ロゴ 東北自然歩道 新・奥の細道 宮城15

自然とブナの薫るみち

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● はじめに
 船形山のふもとにあるキャンプ場をスタートし、ブナ林の中を周遊するコースです。

● 調査日
2017年8月5日

● コース概略図
公式ホームページを参照ください。

(起点)船形荘→旗坂キャンプ場→すりばち沼→割山大滝→割山断崖→遊歩道出口(終点) 計8.2km

● 交通アクセス
 起点の船形荘、終点の遊歩道出口(小荒沢橋)へは公共交通機関が通じてない。小生は仙台駅前から高速バスに乗車し大和町バスターミナルで下車、待合室からタクシーを呼び旧升沢分校まで移動した(タクシー料金5,600)。

● コースを歩いて
 仙台駅前から高速バスに乗車し大和町バスターミナルで下車。待合室に入ると地元のタクシー会社のリストが掲示されてあった。大和タクシーさんに電話し、間もなくやってきたタクシーに乗車。行き先は升沢の旧分校と告げると承知したようで安心した。船形山の登山客をジャンボタクシーで送迎しているとのことだ。ただし最近クマが出没するとのことで不安になる(一応クマよけ鈴は持ってきているが)。
 タクシーの乗務員さんは行き先を旧嘉太神分校と勘違いしていた。旧升沢分校はもっと先にある。車道はカーブが連続し高度を上げていく。民家は無く風景は次第にさびしさを増す。旧升沢分校前でタクシーを降りる。旧分校入口に「升沢森の学び舎」と記された看板が立っていた。

image_1 【写真1】起点付近にある元分校入口

 旧分校には工事用の車両が2台あり、作業をしているので帰路に寄ってみようと思う。周囲には自然歩道の道標などの手がかりは見あたらない。車道を西に進むと船形連峰の大きな標柱がある。その隣に自然歩道の標柱も立っていた。しかし方向や距離が記されている板は無くなっていて柱の部分だけ残っていた。

image_2 【写真2】自然歩道の道標(柱のみ残存)

 民家が点々とあるが人が住んでいる気配は感じられない。立入禁止を掲示しているプレートが目立つ。後日わかったことだが旧嘉太神分校から西(旧升沢分校も含む)地域の住民は、この地域の北に隣接する自衛隊演習場の騒音対策のため集団移転したとのこと。従って廃村となり現在住んでいる人はいない。

image_3 【写真3】 車道を進む

 小生が歩いていると数台の車が往来する。恐らくキャンプ場まで行ってすぐ引き返してくるのだろう。船形山の登山口でもあるキャンプ場にどれだけ人が訪れているのだろうか。

image_4 【写真4】山荘もあった(廃墟か?)

 沿道の樹木はブナに変わり次第に山深い場所に入りつつあることを感じる。自然歩道終点の小荒沢橋を渡る。眼下の渓流が美しい。

image_5 【写真5】小荒沢橋の渓流

 船形山神社への分岐を過ぎると近くでお祭りか運動会でもやっているような音楽が聞こえてきた。音楽は山奥には不釣り合いな工場の様な建物から聞こえてくる。建物の正門まで進むと、これらの建造物は宮城県水産技術総合センターであることがわかった。ただし正門は閉まっていた。そこから数分で旗坂キャンプ場に到着した。意外にもあっけない到達だった。

image_6 【写真6】旗坂キャンプ場入口

 駐車場に車が2台あった。付近を2,3人が散策している。最近の天候不順のせいか登山客は少ないのかも知れない。案内板でコースを確認したあとベンチに腰をおろし少し休憩した。その後、ふくろう橋を渡りキャンプ場に入る。

image_7 【写真7】ふくろう橋を渡る

 トイレ、炊事場がある。利用客はいなかった。このキャンプ場の良さはブナ林に囲まれているところか。本日は天気がくもりで薄暗く湿度も高くじめじめしている。

image_8 【写真8】炊事棟など

 炊事棟の裏を通り五蔵橋を渡る。

image_9 【写真9】五蔵橋を渡る

 険しくはないが上りの道が続く。ブナの大木もあり見応えがある。イタヤカエデ、ハクウンボク、オオカメノキ、ホオノキ、ハウチワカエデ、ガクアジサイ、ツリバナ、アズキナシが主な樹種だ。

image_10 【写真10】ブナ林

 下草(ヨブスマソウ、ウワバミソウ、ヤブレガサ、ノブキ、オクモミジハグマ、テンニンソウ)が生い茂りコースを被っているので膝から下は草露で濡れる。また常に虫がまとわりつき気になってしょうがない。

image_10 【写真11】湿気と虫でやや不快なコースとなる

 東北自然歩道は升沢自然遊歩道と同一コースをたどっているので道標も併存している。

image_10 【写真12】升沢自然遊歩道の道標

 キャンプ場入口から歩き始めて約1時間ですりばち沼に着いた。沼の縁に高架式の木道が整備されている。キャンプ場からすりばち沼まで1.3kmしかないのだが思いのほか時間がかかってしまった。

image_10 【写真13】すりばち沼と木道

 すりばち沼から次の目的地、割山大滝へは0.7kmの距離である。次第に疲労がたまってきたが割山大滝までは歩き通すことにした。沢の音がだんだん大きくなり間もなく割山大滝に着いた。滝の流れのおかげで一帯が冷却され涼しい。虫もいなくなった。今までの高温・高湿度な環境から一転した。来てよかったと思った。ベンチに座り昼食休憩とした。

image_10 【写真14】割山大滝

 いつまでも滝のそばに居たかったのだがこの先の道の状態によっては引き返すこともあるので時間を気にしながら出発する。割山大滝の本流はベンチのある場所で右に直角に折れる。しかし滝の流れの一部は右に流れずそのまま直進、コースを横断しさらに崖下に流れている。自然歩道のコースは右に流れる渓流に沿って続いている。直進する沢の方にも道は続いていて、最初小生はこの間違ったコースを進んでしまったがすぐに急斜面の下りになり進めなくなったので引き返した。

image_10 【写真15】渓流沿いに進む

 渓流沿いの道は、増水時の迂回路のような踏み跡があるので迷わないよう慎重に進む。途中、割山断崖、割山小滝の案内板があるがガスと枝葉のせいか見当をつけることができなかった。渓流から離れ、森の中の道になる。大沼まで来ると道幅が広くなり平坦になった。ほっとするのも束の間、クマに注意と記された道標が立っていて油断はできない。

image_10 【写真16】クマに注意

 ここまで来るとゴールは近い。一歩一歩確実に進む。五宝橋を渡る。

image_10 【写真17】五宝橋を渡る

 橋を渡ると広場(駐車スペースか?)に自然歩道の地図入り案内板が立っていた。

image_10 【写真18】自然歩道の案内板

 往路で通った車道に出た。ここが自然歩道の終点となる。

image_10 【写真19】終点に出る

 その後、小生は大和町内に宿泊することにしていたので宿まで歩き通した。今年の夏の思い出作りになったと思う。

<完>

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