Puppy Linux導入記録 inkscapeLite
(update 2013.01.06)
inkscapeLiteはPuppy Linux431標準搭載のドロー系描画ツールです。inkscapeという有名なソフトの簡易バージョンなので簡単な図形を描くためのツールだと思います。一方、小生がWindows2000で使っていた図形描画ツールは花子2006です。花子は多機能ですが小生がいつも作成する花子文書で使っている機能はわずかしかありません。それは地図画像の背景、矢印・吹き出しなどの図形、コメント文字列、PDF出力です。この程度ならinkscapeLiteでもできそうです。参考までに以下にその方法を挙げます。
1.地図画像を背景にする
inkscapeLite(=ドロー系の描画ソフト)で地図画像のようなビットマップが扱えるのかというのが小生の最大の関心事でした。結果はできました。手順は「ファイル」→「読み込み」→画像ファイル(gifなど)を選択するとinkscapeLiteの白いキャンバス上に画像が表示されます。画像の拡大・縮小・回転・反転が可能です。
2.矢印の作成
矢印を描くコマンドはありません。Draw Bezier curves and straight linesのボタンをクリックした後、矢印を描きます。
3.吹き出しの作成
吹き出しを描くコマンドはありません。Draw Bezier curves and straight linesのボタンをクリックした後、吹き出しを描きます。
4.日本語コメントの入力
文字ボタンをクリックしたあと、日本語を入力した瞬間にinkscapeLiteが異常終了します。このときエラーメッセージが表示されます。このメッセージにはバックアップファイルを自動作成したことも記してあります(この点では気の利いたソフトです)。
日本語を入力する方法は、ダミーの半角英数文字を入力→「選択して変形」ボタンをクリック→ダミーの半角英数文字を選択→「ビュー」→「テキストとフォント」→日本語フォント(M+1P+IPAGなど)を選択→文字入力エリアのダミーの半角英数文字を削除し日本語を入力する、です。Puppy Linux日本語フォーラムにも同じ記述がありましたのでinkscapeLiteのよく知られているバグのようです。
さらに、改行を含んだ文字列の場合(複数行の文字列の場合)は不具合がありました。ファイルを開く度に勝手に行末に改行が追加されます。したがって一行の空行が挿入されたように見えます。この空行を削除し保存しても再びファイルを開くと空行ができてしまいます。最前面に半角英数の文字列を置くとこの問題が起こらなくなりましたが…。
5.PDF出力
手順は「ファイル」→「印刷」→「プリンタの選択」で使用可能なプリンタのリストが表示されます。ディフォルトではCUPS-PDFとなっていますがリスト最上段の「PDFドキュメントの作成」を選択します。このプリンタ選択のウインドウサイズは小さいです(ウインドウサイズを最大化するとわかりやすいです)。そのため当初は使用可能なプリンタはCUPS-PDFだけしかないと思ってしまいました。CUPS-PDFでPDF出力した場合、一部の範囲しかPDF化されません。日本語文字列もPDF化されません。
スクリーンショット プリンタの選択
一応、上記の方法でPDF化できましたが下記の問題がありました。
- 用紙サイズがA4だけである。A3サイズのPDFはできませんでした。
- PDFファイルからテキストの選択ができない。PDFビューアの文字列選択機能が使えません。
- ファイルサイズが大きい。A4サイズで8Mバイト位です。
この問題の対策は、端末からSVGファイルをPDFに変換するコマンドを入力します。inkscapeLiteの印刷機能は使いません。ただしこの方法は日本語文字列の位置がずれてPDF化されることがあります。
# rsvg-convert -f pdf -o test.pdf test.svg[Enter]
上述のようにinkscapeLiteは日本語入力に難があるため現在はLibreOffice 3.6 Drawを使っています。
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