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南北上運河自然と歴史のみち

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● はじめに
 野蒜築港跡から北上運河に沿って進み矢本海浜緑地を通るコースです。

● 調査日
2016年4月10日

● コース概略図
公式ホームページを参照ください。

(起点)陸前小野駅→野蒜築港跡→サイクリングコース入口→矢本海浜緑地→矢本海浜緑地管理棟→定川橋→陸前赤井駅(終点) 計13km

● 交通アクセス
 起点はJR仙石線陸前小野駅・終点はJR仙石線陸前赤井駅。

● コースを歩いて
 JR仙石線陸前小野駅で下車。駅前の通りを直進するとすぐ国道45号に突き当たる。国道を東に進む。国道沿いにコンビニがある。

image_1 【写真1】JR陸前小野駅

 100mほど国道を進み右折(南に進む)。仙石線の踏切を渡り住宅街に入る。交差点の角に自然歩道の道標があった。

image_2 【写真2】自然歩道の道標

 公式ホームページ記載の地図では本コースは野蒜築港跡まで集落を通るので住宅が続くのだが道を進むにつれ住宅がまばらになり荒涼とした草地が広がってくる。震災の被害の大きさを物語っている。下の【写真3】はかつての集落のメインストリートだが写真左側(海側)には住宅は一軒も残ってなく更地のままである。

image_3 【写真3】浜市集落を通る

 さらに進むと小学校がある。既に廃校となっていた。この小学校は震災時、奇跡的に生徒が全員無事だったと言われている。下の【写真4】で左の3階部分に生徒及び住民が避難した。写真でもわかるが震災前に耐震補強工事が実施されていたのが幸いしたと思う。尚、距離が遠くて確認できなかったが校舎壁面にある時計は津波到達時刻で止まったままとのこと。

image_4 【写真4】浜市小学校

 その先は住宅が皆無になる。道沿いの菜の花畑が満開だ。見学者もちらほらと見かける。鳴瀬川付近は堤防工事の最中で旧道・新道が混在している。堤防上の新しい道を通る。

image_5 【写真5】鳴瀬川堤防上から浜市集落

 野蒜築港で開削された新鳴瀬川の堤防脇を進む。道は未舗装になる。この付近は野蒜港が賑わっていたころの中心市街地だった。現在は広大な草地と復興工事の資材置場になっている。

image_6 【写真6】新鳴瀬川に沿って進む

 見渡す限りの草地の中にぽつんと大きな石碑が立っていて遠くからでも目立っている。草地を横断し石碑に向かって進んでいく。石碑のそばに立つアカマツは上半分が消失し痛々しい姿で残っている。野蒜築港跡に関する案内板もあった。この案内板は震災後に設置されたものである。

image_7 【写真7】野蒜築港跡と黒沢敬徳紀功之碑

 さらに車道を進むと測候所跡があった。

image_8 【写真8】野蒜測候所跡

 サーフィン、または、釣り客の車が往来するので車道は避け鳴瀬川河口の堤防上を歩いてみた。河口付近に「津波到達、ここで水位上昇787cm」と記された大きな看板が立っている。

image_9 【写真9】鳴瀬川河口にある津波到達看板

 堤防上をそのまま進み北上運河に沿って東に向かう。現状では北上運河と鳴瀬川合流点付近まで一般車が入ることができる。釣り客などの車が結構駐車している。

image_10 【写真10】北上運河・鳴瀬川合流点付近

 北上運河に架かる仮設の橋を渡る。この先、バリケードがあって一般車は通行できない。サーフィン客立入禁止の案内板もあった。北上運河の海岸側に沿った道を東に進む。この道はかつての矢本海浜緑地のサイクリングコースなのだが現在は復興現場作業の重機が行き交う道になっている。幸いこの日は日曜日のせいか作業は行われていない。とりあえず行けるところまで行ってみようと思った。

image_11 【写真11】堤防上を進む

 足元の悪い作業現場より海沿いの砂浜の方が気持ちよく歩けそうだ。しかしこの日はやや風が強く砂が舞い肌寒い。湿った潮風も爽快とは言えなかった。靴が砂に潜るので歩行速度も上がらない。

image_12 【写真12】海岸線を進む

 作業中の現場がありこのまま海岸線を進むことはできない。内陸側を通り迂回できないかと思いうろうろしていると北上運河の堤防上に出た。この付近の堤防工事は完成している。堤防上はかつてのサイクリングコース、および自然歩道のコースだが現状ではそれらの面影もなく単なるコンクリートの堤防である。堤防を進んでいくと矢本海浜緑地の設備が廃墟のまま残っていた。

image_13 【写真13】矢本海浜緑地・児童遊園地

image_14 【写真14】矢本海浜緑地

 海岸沿いは大型ダンプトラックとショベルでこの日も盛んに工事が行われている。北上運河の対岸には航空自衛隊松島基地の設備が見える。

image_15 【写真15】北上運河堤防上を進む。対岸は航空自衛隊松島基地

 矢本海浜緑地の東端に到達した。北上運河に架かるサイクリングコースの橋が現存していた。この先、運河の堤防は工事中である。

image_16 【写真16】サイクリングコースの橋

 この付近も震災以後そのまま放置状態らしく、コンクリートの破片が散乱している。海浜緑地事務所脇の案内板が倒れかかっている。

image_17 【写真17】矢本海浜緑地管理事務所跡と案内板

 橋を渡ったところに自然歩道の道標があった。

image_18 【写真18】自然歩道の道標

 北上運河の海岸側の堤防は工事中。内陸側(自然歩道のコース)はこれから工事に着手するところである。現状、内陸側の堤防上は雑草が茂り荒れた道になっている。

image_19 【写真19】北上運河の堤防工事

 途中、北上運河に架かる歩行者専用橋があった。橋の全長に渡って鯉のぼりが飾られ季節を感じる。しかし対岸にあったはずの上浜集落は消失し更地が広がっている。

image_20 【写真20】北上運河に架かる歩行者専用橋

 ここまできてやっとサイクリングコースらしい舗装路面、白線が現れた。しかしすでに堤防工事は始まっていて、この路面は消失することになる。

image_21 【写真21】サイクリングコース

 北上運河を離れ陸前赤井駅に向かう。水田地帯を北進する。途中、堤防を兼ねた工事中の道路を横断する。。

image_22 【写真22】水田地帯を北進する

 住宅地に入り直進すると国道45号に突き当たる。右折しすぐ定川橋を渡る。この川も堤防工事が行われている。本コースは震災復興工事の現場を見学するコースでもあった。

image_23 【写真23】定川橋から堤防工事の様子

 陸前赤井駅前に自然歩道の地図入り案内板があった。

image_24 【写真24】自然歩道の案内板

 終点の陸前赤井駅に到達した。とにかく早期に各工事が完了することを希望します。

image_25 【写真25】JR陸前赤井駅

<完>

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