大万館山(おおまんだてさん/だいまんたてやま)
岩手県奥州市江刺区田原
標高259.4m
岩手県交通バス大平線高根下バス停下車
【写真】山頂プレート
2011年6月5日
 830 自宅発(自転車で移動)
 919 高根下バス停
 936 北風集落側から山に取り付く
 946 主稜線に出る
 959 山頂三角点
1027 北風集落西側の民家の裏に出る
1038 高根下バス停(自転車で移動)
1120 自宅着

 東日本大震災の影響で長らく通行止となっていた藤橋(国道343号)が先日開通した。待望の開通である。これで小生の自宅のある北上川西岸から東岸に行くのが容易になった。開通記念に藤橋を自転車で渡り大万館山に登ることにした。小生は十代の頃、二万五千分の一地形図「水沢」を机の上に常置し眺めるのが好きだったが大万館山という山名が気になり山頂から水沢市街地を展望したいと思っていた。ある日、大万館山に登ろうと思い、山麓の耕田寺近くの林道を進んだ。道は雨でぬかるみ、やがて道は消失、そこから先は腰の高さ位の若木が山肌に整然と植えられていた。小雨が降り続いていたのでそこで引き返した。その後、大万館山近くの県道197号を通るたびいつかはあの山にと思っていたが実現せず30年ほどの年月が流れてしまった。
 文献※1によると大万館山に登山道はないが耕田寺(山の西側)からのルートが紹介されている。一方、国土交通省国土地理院の三等三角点の記(昭和47年)によると北風集落(山の東側)から山頂まで道が続いているとある。今回の登山コースは道がないことがわかっている耕田寺側ではなく道があるかも知れない北風集落から登ることにした。
 自宅から自転車で藤橋を渡り国道343号から県道197号を通って水沢区/江刺区境界の峠を越える。県交通高根下バス停前の高根下分館の敷地内に自転車を置き県道を東に向かって歩き始める。右手に大田代川が並行するが最初に現れた橋を渡り水田地帯を通過(このあたりが大万館山の北端になる)、丁字路に突き当たるが右折し北風集落に入る。道路の右側が水田で、左側は民家が並ぶ。水田は道路と大万館山に挟まれた南北に細長い谷に開けている。道路は水田より5mほど高い位置を通っている。水田を挟んで対岸の大万館山を望みながら道路を南に進む。水田は草刈り作業中なので邪魔にならない場所から水田を横断し山に取り付くことにした。
 舗装道が左に折れ未舗装の作業道が直進している所から水田に下り畦道を通って水田を横断、シイタケ栽培と思われる木材が置かれている場所から山に入った。薄暗いスギ林の中、少量の水が流れる谷を登る。かなりの急斜面だったが登っていくうちに緩くなり明るい広葉樹の森に変わった。山頂に続く稜線は文献※1記載のとおりきれいな林床だ。尾根は幅広く起伏もないので公園のようである。樹木は圧倒的にヤマボウシが多い。ミツデカエデ、アズキナシ、コナラ、エゴノキ、クリ、イタヤカエデ、ケヤキなど。モミもあって驚いた。これは岩手県内陸部では北限になるのではないか・・・等々、発見が多くうれしい。
 山頂が近くなると高木がなくなり密集した低木をかき分け進む。この付近には道があった。カマツカ、コゴメウツギ、ハシバミ、サンショウ。ヤマツツジ、タニウツギが咲く。山頂には三角点と山名を記したプレートがあった。展望は無い。稜線を先に進むと薄暗いスギ林が続いている。座って休憩するスペースもないので往路と同じ稜線を引き返す。そのまま尾根筋をたどり下っていく。麓の方から草刈り機の音が聞こえてくる。伐採跡地から作業道(人が通行できる程度の道幅)が続いていたのでその道を歩いた。既に樹間から麓の水田が見える。どこに下っているのだろう、コンパスもなく適当に下ってきたので探検気分だ。
 作業道は民家の裏の水田に出た。北風集落の丁字路から西に100mほどの場所である。ちょうど大万館山山頂の真北に当たる。農作業をしている方の邪魔にならないように(不審者に思われないように)畦道を進み車道に出た。この車道は往路でも通った道である。車道を西に進み大田代川に架かる橋を渡り県道を197号を進み高根下分館に到達した。

参考文献
※1「再発見 胆江地方から見える山々」及川慶志著 胆江日々新聞社2000年4月発行

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