六角牛山
六角牛山 遠野市
標高1294m
JR釜石線青笹駅・岩手上郷駅
【写真】岩手上郷駅から六角牛山
2003年11月14日
 616 JR水沢発
 820 JR青笹着
 824 青笹・中沢バス停 登山口まで6.5k
 855 瀬内
 901 六神石神社分岐 登山口まで3.5k
 929 林道十字路左折 大滝まで1k
 947 登山口 登山カード
 954 一合目 雨量計
1000 二合目 大岩
1005 三合目 小岩 二合目から笹なくなる
1008 四合目 左右に岩 笹始まる
1012 五合目 苔むした岩
1017 六合目 岩多くなる
1023 七合目 急な登り
1030 八合目 笹背丈くらい
1040 九合目 小祠 井戸 小屋廃墟
1045 小ピーク展望良い
1052〜1120 山頂
1131 九合目 急坂下ったところ小祠
1144 八合目 赤松?
1149 七合目 笹無い 公園のよう
1157 六合目
1201 五合目 蛇行
1210 四合目 分岐直進
1219 三合目 カンダ沢峰?
1229 二合目広場駐車場 倒木
1237 一合目 水飲場 六角牛山前薬師堂
1242 林道十字路直進 赤沢川沿い
1307 上郷口登山起点道標
1312 暮坪
1315 登山カード
1321 八日市バス停 登山口まで6km
1334 上郷バス停
1339〜1454 JR岩手上郷
1713 JR水沢着

バス時刻表
中沢 遠野行き738,847,1351 高田行き830,1220,1730(土日祝は世田米止まり)
青笹 遠野バスセンター行き831,1241,1601,1826
八日市 足ケ瀬行き758,1208,*1528,1756(*は日祝休)
上郷 遠野行き 1345

 今回は遠野物語で知られる遠野三山の一つ六角牛山に登ることにした。民話や伝説で思い描いていた六角牛山であるが実際に足を踏み入れ感慨に耽ってみようと思う。
 JR青笹駅で下車。無人駅なので車掌に乗車券を手渡す。この日は冷え込みが厳しくあちこちに霜が残る。釜石線の線路に沿いしばらく南下する。道なりに進むと道は左にカーブし線路を離れ国道283号との交差点に出る。交差点角にバス停が二つある。青笹バス停(早池峰バス)と中沢バス停(JRバス東北)である。交差点を直進する。登山口まで6.5kの道標が立つ。この道は通学路になっているようで道に沿って数カ所ベンチがある。左手から中沢川が近づく。この先約一時間中沢川に沿った道を歩くことになる。
 水田地帯を進み瀬内集落を過ぎると未舗装道となる。ここから山地に入る。中沢川は渓流となり瀬音が響く。道幅の広い林道(この林道は新しく作られたようだ)と交差するが道標に従い左折する。ここで直進すると大滝に至るとある。山肌を蛇行しながら上っていく。六角牛山が目の前に見えるようになると登山口は近い。
 登山口にルート案内図と登山カードがある。登山カードを見ると地元はもとより県外客も多い。登山道は道幅が広く快適である。笹原と落葉した木の中を進むとすぐに一合目に到達する。近くに雨量計(たぶん)がある。二合目から四合目間は笹原がなくなり木も疎らで視界がよい。五合目から苔むした岩が増えてくる。六合目からは完全に岩の上を歩くようになり次第に勾配がきつくなる。四つん這いになって進むところもあり最も難渋する。八合目から背丈くらいの笹の中を進む。九合目に小祠と廃墟と化した小屋がある。山頂手前に小ピークがあり展望が良い。
 山頂到着。一帯は背の低い笹地で360度の展望である。五葉山と氷上山の間に太平洋を望む。西側は遠野盆地,種山のレーダー,焼石連峰。北西に冠雪した早池峰山。北東にも海が見えるが山田湾か。東に大峰山,笛吹牧場,釜石鉱山廃鉱跡など。山頂には天水を貯めるタンクと避難小屋がある。小屋の扉には風で扉が飛ばされないように丸太が立てかけてあった。小屋の中に入ると神社があったので参拝した。
