白木峠
西和賀町、秋田県横手市
標高601.6m
JRゆだ高原駅
【写真】白木峠
2007年10月20日
 925 JR水沢
1121 JRゆだ高原
1145 御番所跡
1154 登山口
1214 牛泊
1228 ふきどり地蔵尊
1249 一本杉
1308〜1325 白木峠
1436 牛泊
1504 登山口
1519 御番所跡
1545〜1634 JRゆだ高原
1816 JR水沢

 文献※1によれば白木峠は旧平和街道を遊歩道化した道で気軽に歩けそうだ。できれば県境の峠を越え秋田県側まで横断したいが天候は良くなさそうなので行ってみてからの判断にしようと思う。ただし明朝用事があるので無理はできない。
 JRゆだ高原駅で下車。駅前広場は国道107号に面している。国道に沿って西に進むと郵便局があるので右折(北に向かう)。踏切を渡ると広い車道に出るので左折(西に向かう)。道沿いに進んで行くと高速道路に突き当たる。高速道路の脇道を南に少し進むと高速道路の下を抜けるトンネルがある。トンネルを通り抜けると民家が続く。次第に山が迫ってくる。
 越中畑御番所跡の標柱と白木峠のコース案内板がある所から西に続く道に入る。この道に入ってすぐ左手のドイツトウヒの下に供養塔があるが旧街道の史蹟の一つとのこと。道端にはサワグルミが多い。間もなく舗装道は終点となり登山口に着く。登山道に入る。高木はカラマツ、低木はコマユミの赤い実が目立つ。小雨が降ってきた。ウダイカンバ、マンサクの茂みを抜けるとユキツバキが見られるようになる。このユキツバキは本州最北限の生育地とのこと。高木はトチノキが多くなり黄葉している。またツタウルシの赤色も鮮やかだ。ヤマモミジやミズナラの紅葉はまだ早い。アキノキリンソウが咲く。
 進んでいくと旧街道の史蹟が点在する。牛泊はかつて旅人が休んだ場所とのこと。道の南側に草地があるので晴れていれば休憩場所には良いところだ。数本のイタヤカエデがあり夏場は涼しい木陰を作るのだろう。ふきどり地蔵尊は吹雪で遭難した人の地蔵とのこと。この付近は青い実をつけたサワフタギやノコンギクが多い。道の左手に湿地帯が続く。ここはミズバショウの群生地と思われる。一本杉はスギの大木でその周りにも大きなスギが立っている。今日のような日は雨宿りにちょうど良い場所だ。
 登山道は林道に突き当たるので林道を右に10mほど進むと左手に登山道が続いている。リョウブ、クロモジが目立つ。やがてブナ林に変わりちょうど黄葉して見頃であった。それも束の間で樹林帯を抜け雑草が生い茂る急斜面の上り道となる。木製の角材でできた階段は雨で滑りやすい。スギとドイツトウヒの林を抜けると白木峠に到達した。
 峠を示す標柱の周囲は芝草が広がり東面の展望が良さそうだが本日は雨天で白一色だ。西面にはアカマツ、ゴヨウマツがある。秋田県方面にも道は続いていた。芝草の上にビニールござを敷いて昼食休憩する。帰りの列車の時刻を考えるとかなりゆっくりできそうだ。秋田側に下山できるかも、などと考えていたが雨足が強くなってきた。来た道を引き返すことにした。
 まずは一本杉まで戻って雨宿り。雨の中近くのコマユミの赤い実が鮮やかだ。その後、下山途中に雲の切れ間から日差しが差し込んできた。トチノキなどの紅葉が映える。しかし登山口に着いたとたんに雨が本降りになった。傘を差しゆだ高原駅まで戻った。駅にあったガイドマップによると近くにサクラバハンノキの群生地(本州最北限)もあるとのこと。次回はユキツバキの花が見頃の時期に合わせて訪れてみたい。

参考文献
※1「新・分県登山ガイド2 岩手県の山」 藤原直美著 山と渓谷社 2006年6月発行
白木峠
西和賀町、秋田県横手市
標高601.6m
JR北上線ゆだ高原駅、小松川駅
【写真】牛泊付近のユキツバキ
2011年5月14日
 925 JR水沢
1112 JRゆだ高原
1133 御番所跡
1139 登山口
1203 牛泊
1220 ふきどり地蔵尊
1234 一本杉
1250〜1338 白木峠
1358 林道
1415 五輪塔
1440〜1530 湿地右折し道迷い
1607 小松川集落
1622〜1631 JR小松川
1810 JR水沢

