ロゴ 東北自然歩道 新・奥の細道 宮城14

七ヶ浜パシフィックロード

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● はじめに
 七ヶ浜町の海岸線を周遊するコースです。

● 調査日
2016年7月23日(鼻節神社以外)
2017年5月14日(鼻節神社のみ)

● コース概略図
公式ホームページを参照ください。

(起点)湊浜薬師堂→御殿崎→菖蒲田海水浴場→鼻節神社・花淵灯台→君ヶ岡公園→多聞山→大木囲貝塚(終点) 計12.6km

● 交通アクセス
 起点の湊浜薬師堂はJR仙石線多賀城駅からミヤコーバスに菖蒲田行きに乗車し湊浜入口で下車、終点の大木囲貝塚はJR仙石線本塩釜駅から七ヶ浜町民バスに乗車、最寄りのバス停は貞山橋。

● コースを歩いて
 今回は終点から起点までコースを逆方向に歩きました。そのため以下のレポートも逆方向に進んだものになります。
 JR東北本線塩釜駅で下車。七ヶ浜町民バスやミヤコーバスへの乗り継ぎがあまりよくないので徒歩で七ヶ浜町に向かうことにした。駅前から南に続く車道を進む。国道45号を横断し県道58号の下馬笠神トンネルに入る。多賀城高校を右手に進み県道23号交差点に出た。貞山堀に架かる貞山橋を渡り七ヶ浜町の町域に入る。

image_1 【写真1】貞山橋から貞山堀

 貞山橋から東に進むとY字交差点があるが左に進む。緩い坂道を上り交差点て左折すると歴史資料館がある。駐車場を横断し歴史資料館の脇を過ぎると大木囲貝塚の石碑と説明板がある。平坦な台地に草地が広がり公園として整備されている。樹木はサクラが多く春には花見も楽しめそうだ。

image_2 【写真2】大木囲貝塚

 歴史資料館は何かのイベントがあるらしく車の出入りと来訪者が多い。この日の入館はあきらめ先を急ぐことにした。歴史資料館の入口に自然歩道の道標がある。

image_3 【写真3】 自然歩道終点(七ヶ浜町歴史資料館)

 車道を進む。住宅地の中、緩やかな下りとなる。道端に自然歩道の石柱道標が立つ。

image_4 【写真4】石柱道標

 交差点を横断する。左手は工場が立ち並ぶ。この付近は歩道が整備されていて歩きやすい。

image_5 【写真5】歩道を進む(多聞山2.3km,大木囲貝塚0.8km地点)

 300mほど進むと交差点がある。ここでは右手前方の道を進む。坂道を上っていく。

image_6 【写真6】右折し坂を上る

 民家が途切れ道の両側は雑木林に変わる。左手眼下に海岸線と代ヶ崎浜の集落が見える。

image_7 【写真7】代ヶ崎浜方面を見下ろす

 次の見どころは多聞山。道標に従い県道58号から分岐する道に入る。芝草が広がる公園からの展望は真正面に火力発電所の建物があり景観を遮っている。松島の風光明媚な景観を期待していただけに残念だ。公園から先にも遊歩道が続く。多聞山の山頂らしき場所は周囲の樹木に遮られ展望はなかった。その先は下りの階段が続く。下った場所に毘沙門堂がある。毘沙門堂の案内板によると毘沙門堂の裏に松島四大観の「美観」と呼ばれる眺めがあるとのこと。馬放島、地蔵島が間近に見える。これは多くの観光ガイドに掲載されている風景だ。一方、眼下の代ヶ崎浜の海岸線は災害復旧工事中である。

image_8 【写真8】多門山から馬放島

image_9 【写真9】毘沙門堂

image_10 【写真10】毘沙門堂の遊歩道に咲くヤマユリ

 火力発電所の前を通る。火力発電所の道路(県道58号)を挟んで反対側は更地の中に新しい住宅がぽつぽつと立ち並ぶ。この付近は津波浸水区域である。

image_10 【写真11】県道58号を南下する

image_10 【写真12】ここまで津波浸水区域

 坂道を上る。潮騒が聞こえ海岸が間近にあることがわかる。コースガイドによるとそろそろ右手に分岐する道に入らなければならない。うろうろしながら進む。沿道に飲食店などもあるし寄りたいがここまで予定以上の時間を費やしているので先を急ぐ。分岐点となるY字路に自然歩道の道標があった。

image_10 【写真13】Y字路は右に進む

 急に道路の道幅が狭まり住宅の密集地に入る。

image_10 【写真14】住宅密集地を通る

 すぐに右に入る道が正規のコースらしいがちょうど車が通行中で見過ごしてしまった。次の交差点で右に入り急坂を上る。

image_10 【写真15】坂を上る

 振り返ると海岸線が見えた。この付近は古くからの漁師町の雰囲気がある。過去に見た映画の風景に似ていてとても味わいがある。

image_10 【写真16】振り返ると海が見えた

 沿道は民家が途切れなく続く。町の末端部の集落なのに民家が密集しているのは予想外だった。

image_10 【写真17】住宅地を進む

 君ヶ岡公園に着いた。ベンチに腰掛け昼食休憩とした。公園内の駐車場の一角に郵便局がある。またこの駐車場は町民バスのバスプールになっているようで運転手が昼休みに公園で休憩していた。

