寺沢高原

岩手県遠野市宮守町
標高993.4m
達曽部コースは遠野市営バス椛川目バス停
上宮守コースは遠野市営バス橋本バス停

【写真】寺沢山山頂プレート

2009年8月8日
 616 JR水沢
 751〜804 JR遠野、バス乗換
 840 達曽部バス停
 908 県道160号
 919 大川目
 955 椛川目
1030 あと8km道標
1100 あと6.5km道標
1130 あと4km道標
1208 展望台入口(展望台まで1km)
1230〜1305 山頂・展望台
1317 展望台入口
1357 丁字路(附馬牛・宮守分岐点)
1436 乳神、乳母石入口
1442 一の滝、二の滝、三の滝
1458 博打石
1540 国道396号
1648〜1729 JR宮守
1924 JR水沢

 文献※1、※2によると寺沢山は山頂まで車道が通じていて快適なドライブが可能とある。しかしいつもの通り徒歩で目指すことにした。標高が低い山なので真夏に草むらの中を歩くよりは車道を歩いた方がいくらか快適であろう。眺望や植物は特に目立ったものは無さそうなので、汗を流して体を絞ることを目的とした。
 JR遠野駅で下車。盛岡行きの急行バスに乗車する。このバス路線に乗車するのは初めてである。バスは遠野市街地を抜け国道286号から国道396号に入る。次のバス停が南部曲がり屋で有名な千葉屋敷。ここでトイレ休憩となる。乗車しながら小生は不安になった。急行バスとは言え地域の重要な交通手段である。各集落や施設にこまめに停車するものと思っていた。しかし遠野道の駅を通過、その後の各集落も通過するうちに小生が下車しようとしている上宮守も通過するのではないかと思われた。小峠トンネルを抜け下り坂になりそろそろ上宮守の集落が近い。しかし市営バスの橋本バス停のある交差点を通過。続いて寺沢高原を示す道標(草原と馬が描かれている)を車窓から見送った。やがて集落が途切れ峠越えの上りとなる。こうなると次の停留所は大迫なのかも知れない。予定を立て直すにしてもとっさに良い案は浮かばなかった。
 思いがけず「次は達曽部です」と車内アナウンスが流れた。予定外だが達曽部からも寺沢高原に車道があることを事前に地図で確認していたので意を決して下車した(バス料金\1,010)。バス停は達曽部集落の北端入口となる国道Y字交差点近くにあった。道路標識に従いY字交差点から東側の道に入る。宿橋と言う橋を渡ると達曽部集落の中心部に入る。道沿いに住宅が密集する。宿という地名から元々は街道沿いの宿場町として栄えたところなのだろう。その面影は残っている。旧街道の道を南に向かって進むと県道160号の広い車道に出るので左折。達曽部川沿いに広がる水田地帯を進む。沿道の雑木に絡むボタンヅルが満開だ。県道は峠を越え遠野市附馬牛に抜ける道であるが途中に稲荷穴と呼ばれる鍾乳洞があると道標に記されている。
 県道を途中で右折し椛川目集落に入る。椛川目川沿いの舗装道を上っていく。最後の民家の前にカブトムシ、クワガタが入った箱が置いてあり展示即売だろうか。道沿いに群落で咲くオオハンゴンソウが最も目立つ。ゲンノショウコ、オカトラノオ、ヤマブキショウマ、オオバギボウシ、ノリウツギ、キンミズヒキ、オトコエシ、ヤマハギも咲く。スギ、カラマツの植林地の中にケヤキ、アブラチャン、ミズキ、オニグルミが混在しヤマナラシ、ヤシャブシ、ヤマハンノキも多い。ナワシロイチゴの赤い実も見かけた。