 今回の目的は北限のユキツバキ観賞と旧平和街道を完歩することである。JRゆだ高原で下車。以前あった駅前の商店は廃業のようだ。登山口の駐車場に4,5台の車が停まっていてそこそこの人気があるようだ。登山道に入るとすぐにキクザキイチリンソウ、ショウジョウバカマ、カタクリ、スミレサイシン、エゾエンゴサクが沿道に咲く。ユキツバキも幾つか咲いている。沢から離れ尾根に入ると道は雪に埋まっている。ユキツバキは牛泊手前までがぽつりぽつりと開花、その後はつぼみ。今年の大雪でやっと雪の中から開放されて間もないのだろう、少し時期が早かったようだ。それでも鮮やかな赤い花と光沢のある葉のユキツバキを見かけるたびに写真を撮った。
 牛泊まりから低木の藪が無くなり視界が開ける。疎らに立つ高木、明るい林床。春まだ浅い山の雰囲気の中、気持ち良く進む。やがて左手を流れる沢は雪解け水を湛えた大きな湿地帯に変わりミズバショウが満開である。しかしこちらは時期が少し遅かったと思う。
 一本杉から林道を横断し最後の登りに取りかかる。前回気づかなかったが途中左に分岐する道があった。この道には青テープが付けられている。山頂を迂回する旧道と思われる。この付近はブナの葉の緑が目立つ。残雪の斜面を登って間もなく山頂に着いた。北面以外の展望が良い(約270度の展望)。特に南面の三森山とその後方の焼石連峰が素晴らしい。ここまで10人ほどの登山者と擦れ違ったが山頂には小生のみ。ゆっくりと昼寝した。
 下山は秋田側に下る。ほぼ一直線の下りで沿道にオオヤマサクラ、カスミサクラ、クロモジが咲く。その他リョウブ、ノリウツギ、マンサクなど。やがて林道に出て左折する。林道は舗装、未舗装の状態を繰り返す。途中、旧街道の名残の五輪塔を見学する。1845年冬の遭難者供養で建てられたとのこと。石に刻まれた文字を読みとろうとしていたら車2台がやってきて五輪塔の前で停まった。何かの邪魔になりそうなので立ち去ろうとしたら車から降りてきた男性から話しかけられた。旧街道の史跡巡りで訪れたらしい。この先の林道はどこまで繋がっていますかと言われ旧平和街道の地図を見せられた。
 後で調べると五輪塔から林道と別れ遊歩道が続いているようだがこの日はそのまま林道を下った。右手下方の湿地の縁にミズバショウが咲いている。この近くに遊歩道の道標が立っていた。この道標から湿地の方に下る道が続いている。小生はこの道が遊歩道だろうと思い林道から離れ入っていった。トチ、アカマツ、ミズナラの快適な道が続いている。ところが廃車が3台放置されている場所で道が消失した。引き返し別の道に入ってみる。今度は赤テープが目印となり幾らか安心する。どんどん下っていくとまたも廃車が放置されている。一転して道は不明瞭になるがさらに進むと廃車がありその先にも廃車があった。もしかしたらと思い小沢沿いに下ってみたが徒渉を何度か繰り返したところで進路が無くなった。結局この道は間違いだった。かなりの時間のロスになった。林道に引き返す。
 林道を下っていくと旧街道を紹介する大きな案内板がある。幹線の林道はここで左にカーブするが支線の林道は右手に分岐する。二つの林道の間にも荒れた細道が続いているがこれが本来の街道か。ここでは支線の未舗装林道に入った。道なりに下っていく。特に遊歩道の案内板は見当たらない。三叉路では勘で左折した。やっと左手の眼下に集落が見えてきた。果たして旧街道を正しくなぞってきたのかは疑わしいが何とか無事に下ることができそうだ。林道の最後は赤土の崩落した崖面をジグザグの急勾配で下る。左手から下ってくる舗装道に合流し小松川の集落に入った。
 国道107号の歩道を西に進む。小松川駅を示す道標で左折。4人ほどの椅子がある小さな駅舎に着いた。間もなくやってきた列車に乗車。強風のため途中の区間は徐行運転となった。

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