 次第に体が冷えてきたので上着を着て下山を開始した。下山は反対側の上郷コース。こちらは岩場がないので比較的楽である。山頂から九合目まで笹原なので視界がよく気分も良い。九合目手前が最も急な下りである。こちらのコースにも九合目に小祠あり。七合目まで背丈の高さの笹の中を通る。ただし刈払いはされていて道幅は広い。七合目から笹が途切れ木が疎らに立つ。まるで森林公園のような雰囲気になる。五合目から登山道は斜面を蛇行しながら下る。四合目で登山道は直進と右折に分岐する。地形図と周囲を見比べるとこの場所は標高約800mの鞍部で西に標高806mのなだらかなピークがある。右折方向の道は地形図に記されてあり中沢方面に下る。しかし上郷は尾根筋を直進した方向にあるのでこの分岐点では直進を決断した。ただし地形図には道が記されていない。道は806mのピークには上らず北側を巻く。しばらくすると三合目。近くにカンダ沢峰と書かれたプレートがあるが806mピークの名前だろうか。
 そのまま尾根をまっすぐ西に下ると二合目の広場に着く。ここが駐車スペースと思われる。この先は車が通れる林道となるが倒木が道をふさいでいた。スイッチバック式に林道を下ると赤沢川沿いの道となる。一合目に到着。六角牛山前薬師堂の小さな御堂があるのでここでも参拝。水飲場の標識もある。しばらく進むと道幅の広い林道に突き当たる。道標がないので右に進むか左に進むか迷ったがよく見ると赤沢川に沿って下る細い道がある。この道が正しいらしい。そのまま下っていくと上郷口登山起点の道標があり水田地帯(暮坪集落)に入る。上郷口の登山カードに下山報告を記入。この登山カードにはまだ記入者がなく小生の名前が1ページ目の1番上に記されることになった。
 上郷付近の地形図を持ってこなかったので登山カード近くの道標に従い上郷に向かう(登山カードの交差点で左折)。そのまま進むと国道283号に出る。近くに八日市バス停と登山口まで6km道標が立つ。283号を西(遠野方面)に進むとスーパーなどの商店が並んでいる上郷町の中心部に入る。信号のある交差点で左折し国道340号に入ってすぐ右手にJRバスの上郷バス停があった。10分ほど待てば遠野行きのバスの時刻でちょうど良い。その先に釜石線の踏切がある。近くに駅がないか線路の左右を見回すと約200m西に岩手上郷駅があった。
 無人の駅舎に入り時刻を調べると1時間以上の待ち時間がある。バスに乗って遠野駅で列車を待つか,このまま岩手上郷駅で待つか,いずれにしても同じ列車に乗ることになるので帰宅時間も同じである。結局バス代を節約し岩手上郷駅で待つことにした。岩手上郷駅のホームからは今登ってきたばかりの六角牛山がよく見える。日差しも強く駅舎の中は窓を開けないと暑苦しい。
 三両編成の快速が到着。乗車したのは小生のみ。車内にはいるとほぼ満席でデッキ付近には高校生が立っていた。運良く乗降扉近くに一つ空席があったので座ることにした。次の遠野で大勢乗り込んできた。通路にも人が溢れる。県内のJR支線は特急バスの攻勢で苦しい営業をしていると思うが釜石線はまだ健在のようだ。
 登山のきっかけとなった遠野物語について道中まったく思い浮かばず。純粋に山歩きをしてしまった。もう一度遠野物語を読み返しながら余韻に浸ることにしたい。
六角牛山
遠野市
標高1294m
JR釜石線遠野駅からタクシーまたは早池峰バス足ヶ瀬線八日市バス停下車
2011年10月1日
 808 JR水沢発
1009 JR遠野着(タクシー乗り換え)
1036 糠前コース登山口
1054 二合目 大岩
1100 三合目 
1102 四合目 
1107 五合目 
1115 六合目 
1126 七合目 急な登りと岩
1140 八合目 笹背丈くらい
1155 九合目 小祠 小屋廃墟
1210〜1250 山頂
1258 九合目 急坂下ったところ小祠
1322 七合目 笹無い 公園のよう
1335 六合目
1340 五合目 蛇行 スギ カラマツ
1425 林道に出る(中沢コース登山口)
1446 林道から赤沢川沿いの道に入る(暮坪コース登山口)
1528 暮坪コース登山カード
1548〜1554 八日市バス停(バスに乗車)
1616 遠野駅前バス停〜慰労会
1842 JR遠野発
2026 JR水沢着
参加者6名(小生含む)

