牛形山・白っこ森・鷲ヶ森山

岩手県北上市
標高1339.8m,1205m,1207.5m
JR北上駅から県交通バス夏油温泉行き終点下車

【写真】左:白っこ森,右:鷲ヶ森山

2004年10月16日
 750 JR水沢
 807 JR北上
 820 県交通バス北上駅前発
 945 夏油温泉登山口
 957 経塚山・牛形山分岐
1100 水場
1129〜1145 牛形山山頂(1,339.8m)
1157 牛形山・丸子峠分岐
1229 白っこ森(1,229m)
1301 鷲ヶ森山(1,207.5m)
1341 丸子峠
1424 夏油温泉野営場
1437 夏油温泉登山口
1440〜1640 夏油温泉
1640 県交通バス夏油温泉発
1757 JR北上
1813 JR水沢

 秋も深まる今頃になって今年初めての山行きとなった。
目的地は夏油三山の一つ,牛形山。夏油三山のなかでは最も容易に登ることができファミリー向きとガイドブックにある。また牛形山は夏油三山の中では小生にとって唯一の未踏峰である。久しぶりの登山なので体を慣らすには適当と思われた。それでも出発当日の朝までなかなか山行きの決心が着かない。相当な出不精になってしまっている。
 自宅から水沢駅まで自転車で向かう。既にこの時点で息が切れている。先が思いやられる。駅売店で食料を調達。出勤途中のM君に偶然会う。
 北上駅で電車を降り県交通バスに乗り換え。駅前で3名乗車。この日夏油高原はゴンドラの運転日であった。ゴンドラで一気に尾根まで登りそこから牛形山まで縦走することができるようなのでいつかはトライしてみたい。夏油高原で一名下車。その後バスの乗客は小生のみとなる。終点の夏油温泉で下車。
 トイレに寄った後登山カードに記帳し歩き始める。5分ほどで石灰ドーム入り口(この地点に登山道の案内板がある)に出るが息が切れる。身支度を整え,一杯水を飲む。経塚山への分岐点を過ぎここから先は初めての道となる。紅葉の色づきは少し早い。変化の乏しい広葉樹林帯を進む。尾根に出ると次第に低木が増え笹原が優勢となる。右手に突然展望が開け入畑ダム湖が見える。この地点は沢が流れ夏場はお花畑となっているようだ。現在はすべて枯れてしまっている。時折薄日が差しその光に反射して紅葉が鮮やかに照らし出される。それも束の間で次第にガスが濃くなってきた。丸子峠への分岐点で左折。この位置には牛形山の方向を示す道標しかない。白っこ森へ行く場合はここで直進するのだが白っこ森の表示は見あたらないので初めての人はここで迷うと思う。周囲は下草のみの大きな広場となっている。広場を横断すると急斜面の登りが始まる。滑りやすいのでロープが設置されている。ここで男性1名とすれ違う。後方を振り返ると白っこ森と鷲森山が双子のように並んで見える。
 急斜面を登りきると牛形山頂に続く尾根に出る。突然南面の視界が開け焼石岳方面の紅葉が素晴らしい。しかし焼石岳自体はガスの中である。もう少しガスが晴れれば,と思ったが意に反して次第にガスが濃くなり一帯は白一色の世界になった。山頂に到達すれば見晴らしも良くなるだろうと期待したが平坦な尾根道を進んでいくとあっけなく山頂に着いた。
 山頂は風が強く寒い。小生以外誰もいない。東面直下に夏油温泉の建物が見える。意外に温泉は近くに感じた。東面正面は駒ヶ岳,その南に経塚山。地形図では牛形山から天竺山に至る登山道が記されているが見あたらず廃道らしい。焼石岳や西面の秋田県境側のガスが晴れるのをしばらく待っていたが晴れるどころかこちらに押し寄せ先ほどまで見えていた駒ヶ岳・経塚山まで隠れてしまった。
 予想以上に早く着いたので天気が良ければ山頂でゆっくり昼寝でもしたい所だが寒さに堪えきれず下山することにした。ガイドマップによると牛形山・丸子峠の分岐点から白っこ森へは40分。往復しても充分時間に余裕がある。今の体力なら問題ないと判断し白っこ森に向かうことにした。
 丸子峠分岐点で左折(西へ)。すぐに湿地帯となり沢を越える。山頂近くに水場があるのはありがたい。白っこ森の手前のピークを越えいったん下った後斜面を一直線に登ると白っこ森である。登山道を境にして東面が笹,西面が灌木と植生が明瞭に異なる。白っこ森山頂には石地蔵が立っている。うっすらとガスがかかりどんよりとした曇り空のため残念ながら視界は良くない。
 白っこ森山頂から北面を望むと鷲ヶ森山が向かい合うように聳えている。鷲ヶ森山山頂はちょっとした岩場があるが広々としていて楽園のように見えた。こうなると鷲ヶ森山にも足を運んで見たくなった。短い草しか生えていない急斜面を下る。この付近,白っこ森と鷲ヶ森山の鞍部は強風。風の通り道らしい。紅葉はこの区間が一番と思う。鷲ヶ森山山頂は登山道から外れているのでこの辺が山頂と思った所から西斜面に入る細道をたどる。山頂のスペースは広く西和賀方面の展望が良い。
 さらに北上し丸子峠に向かう。次第に周りの木が高くなり展望は効かなくなる。雨がぽつりぽつりと落ちてきたが樹林帯に入ってしまえば多少の雨は気にならない。初めてのコースで単独行,他の登山客にも出会わないので慎重に進む。丸子峠には立派な道標が立っていた。それに従って夏油キャンプ場に下山。途中から大木が多くなり紅葉もちょうど見頃であった。キャンプ場手前でやっと4,5人のパーティに会う。
 キャンプ場から車道を歩く。途中で北上行きのバスとすれ違う。再び夏油温泉登山口で今朝自分が書いた登山カードに下山報告を記入。その後露天風呂に直行した。次のバスまで2時間近く温泉に浸かって疲れを癒した。

