七時雨山

岩手県八幡平市
標高1060m(北峰),1063m(南峰)
JR花輪線荒屋新町駅
JR盛岡駅東口7番から特急バス大館行安代下車

【写真】北峰から見た南峰

2007年10月13日
 657 JR水沢
 748〜815 JR盛岡
 910 安代インター
 953 繋沢集落ゲート(県道6号から1.5km地点)
1014 田代大橋
1037 林道合流点
1109 放牧場入口
1124 一合目
1140 三合目
1152 五合目
1154 六合目
1200 七合目
1207 八合目
1215 九合目
1225 北峰
1233〜1300 南峰
1318 見晴台
1355 賽の神群
1358 車之走峠(標高710m)
1415 お七地蔵
1440 まわりみち(ぬかるみ)
1500 牧場(迷う)
1514 四合目
1517 ゲート(七時雨山南峰2.7km、鹿角街道分岐地点)
1523 マダ並木(七時雨山南峰3.1km、七時雨一里塚1.2km地点)
1531 二合目(七時雨一里塚1.0km地点)
1542 一合目(七時雨一里塚0.4km地点)
1547 七時雨一里塚(国道282号まで4km地点)
1641 軽井沢橋・白山神社
1657〜1750 JR荒屋新町
1906〜2011 JR盛岡
2120 JR水沢