 今回のグループ登山はメンバーの都合に配慮した結果、出発・帰着の時刻に制約があり日程もそれに準じることになった。目的地は遠野の六角牛山とした。企画担当は小生なのだが下山後の慰労会は遠野のジンギスカンにしたいと以前から考えていたのでその機会が訪れたことになる。一方、遠野は震災復興支援の重要拠点のため民宿や旅館では我々のような一般レジャー客の日帰り休憩を受け付けない所が多い。小生の住む内陸南部のホテルですら空室が無い状態だから遠野は尚更だろう。そのような山歩き後の余興を楽しむ選択肢が限られることと事態がとんどん変化しているので計画がうまく成立するかどうかは実際に行ってみなければわからない。時間的に温泉に寄るのは無理があるので今回は割愛することにした。
 水沢駅でメンバー全員の釜石線快速はまゆり号の指定席を購入する。ローカル線の自由席で6名分のまとまった席を確保するのは難しいと思ったからだ。リクライニングシートでゆっくり朝食を摂りたい人もいるだろう。指定席の車両には新花巻駅で乗り込む人が多かったがそれでも空いていてゆったりと過ごすことができた。遠野で下車。久々に訪れた遠野駅前はビルの新築改築工事ラッシュのようで活気を感じた。あらかじめ手配していたジャンボタクシーに乗り込む(遠野まるきタクシー、登山口まで\4,520)。車窓から市街地の飲食店を見ながら今晩の慰労会の話で盛り上がる。遠野市自体も震災の被害が大きく市庁舎が使用不能となり駅前の大型店舗に間借りしている状態とのこと(タクシー乗務員の話)。タクシーは県道35号から未舗装の林道に入り坂道を上っていく。標高約700mの糠前コース登山口には広い駐車場があり車が数台停めてあった。先行の登山客は10名位と予想した。
 登山道は最初のうちは道幅が広く快適なコース。シナノキ、ダケカンバ、トチノキ(実がたくさん落ちている)、ミズナラ。ノコンギク、シロヨメナ、アキノキリンソウ、センジュガンピが咲く。次第に勾配がきつくなり七合目が最大となる。ここで先行する年輩の登山客に追いつき道を譲ってもらう。ただし我がメンバーもこの斜面で苦戦していたので年輩登山客と進行速度は大差ない。九合目を過ぎると森林限界を越え展望が利くようになった。山頂も前方に見える。山頂は我々が最先着だった。360度の展望。片羽山とその背景に太平洋、遠野盆地、早池峰など。
 ビール、つまみ、昼食で山頂のひとときを過ごす。そのうち寒くなってきたとメンバーが言い始めたので予定よりやや早く下山することになった。小生はその間、賽の河原に寄ってお地蔵さんに手を合わせてきた。
 下山は暮坪コースの予定(しかし実際は中沢コースを下山)。人気薄のコースなので道の状態を心配したが要所に道標があり道も明瞭だ。明るい広葉樹の中を通る気持ちの良いコースである。暮坪コースと中沢コースの分岐では中沢コースに下ってしまう。この場所に道標は無く中沢コース(右折方向)に自然に足が向くような道のつくりになっていた。スギ林を抜けると中沢コース登山口に到達。沢沿いの道を下り林道に出た。
 林道では左折(南に進む)。予定外の場所に下山したため時間と体力のロスとなると考えたら疲労感が増してきた。足のつま先も痛い。林道は若干の上り坂のこともあり小生は消沈してダラダラ歩いていたが他のメンバーは道間違いに気が付かないせいか意外に元気だ。1km強の距離の林道を歩き暮坪コースの入口に着く。ここで右折し、赤沢川沿いの道を下り麓の集落にたどり着いた。暮坪コースの登山者名簿を開くと1ページの1行目に小生の名前があり続いて数名の記帳があった。二度目の記帳を済ませ旧国道沿いの八日市バス停に向かう。一帯は収穫間近の稲穂が揺れる。猫川という川の名称、ヤギ、ポニー。この辺りでは日常の風景だが我々にとっては新鮮だ。
 バスの到着時刻5分前に八日市バス停に着いた。下山時刻によって帰りの交通機関や慰労会の場所を考えていたのだがその中の第一案を実行できそうだ。遠野駅前でバスを降り(バス料金\370)徒歩でジンギスカンの老舗あんべに向かう。地ビール、民宿遠野どぶろく、ジンギスカンで満腹となった。名目は登山の慰労会だがいつものごとく山の話など出ない。酒飲み集団の山歩きはこれで無事終了した。



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