牛形山・白っこ森・鷲ヶ森山

岩手県北上市
標高1339.8m,1205m,1207.5m
JR北上駅から県交通バス夏油温泉行き終点下車

【写真】紅葉の鷲ヶ森山

2009年9月20日
 800 水沢区内から車同乗
 930 夏油温泉登山口
 950 経塚山・牛形山分岐
1214〜1236 牛形山山頂(1,339.8m)
1250 牛形山・丸子峠分岐
1336 白っこ森(1,229m)
1420〜1441 鷲ヶ森山(1,207.5m)
1525 丸子峠
1620 夏油温泉野営場
1635 夏油温泉登山口
同行Y氏、K氏

 今回の集団登山は小生が企画立案した。コースは夏油温泉を起点とし牛形山〜鷲ヶ森山〜丸子峠の稜線を通り再び夏油温泉に戻る周回コースである。あとは当日の天候が成否を決めることになるが幸い好天に恵まれ山歩きには絶好の一日になった。
 車に3名同乗し夏油温泉の駐車場で身支度を整え出発した。登山口のコース案内板と登山カード箱は以前訪れた時と異なり新しいものに変わっている。サラシナショウマ、ノブキ、アキノキリンソウが咲く登山道を上る。天狗の岩には寄らずに経塚山分岐で林道を横断し牛形山コースに入る。最初はややきつい上りだがすぐに勾配が緩やかになり歩きやすくなる。一帯はブナ林である。ムシカリ、ヤマウルシが紅葉している。
 雑談しながら進んでいくにつれ高度も上がる。気が付くと後方に入畑ダム湖と北上平野が見える。左手の林間には経塚山が見えるが山頂は赤く染まり紅葉していることが分かる。ツクバネソウ(実)、ユキザサ(実)、シラネアオイ(実)、ツバメオモト(実)、リンドウ(開花中)。キノコも多いが詳しい人がいないので観察のみ。左に傾いた足場の悪い道を過ぎるとブナの細木が疎らに生える地帯となり雰囲気が一変する。木の根本が90度に折れ曲がっていて豪雪を物語る。
 間もなく樹林帯を抜け草付ガレ場を横断する。転落防止のロープが張ってある。白っこ森、鷲ヶ森山の展望が開ける。草地にはトリカブト、シオガマキク、ミヤマウツボグサなど。コップが置いてある水場を過ぎ牛形山・丸子峠分岐で左折。急斜面をロープを頼りに登る。一帯はミネカエデを主役として紅葉している。最後はハイマツをかき分け牛形山山頂に到達した。
 昼食休憩後次の目標地の白っこ森に向けて出発する。牛形山・丸子峠分岐まで引き返し左折。丸子峠方面に進む。しばらく湿原が続き木道が敷設されている。シロバナトウウチソウ、ウメバチソウ、チョウジキクが咲く。稜線の灌木地帯を抜けると白っこ森への急勾配の登りになる。この辺はハクサンフウロ、オヤマボクチが多い。白っこ森は登山道を挟んで左に山頂標識、右に2体の石地蔵が立つ。狭い山頂は休憩スペースがないので通過する。北方を見ると今まで白っこ森に隠れていた鷲ヶ森山の全貌が現われた。なだらかな斜面に広がる紅葉は太陽光を反射し錦のように見える。
 白っこ森北面の急斜面はロープを頼りに下る。一帯はお花畑でシオガマキク、ミヤマウツボグサ、ダイモンジソウが咲く。鞍部から鷲ヶ森山への登りに取り付く。山頂手前でイチイの樹洞をくぐりぬける。左に分岐する細道に入ると山頂に到達する。山頂広場は牛形山より広く休憩には最適な場所と思う。山頂北側にケルンが積み重なっているが回り込んでみたらその中に石地蔵が立っていた。
 丸子峠に向けて下山する。一方的に下るものと思っていたが峠の直前に急勾配の上りがあり最も疲労を感じた所である。丸子峠〜夏油温泉野営場間は今年の6月に兎森山登山で通ったコースである。地形を記憶しているので現在地の把握が容易で歩きやすい。しかも思った以上に下りは速かった。
 野営場には1グループのキャンプ客が訪れていた。水場となる沢沿いの道にツリフネソウ、ミゾソバが咲く。車道を歩き夏油温泉に戻る。温泉街の夏油橋から牛形山を仰ぎ見て本日の登山を終えた。


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