Ra266導入記録9:Ultra Wide SCSI編
2004年9月11日
 PC-9821Ra266に取り付け可能な最速のSCSIインターフェースボードはUltra 2 Wide規格(転送速度80Mbite/s)ですが現在はすべて販売終了となり入手困難となっています。さらにUltra 2 Wide導入にはSCSIハードディスク,LVDケーブルが必須ですがそれらは高価でありまた近隣の量販店では取り扱っていません。そういうことでUltra 2 Wide導入を先延ばしていました。ある日偶然ネット上でSC-UPCI(アイ・オー・データ)新品が格安で販売されているのを発見しました。Ultra Wide規格(転送速度40Mbite/s)なのでUltra 2 Wideには及びませんが現在使用しているUltra 規格(転送速度20Mbite/s)よりも高速です。通販の送料を含めて\2,000程度なので入手することにしました。Ultra Wide規格の恩恵をうけるにはSCSIハードディスク,ケーブル,コネクタが必要なのでそれら一式も注文。入手したパーツは以下の通り。
SCSIボード SC-UPCI(アイ・オー・データ)
SCSI内蔵ハードディスク ST336607LW(SEAGATE)
Ultra-160 68pin LVDケーブル(ターミネータ付)
WIDE SCSI変換アダプタ− 50ピンメス−68ピンオス アイネックスFX-2505(内蔵SCSI-DVDRAM LF-D103に取り付ける予定であった。このコネクタ使用により68ピンのLVDケーブルが接続できるはず)
 各パーツが揃ったので週末に導入作業を開始しました。まずSCSIボードを交換します。現在使用しているSC-UPNを外しSC-UPCIを取り付けます。ハードディスクはDSC-40Gをそのまま使います。パソコンを起動したところWindows95では新しいハードウェアとして自動認識され正常動作。Windows2000では起動時のロゴ表示後,異常なハードウェアエラー(英語表示)となり動作不能です。そこでいったんSC-UPNに戻しWindows2000を起動し「デバイスマネージャ」→「SCSIとRAIDコントローラ」→「SC-UPN」→「ドライバ」→「ドライバの更新」で強制的にSC-UPCIのドライバをインストールしました。電源OFFし再度SC-UPCIを装着し再起動でWindows2000でも動作可能となりました。ここで万が一に備えWindows2000標準のバックアップツールでDSC-40Gのドライブ丸ごとバックアップをします。
 次に新ハードディスクST336607LWを接続しWindows2000のディスクの管理でフォーマット。パーティションの数と容量はDSC-40Gと同じにしました。それからDSC-40G からST336607LWにドライブ丸ごとコピーします。コピー方法ですがそのままエクスプローラでファイルをコピーした場合OSの仕様によりシステムファイルの一部はコピーできません。そこで先にバックアップしたファイルを使いST336607LWに復元することで代用しました。DSC-40Gを取り外しST336607LWのみで単独起動を試みます。電源ONしWindows2000のロゴ表示までは順調でした。ところがそのロゴ表示時間が異常に長く5分以上はかかっています。ようやくデスクトップ画面に切り替わったと思ったら画面中央にマウスポインタが表示されているのみでアイコンやタスクバーがありません。マウスポインタの移動はできますがクリックしても何の反応もなし。CTRL+Alt+DELキーも無効です。強制的に電源OFFし何度か再起動しましたが同じ症状です。どうやら単純なディスクコピーではうまくいかないようです。
 仕方なくOSを新規インストールすることにしました。まずWindows95をインストールしてみました。特に問題なしです。次はWindows2000です。起動フロッピー4枚を読み込みインストールウイザードが始まったとたんにハングアップ(ファイル読み込みの進行状況を示す横棒グラフの動きが停止)。原因不明のまま試行錯誤しました。食事のためハングアップ状態で長時間席を外し戻ってきたらインストール作業確認のメッセージボックスが表示されていました。ハングアップに見えましたが実は異常に遅い速度でインストールが進行していたのです。終了まで辛抱です。ほぼ丸一日24時間かかって終了。無事起動し動作も問題ありません。ただデバイスマネージャを見るとSCSIカードはSymbios Logic 875XS|D,2280X PCI SCSI ADAPTERと認識されています。本来はSC-UPCIシリーズとして表示されるはずなので気になります。そこでSC-UPCIのドライバに更新し再起動しました。以前より起動時間がかかったのが何となく気がかりです。デバイスマネージャでSCSIカードはSC-UPCIと変更されていることを確認しました。その後ウインドウの枠を移動したとたんにハングアップしマウスやキーボードに反応しなくなりました。何度か電源Off再起動を繰り返しているうちに起動すら不可能になりました。再びOSをセットアップ・修復インストールを試みましたが事態は改善しません。
 結局もう一度クリーンインストールすることにします。前回と同様24時間の辛抱です。SCSIカードのドライバはSymbios Logicのままの状態でしばらく使ってみましたが特に問題有りません。ST336607LWはSCSIカードのドライバと相性があるようです。以上よりDSC-40G→ST336607LWに環境を移行するには以下の手順が良いと思われました。
