。
 山頂からの景色は思っていたとおり360度。岩手山,秋田駒,焼石,栗駒,種山,蓬莱,大鉢森,束稲,大原・折壁集落,氷上,五葉,六角牛,早池峰,気仙沼・高田市街地など。特に種山,蓬莱,大鉢森,束稲はいつも見慣れている北上盆地の裏側からの展望のため左右が逆転しているような錯覚がした。真っ白に冠雪した鳥海山山頂部の三角形が焼石連峰の背後から突き出ていた。車道の終点にある天文台付近はドライブやパラグライダーで賑わっているようだが山頂は時折家族連れが立ち寄る程度で静かである。ベンチやテーブルは独占で気分良く休憩する。室根神社は次回に訪れることにした。
 下山場所は大東町大原とした。山頂からは当面の目標地点である室根高原牧場がすぐ眼下に見えるが道はかなり西側に迂回している。山頂から西に延びる遊歩道を進むと千厩方面に下る林道に出る。この林道の入口には車両通行禁止の道路標識があった。つづら折りに林道を下るとシラカバの道という道標があり荒れた遊歩道が分岐している。舗装車道に出たところで右折し大東町に入る。牧場の中に入り丁字路を左折。徒歩なので牧場の中を横断し近道をした。その先は山間の下りで曲折した車道歩きとなる。払川に沿って下ると金剛童子の社殿と陸奥長者富沢屋敷跡の史跡がある。それから間もなく十字交差点があり人里に入る。交差点には大東町営バス新田バス停があったがちょうどいいバスの便はない。
 交差点を直進し払川集落の中を進む。牧草,水田,桑畑が混在する。道沿いに牛が放牧されているところは牛を刺激しないようにそろりそろりと歩く。牛たちは変な奴が歩いているなという感じで過ぎ去るまで私の方をじっと見ている。
 国道343号沿いの大原集落に入る。古くは今泉街道の宿場町として栄えたとのことであるが今はひっきりなしに車が通過するだけの町に見えた。歩いていても歩道がないので危険を感じる。そのせいか人通りはない。町営バスの摺沢駅行きは2時間近く待たなければならないので摺沢まで歩くことにした。当初の計画でもこの区間の徒歩は予想していて5kmくらいだがさほど苦労はしないだろうと思った。しかし実際歩くと大森峠という峠越えがあり,また峠の前後は歩道がない。今泉街道を歩いてみようという人にとってはつらい区間である。曽慶川に架かる「かっぱいど橋」から歩道が整備され歩きやすくなる。
 ローソン付近の信号機交差点で左折し摺沢商店街に入る。四ツ角という交差点を直進すると前方にJR大船渡線が見えた。まず駅の場所を探そうと思ったがすぐ近くに県交通の四ツ角バス停があり時刻を見るとちょうど1分前。すぐに一関行きのバスが来たので乗車し帰路についた。

参考文献
※1「岩手の山やま」 昭和60年7月20日発行 熊谷印刷出版部 高橋喜平・高橋亭夫・中村正


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