title_logo 東北自然歩道 新・奥の細道 宮城18

伊豆沼・内沼サンクチュアリーロード

| HOME | 目次 |
● はじめに
 野鳥や水生生物が棲息する伊豆沼/内沼の外周を散策するコースです。

● 調査日
2014年11月22日

● コース概略図
公式ホームページを参照ください。

(起点)新田駅→0.5km→迫町サンクチュアリセンター →1.2km→あづまや→3.5km→内沼→2.1km→ 川下田排水機場→2.1km→稲荷神社→1.2km→ 獅子ヶ鼻バス停(終点) 計10.6km

● 交通アクセス
 起点はJR東北本線新田駅。終点の獅子ヶ鼻にはバス停が見当たらなかった(小生は東北新幹線くりこま高原駅まで歩きました)。

● コースを歩いて
 公式ホームページ通り起点から終点まで歩きました。JR新田駅で下車。駅前から車道を北に進む。民家と商店が立ち並ぶ通りだ。民家が途切れ左手にスーパーと駐車場が現れる。その先の丁字路で左折。ここには産直施設がある。東北本線を踏切で渡ると車道の右手に東北自然歩道の道標(起点0.2km,あづまや1.1kmと表示)と伊豆沼野鳥観察館の駐車場、左手に迫町サンクチュアリセンターがある。

image_001 【写真1】新田駅前通り
image_002 【写真2】自然歩道の道標

 まず、野鳥観察館に向かう。伊豆沼の土手にはいつもの通りオナガガモの群がいて人が近づいても逃げない。手前の沼ではキンクロハジロ、ホシハジロが泳ぐ。野鳥観察館は一階建て、階段で屋上に出ると伊豆沼を一望できる。屋上には先客がいたので小生は伊豆沼のほとりで持参してきた双眼鏡を覗く。カワウが西側の木に群がっているのが見えた。鳴き声が騒々しい。オオハクチョウは伊豆沼の中央部にいるがこの場所では遠すぎて小さくしか見えない。

image_003 【写真3】オナガガモ

 本日は早くも自然歩道の手がかり(道標)が見つかったので幸先の良いスタートだ。車道を西に進む。道沿いに「水仙ロード」と記された看板がある。右手が伊豆沼だがヨシが茂り視界は遮られる。ホオジロの鳴き声。Y字路で右折する。道幅がぐっと狭くなる。しだいにヨシの密度が薄くなり伊豆沼の水面が望めるようになった。しばらくすると左手に東屋がある。東屋の前に大理石の道標があり驚いた。今まで木製の柱に木製の板を打ち付けたタイプの道標しか見たことがなかったからだ。その後の調査(2015年6月現在)で宮城県内の自然歩道では大理石製で墓石タイプの道標がコース当たり数ヶ所設置されていることが分かった。しかし、野球のベースのように地面に平たく設置された道標は今のところこの場所のみである。

image_004 【写真4】東屋

 車道と伊豆沼が接近する。ヨシの間からマガンの群れが見える。マガンは夜明けに伊豆沼から飛び立ち夕方戻ってくるという先入観があって昼間は伊豆沼にはいないと思っていたのでこれはうれしい。結局この日見た鳥の中で圧倒的に数が多かったのはマガンだった。特にこの場所が多い。

image_005 【写真5】マガン

 丁字路を右折する。ここで車道を離れ伊豆沼沿いのコンクリート護岸上の道を進む。路面は凹凸が多く雑草が茂るやや荒れた道となる。堰堤が腰を掛けるのにちょうど良い高さなのでそこに座って昼食休憩とした。この付近の伊豆沼はハスが多く枯れたハスの花の間をカイツブリが泳いだり潜ったりしている。護岸を挟んで反対側の薮にはカワラヒワ、カシラダカ。
 護岸上の道は砂利道に変わる。先ほどまで賑わっていた水鳥はコガモが数羽のみとなり静かになる。一方、護岸を挟んで反対側の水田にはオオハクチョウとマガンの大群が餌を探したり休憩したりしている。水田の区画によってハクチョウ類が多い水田・少ない水田があり、この差は何か理由があるのだろうかと思う。

image_006 【写真6】水田の風景

 伊豆沼から内沼に通じる水路脇の道を通り、一旦車道に出る。歩道がないので車両が通過するときはちょっと怖い(交通量も多い)。路線バスのバス停がある所で右折。内沼沿いの道に入る。内沼ではオオハクチョウしか見かけなかった。自然歩道は内沼の外周をほぼ一周する。地図上ではそれほど大きく見えない内沼だが実際に歩いてみると大きな沼だ。半周した所で沼の反対側にある栗原市サンクチュアリセンターを見るとかなりの距離感がある。ゴールはまだ遠い。

image_007 【写真7】伊豆沼~内沼間の水路
image_008 【写真8】内沼とオオハクチョウ

 内沼西側の直線道路からの展望が良い。沼側の視界を遮るヨシが無いし、反対側の水田にもオオハクチョウが多い。この場所を過ぎると内沼の水面を望める場所はほとんどなくなってしまう。内沼の南側を通る車道を東に向かって進む。公式ホームページの地図によると途中でスイッチバック的に折り返すように左に入る細道に入ることになっている。これはそのまま直進すると交通量の多い車道を通行することになるのでそれを回避するためと思われる。
 一見、民家の私有地に入るような道を進む。緩い上りで雑木林の中に入る。間違っていたら引き返すつもりだった。が、どうやら正しい道のようだ。小さな沼の脇を抜け交通量の多い車道を横断する。コースの始点からずっと沼の脇の平坦な道を通ってきたがこの辺から突然アップダウンがある小高い里山の中を通る。畑の中を通過したあと一気に下る。前方右手の眼下に再び伊豆沼が現れる。そしてバードウォッチングの団体客・個人客。
 伊豆沼の西端の直線道路は人気の観察ポイントになっているらしい。道路脇に駐車スペースがあるので車の車内に望遠レンズを構え撮影している方がいた。後日、新聞にこの道路に関する記事が掲載されていた。以前は車が入れない場所だったが震災で崩れた堤防を復旧するための工事用道路として整備されたとのこと。心ない一部カメラマンの行動が、貴重な自然の風景(マガンの飛び立ち)を台無しにしていると述べている。ここで見かけた鳥類はほとんどオオハクチョウ。小生は手前を歩いているダイサギ(ここにいる大方のカメラマンには興味が無い鳥であろう)の写真を撮った。直線道路の突き当たりがコースの終点となる。コース終点だが自然歩道の道標は見あたらなかった。帰路は予定通り東北新幹線くりこま高原駅まで歩き通した。

image_009 【写真9】伊豆沼の西端の直線道路
image_010 【写真10】コース終点

<完>

| HOME | 目次 |

inserted by FC2 system