ロゴ 東北自然歩道 新・奥の細道宮城 28

鹿と猿が住む霊島金華山のみち

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● はじめに
 金華山にある黄金山神社、原生林の自然、頂上からの展望を楽しめるコースです。

● 調査日
2016年6月11日

● コース概略図
公式ホームページを参照ください。

(起点)金華山観光桟橋→黄金山神社→黄金山頂→金華山観光桟橋(終点) 計4.2km

● 交通アクセス
 起点・終点の金華山観光桟橋は石巻市鮎川港または女川町女川港から乗船する。

● コースを歩いて
 今回の目的地、金華山は島のため船で海を渡らなければならない。金華山と言えば黄金山神社が最大の観光名所で震災前は船の便がたくさんあったのだが、震災後は限られた数しかなくなった。通常の船便は黄金山神社参拝客向けの時刻になっているので金華山滞在時間は1~2時間程度しかない。これでは東北自然歩道を歩くのは無理だ。神社の祭典があるときは船が増便されるのでそういった機会を狙って訪れようと思っていた。
 5月の始め頃、女川-金華山航路で金華山パワースボット巡りという企画があることを知った。この企画では金華山滞在時間は3時間半くらいある。おそらく山頂往復は可能だろう(自然歩道のコースをすべて完歩するのは無理だが)。パワースボット巡りに参加せず自由行動(=登山)での参加を電話で予約した。船会社(潮プランニングさん)のほうでも登山客を歓迎しているようであった。ただし「楽ではないよ」と言われた。まぁ楽ではないのは小生も予想していたのだが、やっぱりそうなのか。しかし以前から登ってみたい山だったのでやっと実現することになってうれしい。仲間を集め計6名で行くことになった。
 JR女川駅前の新しい商店街を散策後、女川港に向う。港の桟橋近くにプレハブの小屋があり中に入ると待合所と乗船窓口がある。乗船券(往復3,100円)を受け取り既に出発の準備が整った船に乗りこんだ。海上はガスで視界が良くなかったがその分、船のガイドさんの話を聞くことができ、登山に役立つ情報もあって良かった思う。
 船から見る金華山は大きく海上から見上げても頂上は見えない。海の透明度は高く南国の島のような美しい青色である。やがて船は金華山の桟橋に到着した。

image_1 【写真1】金華山観光桟橋

 桟橋には屋台などの店はなくちょっと殺風景な感じがする。黄金山神社まで客を送迎するためのライトバン、物資を運搬する軽トラが待機していた。道案内の看板は見当たらないが、大きな鳥居がある方向が神社への参道である。

image_2 【写真2】黄金山神社の参道を上る

 眼下の海岸線は白砂、青い海、緑の芝草のコントラストが美しい。同行者達は早くも写真撮りに夢中でこれではいつ山頂に着くのかわからないので、急かしながら先を急ぐ。

image_3 【写真3】 海岸線

 参道は鹿の群れがいる芝生を抜け神社の建物群の中に続いている。

image_4 【写真4】神社の食堂脇を通る

 黄金山神社は復路に寄ることにし、まずは山頂を目指すことにした。銭洗い弁天から登山道に入る。沢沿いに上っていく。アズキナシがちょうど満開だ。ブナ、モミノキ、ケヤキの大木に圧倒される。ノイバラ、ニガナ、ラショウモンカズラが咲く。鹿避けか人避けかわからないが植生回復のために登山コース脇にはネットが張られている。水神社で沢は終わり、その後、左側の尾根への登りとなる。

image_5 【写真5】水神社

 山頂稜線に続く尾根に出た。道標には山頂まで280mとある。一気に展望が開け標高400m級の山なのに森林限界を突破したような雰囲気がある。桟橋から神社付近までは薄曇りの天気だったが、ここまでくると完全に雲の上になり天気は快晴だ。下を眺めると雲海が広がっている。

image_6 【写真6】山頂尾根に出る

 露岩の続く尾根を登る。ハナヒリノキが多い。山頂には最高標高点の標石、大海祇神社がある。三角点は神社に向かって左側にあった。

image_7 【写真7】最高標高点

image_8 【写真8】大海祇神社

 黄金山神社から大海祇神社に至る別ルート(現在は通行止め)へ少し下ると牡鹿半島方面の良好な展望が得られる。山頂から自然歩道の天柱石方面に進むと東屋とベンチがあったのでその脇で昼食・休憩とした。

image_9 【写真9】山頂から牡鹿半島方面

 帰路は往路を引き返す。下りは思っていたよりも早かったので、黄金山神社で参拝したり鹿と戯れたり充分な時間がとれた。船の乗船時刻に合わせ下山した。

image_10 【写真10】黄金山神社

 女川に到着後、温泉で汗を流し、商店街の居酒屋で慰労会を開催。お互い今日一日の労をねぎらった。
<完>

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