1.DSC-40GからST336607LWにドライブ丸ごとコピーする。
2.ST336607LWから起動しSCSIカードのドライバをSymbios Logicに変更する。
 これを実行することにします。まずドライブ丸ごとコピーですがHDdup98というフリーソフトを使いました。次にドライバの変更です。セーフモードで起動します。起動が異常に遅く30分位かかります。デバイスマネージャでドライバをSymbios Logicに変更し再起動。これで無事環境移行ができました。
 ST336607Lを使用した感想は,スピンドルの動作音はDSC-40Gよりも大きめ。回転数が5800と10000の差でしょう。10000回転の場合パソコン本体の筐体が共振し音が拡大されているようです。本体下部に敷いている新聞紙の位置や上部に置いているMOドライブの位置を変えてみると共振が収まるポイントが見つかりました。気になるのは「トントン・・・」という周期的に発生する音です。仮想メモリにアクセスしているのではないかと思います。アクセス時の音質はカリカリ,キュルキュルといった軽快な音を出します。発熱の程度は手で触って火傷をするほどの温度ではありません。このクラスのハードディスクにはクーラーが必要との事ですがDVD-RAMドライブとの隙間が5mm以下で設置スペースがなく断念しました。読み書き速度はHDBENCH Ver 3.30で35MB/s程度でDSC-40G+SC-UPNと比較し約2倍となっています。全体的にアプリケーションの操作が軽快になり導入効果があったと思います。
 SC-UPCIは3つのコネクタ(内部68pin・50pin,外部50pin)のうち同時使用可能なのは任意の2つのコネクタとなります。小生は内部68pin + 外部50pinで使用する予定でした。内部68pinにLVDケーブル,その先にST336607LとLF-D103(DVD-RAMドライブ)を接続。ただしLF-D103自体の端子は50pinのため前もって準備していた50pin→68pin変換コネクタを使用します。ところがこの状態ではSCSI機器が正常に認識されません。ST336607L単独接続では問題なかったのですが。
 SC-UPCIの初期型は3つのコネクタを同時使用できたという報告をどこかのホームページで見たことがあります。発売時期によってコネクタやディップスイッチの位置やボードの寸法が異なり取扱説明書にも記載されています。小生が入手したSC-UPCIは初期型でした。そこで3つのコネクタ同時使用を試みました。内部68pinにST336607L,内部50pinにLF-D103,外部50pinにMOなど。特に問題なく動作しています。
Ultra 2 Wide SCSI編
2004年9月25日
 Ultra Wide SCSI(転送速度40Mbite/s)を導入し満足できる結果が得られましたがその一つ上のUltra 2 Wide SCSI(転送速度80Mbite/s)に移行したらさらに良い結果が得られるのではないか・・・,凡人の欲望が次第に高まってきました。PC-9821で使用可能なUltra 2 Wide SCSIカードは数種類しかありません。そのうち現在使用中のSC-UPCIと同じコネクタ配列(内部68pin+50pin,外部50pin)のカードはSC-UPU2(アイ・オー・データ)です。
 オークションに入札し運良く無競争でSC-UPU2を落札しました。SC-UPCIからSC-UPU2への交換・インストールは以下の手順で成功しました。
PCIスロットにSC-UPU2とSC-UPCIを取り付ける(SCSIカード2枚刺し)。
Windows2000を起動しSC-UPU2を認識(ドライバのインストール)させる。
PCの電源をOFFしSC-UPCIを取り外す。ハードディスクをSC-UPU2に接続する。
Windows2000を再起動
 HDBENCH Ver 3.30でハードディスクの読み書き速度を測定すると60〜65MB/sです。数値上ではSC-UPCIの2倍となりましたが体感ではあまり変化が感じられません。一般に体感速度はランダムアクセス速度に関連するようなのでSC-UPCIで既にランダムアクセス速度が飽和していたと思われます。
 SC-UPU2のBIOSを2.02にバージョンアップしたところWindows2000が起動不能になりました。あわてて2.02→1.66→1.63とバージョンダウンしましたが同様です。製品出荷時のBIOSは製品添付のフロッピーに同梱されていないため元のBIOSへの復帰は不可能です。仕方なくBIOSを2.02に戻し上記の方法でSC-UPU2を再インストールしたら正常動作しました。
COM1ポート復活
2004年10月10日
 今までCOM1ポートが不調で使用できないので,COM2にP2B/WSというホイールマウス,COM3(CバスにRSA-98III/S)にモデムを接続していました。この日CPU交換準備のためPC内部の基板を外す作業をしました。そのとき,COM1ポートから基板上に接続されているコネクタがピン位置が一段ずれた状態て接続されていることを発見しました。このコネクタを正常に接続したらCOM1ポートが使用可能になりました。
 現在COM1にPSB/WS,COM2にモデムを接続しています。CバスのRSA98-III/SはWindows2000に正式対応していないので取り外しました。
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