男神岩・女神岩(おがみいわ・めがみいわ)

岩手県二戸市
標高329.7m(展望台)
IGR二戸駅

【写真】男神岩の上部

2009年5月5日
1402 IGR二戸
1420 登山口
1452 天地峠
1455 女神岩
1503 左右山小平
1515 展望台
1525 男神岩
1544 登山口
1602 IGR二戸

 小生の乗車していた電車は一戸−二戸駅間で事故に遭い警察の現場検証などで約2時間遅れで二戸駅に到着した。事故直後の山歩きはどうにも気が乗らない。今日の目的地は駅から直線距離で2kmもないので寄り道せずさっさと往復して帰路につくのがよさそうだ。
 駅西口のコンビニ前を南に進むと男神岩を示す道路標識があるので右折、100m西の変形十字路で左折する(右折は福岡工業高校)。国道4号線を高架で越えしばらく進むと上里集落の中に入る。分岐では男神岩方向の案内板に従って左折。民家が途切れたところに「歩いていく人の無料駐車場」と掲示されている場所があった。さらに進むと手書きのコース案内図と男神岩入口の案内板がある。ここで左折し民家の裏庭を通る細道に入る。他人の敷地に侵入しているような感じで本当にこの道で良いのか不安になるが道なりにたどっていくと神社前に着いた。上里の山神と記された案内板がある。石段を登り道中の安全を祈願して参拝する。
 神社に向かって左に道が続いている。沿道には春の山野草が勢揃いしていた。ヤマブキ、ヤマエンゴサク、ユキザサ、シロバナエンレイソウ、カキドオシ、モミジガサ、タチツボスミレ、ムラサキケマン、コウライテンナンショウ、チゴユリ、ヒトリシズカ、クルマバソウ、シャク、サナギイチゴ、ニリンソウ(花期は終わり)。女神岩までつづら折りの上りとなる。樹木はケヤキが主体でイタヤカエデ、ヤマモミジ、コナラ、ミズナラ、アカマツが混じる。天地峠付近はカタクリの群落(花期は終わり)に替わってマイヅルソウが葉を展開している。フデリンドウが咲く。この峠は日本で一番小さい峠との案内がある。
 女神岩は南面の断崖方向を除けばナナカマド、シナノキ、アカマツ、アズキナシに囲まれ岩の上は1畳程度の広さである。南面眼下に馬淵川、国道4号が見えた。女神岩と男神岩の中間には左右山小平という平坦な場所がある。この辺りはスギ林である。サンショウ、ミヤマハタザオ(かも知れない)もあった。散歩の人と擦れ違ったり抜かれたりしながら斜面を上っていくと展望台に着いた。ここで車道に合流する。展望台に上がり景色を眺めると男神岩には寄らずに通過してしまったことに気づいた。連休中の観光地だけあって展望台周辺は散歩の人に加え車で訪れる人もいて人の絶えることがない。
 途中まで下山し分岐で右折、男神岩を目指す。シジュウカラが鳴く。キバナイカリソウが咲く。男神岩の入口に、この先危険、立入禁止の注意看板がある。とりあえず行けるところまで行ってみることにした。やせ尾根を通り岩場を少し上ると平らな台地(=男神岩)に出た。周囲に樹木は無く開放感があり眺めも良いが足下に注意しないと断崖に転落する危険がある。台地の突端部に小祠があり一升瓶が供えられている。この部分は展望台から見るとオーバーハングしていていた所だ。近づくのは止めにした。
 帰路は同じコースを引き返す。左右山小平手前でカモシカに遭遇した。カモシカは遊歩道を南から北に横断するつもりのようだが小生がいるので躊躇している。小生もカモシカがいるので下山できず立ち往生である。しばらくするとカモシカは横断をあきらめ南斜面に下り始めた。これで下山できるかなと思い斜面の下を覗いてみるとカモシカはまだ近くにいて小生と目が合った。そしてカモシカはさらに斜面を下ったので小生は下山を開始した。同時にザザザザという音がしたのでカモシカが遠くへ逃げていったと思った。ところが少し遊歩道を下ると後方からガサガサと音がして振り向くとカモシカが一頭、競走馬並のスピードで遊歩道を横断した。驚く間もなくさらに続けてもう一頭横断した。
 順調に下り無事に麓の神社に到着。市街地近郊の短時間の山歩きにもかかわらず多くの動植物に遭い県立自然公園の一端を窺うことができた。

参考文献
※1「岩手の里山を歩く」大坊孝男著 岩手日報社出版部2004年4月発行


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