 寺沢高原まで6.5kmを示す道標は丁字路にあるが直進する。ワラビ、セリ、ナンブアザミ、アカマツ、ミズナラ、ツノハシバミ、クリ、ミツデカエデが目立ち始める。寺沢高原まで4kmを示す道標付近になると尾根沿いのコースとなり左手の木々の間に展望が開ける。アジサイ、クガイソウ(花期は終わりに近い)、樹木にはオヒョウが混じるがミズキ、ヤシャブシ、ヤマハンノキがこの辺では優勢である。やがて牧草地の近くを通るがクルマバナ、クルマユリ、ブナが現れた。
 ゲートを通り牧草地内の道となる。本来は広々とした草原を見渡すことができると思うがガスのため視界は悪い。時折パラパラと小雨が降る。牧柵沿いにはまだマーガレットの花が残っている。展望台1kmと記された道標がある丁字路で左折。舗装道だがやや道幅が狭くなる。近くに廃屋(昔の牧場の管理棟?)がある。車道沿いの草むらにウツボグサ、ネジバナ、ジャコウソウ、キンミズヒキ、クサレダマ、クルマバナ、小高い丘にはキリンソウ、ツリガネニンジンが咲く。途中から未舗装道となる。ガスで視界が悪く頂上の見当が付かない。道端のヤナギランの写真を撮った後、一瞬ガスの切れ間から山頂の展望台が間近に(100mほど先に)見えた。ゴールは近いと思ったがすぐに見えなくなった。狐にだまされたような感覚である。車道は山頂に立つ展望台で行き止まりとなる。その先に続く遊歩道は無さそうである。ウグイスが鳴く。
 山頂を示すプレートは展望台に取り付けてある。三角点は意識して探さなかったこともあり見当たらなかった。展望台に上ったがガスのため直下の草原しか見えない。展望台の上はちょうど標高1000mとの表示がある。展望台南側は牧草地、北側に土塁がありその土塁を越えるとやや荒れた草原と灌木地帯が広がる。踏み跡が土塁を乗り越え続いているようなので少したどってみた。土塁の斜面にヨツバヒヨドリ、単なる草原と思っていたところはお花畑でヤマハハコが一面に咲く。その中にオトギリソウ、ツリガネニンジン、カワラナデシコも混じる。展望は無かったが山頂域の植物群落はわざわざ徒歩で上ってきた甲斐があった。
 展望台脇のベンチで昼食休憩。かなり疲労感があったが意外に早く回復した。ややガスも薄くなり東側のキャンプ場の建物(と思われる)が見える。牧草地の縁を進めば行けそうであるが視界が悪くなると迷いそうなので帰路も車道を進むことにした。展望台まで1kmの丁字路まで引き返し左折。帰路は上宮守方面に下山する。車道を東に進む。文献※1記載のコースは牧場施設内を通る未舗装道で一般車両は通行できないようだ。小生はそちらには入らず車道を直進した。キャンプ場入口を過ぎ牧場のゲートを抜けると丁字路に突き当たる。左・附馬牛、右・上宮守と道標にあるので右折する。
 ネジバナ、ミヤコグサを見ながら牧草地を快適に下った後は寺沢川の源流沿いに道は続く。小雨が降り始めた。沿道の名所の乳神(乳母石)は車道から距離がありそうなので寄らなかったが、一の滝・二の滝・三の滝(寺沢渓谷四十八滝)と博打石を見学した。車道はキャンプ場付近から桜並木が延々と続いているので5月頃花見を兼ねて歩くのが適しているコースと思う。
 国道396号を横断しドライブインのある交差点から宮守駅方面に向かう。この頃にはすっかり雨は止んだ。宮守川の河童伝説、旧鹿込小学校、大清水温泉など見所が多い道である。宮守駅に到達し本日の行程を終えた。

 岩手県交通達曽部バス停時刻 盛岡行き840,1204,1530,1830、大船渡行き1523,1700,1900、釜石行き1445,1725
 遠野市営バスは予約が必要、土休日は運休

参考文献
※1「岩手の里山を歩く」大坊孝男著 岩手日報社出版部2004年4月発行
※2「再発見 胆江地方から見える山々」及川慶志著 胆江日々新聞社2000年4月発行


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