image_10 【写真18】君ヶ岡公園

 次の見どころは花節神社だが、ここまで予定以上の時間がかかってしまった。今晩は別件の予定があるので花節神社に寄るのは次の機会にすることにした。
 車道を下り海岸線に出た。海岸沿いの車道(県道58号)は復旧工事中。

image_10 【写真21】表浜

 左手(海岸線)の松林は疎らで枝も少ない。津波の被害か。

image_10 【写真22】県道58号長須賀地区 松がまばら

 かつては車道右手に住宅地があったが現在は更地が広がる。

image_10 【写真23】県道58号長須賀地区 右手は更地

 海岸沿い(菖蒲田海水浴場)の堤防の上を歩いている人が多い。小生も堤防まで行きたいが県道から菖蒲田海水浴場に直接入る道は見当たらない。県道の海岸線側はバリケードが張られ勝手に海側に侵入してはいけないような感じに見えた。バリケードが途切れているところから踏み跡をたどり堤防の上に出た。海水浴場の南側は工事中だった。

image_10 【写真26】菖蒲田海水浴場 南側は災害復旧工事中

 北側は砂浜で遊ぶレジャー客や散策する人で賑わっていた。ただし遊泳は禁止されている。トイレも設置されていない。県道沿いのログハウス風のカフェを通り抜け堤防に向かってくる人が多い。カフェの脇から海水浴場につながる道路は完成間近のようだ(海水浴場は7月29日から10日間プレオープンとのこと)。

image_10 【写真27】菖蒲田海水浴場 砂浜で遊ぶレジャー客でにぎわっていた

 県道58号を離れ海岸線沿いの道を進む。一帯は更地で災害復旧工事中。菖蒲田浜漁港まで更地が続く。

image_10 【写真28】菖蒲田浜漁港

 続いて松ヶ浜地区に入る。一旦坂を上り小学校、幼稚園のある高台に上る。この付近は道幅が狭い。次に坂を下り海岸線に出るが再び災害復旧工事中である。こんな場所にもカフェがあって窓から見える御殿崎海岸の景色は良さそうだ。

image_10 【写真29】松ヶ浜地区 災害復旧工事中

 道路を道なりに進んでいくと御殿崎旅館の敷地に入ってしまう。敷地を横切って森の中に続く道をたどっていくと御殿崎の先端に到達する(最初は迷ってしまい反対側の松ヶ浜漁港の方から到達した)。

image_10 【写真31】御殿崎先端に建つ荒崎稲荷神社

image_10 【写真33】御殿崎から松ヶ浜方面

 最後の見どころ、薬師堂に向う。付近に磨崖仏(損傷防止のため非公開)、岩窟、鉱泉、カヤの大木がある。この付近も津波浸水区域らしい。カヤの大木もほとんど枯死状態に見えた。自然歩道の起点となっている場所だが道標は見当たらなかった。

image_10 【写真35】薬師堂

 ミヤコーバスの湊浜入口バス停からバスに乗車、終点の多賀城駅で下車し今回の旅を終えた。

image_10 【写真36】湊浜入口バス停

(以下2017.7.9追記)
 昨年、訪れることができなかった鼻節神社に行ってきました。JR仙石線多賀城駅前から七ヶ浜町民バスに乗車、終点の花渕で下車。このあたりは震災前の地図によると以前は住宅の密集する港町だったようだが、現在はバス停前のガソリンスタンドと産直施設くらいしか目立った建物は見当たらない。地図を頼りに鼻節神社に向う。細い道幅の車道を進む。民家が点在する。民家が途絶え緩い坂道を上っていくと鼻節神社の鳥居があった。尚、鳥居前から右に続く未舗装道を進むと花渕灯台に至る。

image_10 【写真37】鼻節神社入口の鳥居

 石段を上る。途中、表参道が右に分岐するが道が悪く遠回りになるのでそちらには入らず道なりに進むと神社の本殿に到達した。天候は小雨。軽く参拝した後、本殿から真っ直ぐ海の方に続く石段を下る。表参道を通ってきた場合はこの石段を上ることになったに違いない。石段は細道に突き当たり終了、ここで左に進むと海岸線に出た。

image_10 【写真38】海岸線に出た

 細道は海岸沿いの崖上に続いていた。雨のため滑らないように慎重に進む。海に最も接近するところには遭難碑が立っていた。間もなく花渕灯台に着いた。

image_10 【写真39】花渕灯台

 再び花渕バス停に向う。更地に残っていた民家の壁に3.11水没時の水位が記されていた。

image_10 【写真40】3.11水没を記す民家

<完>

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