title_logo 東北自然歩道 新・奥の細道 宮城19

奥州の歴史とロマンにふれるみち

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● はじめに
 栗原市金成町の史跡を巡るコースです。

● 調査日
2015年3月14日

● コース概略図
公式ホームページを参照ください。

(起点)旧沢辺駅→姉歯の松→臥牛館公園→白山神社→金成正教会→歴史民族資料館→金成中町バス停(終点) 計6.8km

● 交通アクセス
 起点は栗原市民バス金成総合庁舎バス停。終点は栗原市民バス金成中町バス停。

● コースを歩いて
 公式ホームページ通り起点から終点まで歩きました。JR一ノ関駅前から栗原市民バス築館行きに乗車し、金成総合庁舎バス停で下車する。ちょうど仙台行きの高速バスが乗り継ぎ客のために待機していた。まず、本コース起点のくりはら田園鉄道(廃線)旧沢辺駅に向かう。庁舎の南側が廃線跡でレールが今でも残存する。廃線跡の東方向に旧沢辺駅のホーム跡が見える。駅舎は跡形もなく撤去され更地になっていた。その代わり駅舎跡地を示す記念碑が立つ。小生は廃線直前に沢辺駅に降り立ったことがあるがその当時と比べ何もなくなってしまったことに驚いた。

image_001 【写真1】旧沢辺駅跡地

 沢辺の町のメインストリートを東に進む。間もなく左手にゲンジボタル発生地の石碑と案内板がある。この地点から細道が左に分岐する。この細道は用水路沿いに続いている。桜の木も植樹されているのでこの用水路がゲンジボタルの生息地として親しまれていることが分かる。

image_002 【写真2】ゲンジボタル発生地の碑

 丁字路交差点で姉歯方面(南方向)に向かう。三迫川を橋で渡り直進してしばらく進むと自然歩道の道標があった。この道標は道路交通標識と同じ構造をしている。柱部分は白い鉄パイプ、方向と距離表示部はこげ茶色の鉄製プレートである。この先に丁字路があるので左折方向にある姉歯の松を案内するために設置されたのだろう。

image_003 【写真3】自然歩道の道標

 上り坂の車道を進みちょうど峠に差し掛かるあたりに姉歯の松の入口を示す標識がある。車道の東側から細道を上る。民家の裏庭のような場所に案内板と石碑が立つ。歌枕として知られる松だから巨木が立っているものと思っていたがそれらしき木は見あたらない。数年前にこの地を訪れた方々のブログなどに掲載されている姉歯の松周辺の写真とは全く異なる景色だ。過去には姉歯の松を保護するための囲いがあったようだが現在は無くなっている。保護する対象の松が無いのだから当然か。現在は石碑が残っているだけの場所になっていた。自然歩道の公式ホームページによると次の目的地の館山公園で姉歯の松が見られるとあるのでそちらに期待することにした。

image_004 【写真4】姉歯の松案内板

 西北方向に車道を進み三迫川に架かる橋のたもとから臥牛館(館山公園)に上る道に入る。頂上付近は平坦な広場になっていて桜の木が多く桜の名所と知られていることが分かる。最も標高が高い所にアカマツが数本ありこれが姉歯の松なのだろう。再び橋のたもとに戻る。ここからは残雪輝く栗駒山の眺めが良い。

image_005 【写真5】館山公園のアカマツ
image_006 【写真6】三迫川と栗駒山

 沢辺の市街地と国道4号線を横断し水田地帯を一直線に北進する。この車道は自動車一台分の幅員しかない。途中、神社入口を示す大きな看板がある。ここから山中を上る道となる。かつてこの付近の山一帯に寺院群が形成されていたそうで、それらの寺院の跡地を示す標識が沿道に点在する。意外に長い上りが続き右手に分岐する道があったりでこのまま進んで良いものかと思ったころ左手に白山神社の山門が現れた。
 境内は広く、よく整備されている。一番大きな建物が小迫観音堂、観音堂から50段ほど石段を上り詰めたところに白山神社がある。本日はぽかぽか陽気なのだが境内の日陰には残雪がありひんやりとした空気を感じる。白山神社は標高70メートル位の場所にあるが低い標高にもかかわらず一帯はブナ林だ。
 境内にあった春祭りのポスターを見ると「小迫の延年(国指定重要無形文化財)」とある。思いがけず、近くにある温泉(金成延年閣)の名称の由来が分かった。そして延年と言えば平泉の毛越寺、山全体に寺院群、頂上付近に主要建造物があるのは平泉の中尊寺・金色堂に似ている。金成ゆかりの金売吉次との関連が何かあるのではと妄想が膨らむ。

image_007 【写真7】白山神社
image_008 【写真8】小迫観音堂

 白山神社山門を出てから来た道を少し引き返し左折(東に向かう)。緩い坂道を下っていく。眼下に鉄筋コンクリート造りの白い大きな建物が見えるが歴史民俗資料館か。その右に三角の尖った屋根が見えるが金成正教会に間違いない。まず教会に立ち寄り写真に収めた。後日写真を確認すると教会の屋根はスレート瓦葺き。登米市にある「みやぎの明治村」の建物と同じ形状のスレートだ。教会の建設時期からして地元宮城産スレート(玄晶石)だろうと予想した。

image_009 【写真9】金成正教会

 最後の目的地、歴史民俗資料館に向かう。白い大きな建物は農協だった。その裏にいかにも明治時代という感じの古い二階建ての和洋折衷の建物がある。それが歴史民俗資料館(旧金成小学校)だった。旧小学校が今まで保存されてきたのは奇跡と思うし懐かしさがこみ上げる。民俗資料館というと古い農機具のガラクタを展示しているというイメージがあって入る気がしなかったのだがこの民俗資料館にはぜひ中に入ってみたい。しかし冬季間は閉館とのこと。本コースを振り返ると、色々いいものを見させてもらったと思う。民俗資料館は次回の楽しみにしたい。

image_010 【写真10】民俗資料館

 コースの終点・金成中町バス停には自然歩道の道標は見当たらなかった。金成総合庁舎まで歩き通し一ノ関駅行きのバスで帰路についた。
<完>

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