 七時雨山は新日本百名山に挙げられているせいか観光案内のパンフレットで紹介されているのをよく見かける。八幡平から北面を眺めたとき奥中山高原の平坦な土地の西側に突き出ているのが西岳であるがさらにその西に連なるピークが七時雨山である。ということは以前からわかっていながらなかなか訪れる機会がなかった。この山は小生のように公共交通機関を使って山登りをするのは難しいと思っていた。しかし文献※1に記載されている山をいつかは踏破するという大業な目標を立ててしまった以上見過ごすわけにはいかなくなった。地形図を見ながら計画を立案する。上りは田代平高原からの最も一般的なコース、下りは車之走峠から旧鹿角街道を経由し荒屋新町に至るルートとした。
 盛岡から高速バスで安代インターまで乗車する。安代インターまではJRバスと県北バスが運行しているが乗車券は相互に使用できないようである。小生は初め盛岡駅の北側連絡通路にあるJRバスの券売機で切符を購入したが間違っていることに気づき払い戻した。駅東口の県北バスの窓口で買い直した。県北バスの切符は昔の鉄道の切符のような硬券だった。特急みちのく号(花輪・大館行き)に乗車。安代インターバス停は一旦高速道路の料金所を出て近くのテレトラック安代(岩手競馬場外発売場所)の駐車場内にある。
 国道282号を北上し信号機のある交差点で右折(東に向かう)し県道6号(浄法寺方面)に進む。途中から歩道が無くなるが交通量はさほど多くなかったので助かった。JRバスの繋沢バス停付近で右折し県道30号に入る。上りの斜面を進んでいくと繋沢集落がありその先にゲートがあって冬期間はここから先は通行止めになる。次第に高度を上げながら車道を上っていく。振り返ると稲庭岳と風力発電の風車がよく見えた。県道30号の道路脇にはオオバヤシャブシ、ヤマハンノキ、ガマズミ、キブシ、コマユミが多い。またカマツカの赤い実の付きがとても良い。
 やがて田代平高原の牧草地が車道の右手に開ける。文献※1では七時雨山荘を経由し登山口に至るルートが紹介されているが牧草地の外縁を時計回りに約3/4周しなければならず遠回りになる。地形図を見ると牧草地の北西方向から登山口に直接至る作業道があるのでこの道に入ってみることにした。この作業道の入口にはゲートがある。車道(県道30号)を挟んで反対側には駐車スペースがありここから田代平高原の遊歩道が続いているようである。ゲートの脇を擦り抜け作業道に入る。道端にはノイバラの赤い実が多い。リンドウが咲いている。作業道はトラクターなどの車両が楽に通行できる道幅であるが途中から右手の牧草地内に入るので登山口の方向と異なってしまう。ここではこの作業道に入らずに地形図を頼りにやや荒れた細道を直進する。しばらくすると反対側(東の方)からくる作業道に通じ登山口の一合目道標も立っていた。
 牧草地の中緩やかな斜面を上る。明瞭な踏み跡はないが道標があるので迷うことはなく助かった。二合目付近でゲートを通過。牛が逃げないように通った後は必ずゲートを閉めるようにと注意書きがされている。三合目から樹林帯に入る。ブナ、ミズナラ、カエデが主な樹木で標高が増すにつれて紅葉が目立つようになる。八合目の小ピークを過ぎ鞍部に下る。この付近にはマイヅルソウ、エゾユズリハが多い。九合目が紅葉の見所となる。北峰に到達したが既に先着の方々がいて山頂スペースはあまり広くない。その先にある南峰を目指す。
 南峰山頂は広々としていてほぼ全方位の展望を見渡すことができる。特に岩手山の眺めがよい。ビニールござを敷き昼食休憩とした。山頂西側にシャクナゲがあった。下山ルートとしては高清水コースと西根寺田コースを示す道標がある。高清水コースの方が荒屋新町方面への近道と思われるが計画通り車之走峠を目指すことにしたい。そこで西根寺田コースを下ることにした。
 笹原の急斜面を下る。道には岩石が多く露出するようになる。南向きの斜面で日当たりがよい場所にヤマハハコが咲いている。途中、見晴台と言う場所があってこの急斜面のコースを上ってくる人にとっては一息つける場所になるだろう。真正面(南面)に岩手山を望む場所である。ダケカンバ、シナノキ、トチノキの混生する樹林帯に入ると勾配は次第に緩やかになり登山道脇にはオヤマボクチ、ノハラアザミ、ノコンギクが咲く。
 どんどん下っていくと丁字路に突き当たる。左は西根寺田方面で少し入ってみると賽の神群の標柱があった。右はあまり人が入っていないようなやや荒れた道だったが3分程進むと牧草地のゲートが道の左側にあるがそのまま直進すると車之走峠の標柱があってアカマツに囲まれた草地となっている。大滝(西根方面にある滝)まで4kmと記された標柱や旧鹿角街道と記されたプレートもあった。
 旧鹿角街道に入る。事前にホームページなどで調べたところ地元の方々が旧街道を整備・保存しているとのことだったがまさしくその通りでトチノキの中の快適な道である。途中、お七地蔵がありマダの木(シナノキ)の下に祀られていた。旅の途中で亡くなった女性の供養のためとのこと。
 進んでいくと道が左右に分岐する。右には「まわりみち」と記されたプレートがあった。「まわりみち」の方が道が良さそうなので入ってみると凹状の道を下った後その先の道が不明瞭になる。鉄条網が張ってあり鉄条網の向こう側に沢が流れているようだ。沢に入らないように鉄条網があるのだろうと思って他に手がかりがないかうろうろしていたら右足がぬかるみの中にはまった。あわてて右足を上げる。すると今度は左足がぬかるみの中に一層深くはまりこんだ。足を上げようとしたが強力な泥の抵抗があって上がらない。左側に体を倒し両手をついて何とか脱出する。手をついたところがぬかるみでなかったのが幸いした。もしや「まわりみち」はぬかるみを避けるための道なのか、と気づいた。一度引き返し「まわりみち」ではない道に入ってみたが同じぬかるみの場所に着いた。うっかりするとまた足がずぶずぶと泥の中に沈む。どこかに抜け道がないのか何度も行ったり来たりしたが見つからない。もしかしたらと思って鉄条網をくぐり小沢に近づくとその先に道が続いていてほっとした。
 小沢で靴の泥を落とし先に進む。再び快適な道となる。右手の木陰の先に牧草地が広がっているのが見える。次の小沢を渉ると牧草地に出る。牛が放牧されている。牧草地の縁を進むものと思っていたが何気なく周囲を見渡すと旧鹿角街道の道標(新しいものなので地元の保存会が立てたのだろう)を見つけた。この道標は牧草地を南から北に横断する方向を指している。道標に従い牧草地を横断。踏み跡は無い。下の方にいる牛の群は不審そうにこちらを見ている。横断し牧草地の反対側の縁に到達する。鉄条網がありその外は雑木林となっている。どこか目印となる道標がないか探しながら鉄条網沿いに右往左往するが見当たらない。下の方には牛がいるので進むのは無理だ。あきらめてまた牧草地を横断し道標のある場所に戻り見落としがないか再度周囲を確認したがそれらしきものはない。もう一度牧草地を横断。鉄条網の外の雑木林が一部欠落していて草地となっている場所がある。この先に道が続いているかも知れない。鉄条網の針金が緩んでいるところを探しその場所から鉄条網の外に出た。その草地の斜面を上ると未舗装の道に出た。牧場の作業道と思われる。この道を下っていくと四合目と記された道標があった。おそら南峰に至る高清水コースの道標なのだろう。その先にゲートがありよじ登って越す。ここには左・七時雨山南峰2.7km、右・旧鹿角街道と記された道標があった。
 牧場の管理棟らしき建物がありその近くにマダ並木の案内板がある。南部藩が旧街道沿いに植えたとのことで管理棟の裏に続く道に沿って並木が続いている。車道から分かれ牧草地の中の道となる。踏み跡は無いが二合目、一合目と道標が設置されているのでそれを頼りにして下っていく。再び未舗装の車道と合流し少し進むと七時雨一里塚に着いた。他の南部藩の一里塚と同様、街道の左右を挟むようにして2つの塚を築いているものである。盛岡城下鍛冶丁から十二里の位置にあるとのこと。
 一里塚を過ぎると道が左右に分岐しているが右の道に入る。この道は地形図上では軽井沢という集落に至る道で軽井沢と言う沢沿いの道である。沢に沿って牧草地が開け道沿いのカンボクが赤い実をつけている。夕暮れが迫り日は前方の山陰に沈もうとしている。舗装道に変わって間もなく不動滝への道が左手に分岐する。不動滝方面の道が道幅が広く路面の状態も良い。そこで当初、小生は間違えて不動滝方面に進んでしまった。この位置に立つ道標が最後に見かけた道標である。
 牧場関連の倉庫の建物の前を過ぎると左に沢、右に山が迫り道幅は車両一台やっと通れるほどの幅になる。軽井沢集落を過ぎ高速道路の下をくぐり安比川に架かる軽井沢橋を渡ると平野部に出る。途中の白山神社に参拝。JR花輪線の踏切を越え国道282号沿いの荒屋新町の街並みを抜ける。荒屋新町の駅舎の中で盛岡行きの列車を待った。

参考文献
※1「新・分県登山ガイド2 岩手県の山」藤原直美著 山と渓谷社2006年6月発行


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