ローカル線乗車日記[JR城端線]
富山県東砺波郡城端町
乗車日: 2003年1月18日
【写真】JR高岡駅ホーム
 富山県内の最後の未乗区間である城端線に出かけることにした。事前に調べたところ城端は越中の小京都と呼ばれていることがわかり鉄道趣味だけでなく見て歩きも期待できる。
 見附付近から霧が濃くなり電車は徐行運転となる。後続の特急も遅れたため柿崎での通過待ち時間が長くなった。直江津で北陸線に乗換。接続待ちをしていたためすぐ発車した。富山平野に入ると天気が良くなり日差しも差し込んできた。高岡で城端線に乗換。橋を渡り一番南側が城端線のホームである。北陸線のホームからかなり離れていて高齢者が乗り換えるのはつらいであろう。乗車前に自販機で缶コーヒーを買う。車内は意外に空いていて4人がけのボックス席に座ることができた。車両はキハ28の二両編成。えび茶色に白線塗装がされているワンマンカーで氷見線と車両が兼用されていると思われる。
 いよいよ発車。久し振りの未乗区間なのでわくわくしてきた。先週の富山港線はバスのような車両だったが今回はキハ28というローカル風情たっぷりの車両なので一層その気持ちが高まる。ディーゼルの重々しい音を響かせながらゆっくりと走る。沿線は砺波平野の散居集落であるが,胆沢平野の散居集落に比べると家と家の距離は近く密度が高いので一見どこまでも郊外の住宅地が続いているように感じてしまう。無人駅は少ないのでその都度「運賃の精算は駅で行ってください」とテープが流れる。砺波駅は沿線最大の町で駅に近づくと砺波のチューリップ,井波,庄川,利賀の観光案内のテープが車内に流れる。駅ビルが立ち最も都会的な雰囲気がした。福野・福光・城端でも観光案内のテープが流れた。
 終点の城端で下車。ここから白川郷行きのバスに乗り継ぐグループがいた。次の機会にぜひ白川郷に行ってみたい。駅から東に向かって歩くと食堂があったのでそこで昼食をとる。食堂の玄関は格子戸だった。その時は気づかなかったがこの格子戸が城端の街並みの特徴で越中の小京都と謂われるゆえんである。山田川沿いの道から野田橋を渡る。静まりかえった狭い路地の両側に歴史を感じさせる街並みが続く。
 坂道を上り善福寺の境内に入る。山門は越中の寺らしい重厚なものである。新年行事の講話を聞きに来た人(年輩の女性が多い)で境内の駐車場はほぼ満車である。本殿は雪囲いがされていてその全容を見ることができなかった。本殿脇では雪の滑り台を作って子供たちが遊んでいる。本殿の中は防寒のためビニルシートのカーテンで覆われていて,それをめくって中に入ることになる。小生は入場料を取られはしないかと思って中に入るのを躊躇してしまったが,しばらくすると講話を聞き終わった方がどんどん入っていき雑談している。信者の集会所のような雰囲気がした。本殿の左側に隣接する宝物収蔵館には加賀藩前田家ゆかりの什器などの文化財が展示されているとのこと。入館料が必要。薄暗く人気がなさそうなのであとで時間が余ったら立ち寄ることにした(結局寄らず)。
 善福寺を出て歩道を南に向かうと左手に曳山会館への道を示す矢印案内板があったのでそれに従い住宅に挟まれた狭い路地に入る。すぐに曳山会館の広い駐車場にでる。モダンな建造物である。入口は町のメインストリートの国道304号に面してある。分厚いガラスの扉を押して中にはいる。入館券\500を受付で支払う。入り口付近の展示物やみやげ物を見学しながら中にはいると最初のフロアがあり町案内のビデオ(15分)が上映されていたので休憩を兼ねて見ることにした。ビデオを見終わり次のフロア(蔵回廊)に入ろうとすると男性のガイドの方から「館内の説明をしましょうか」と言われたのでぜひとお願いした。

展示品
 縄文土器
 城端は門前町として発展
 城端の彫刻師,漆職人(白色の漆)
 蔵回廊 障子の透かし模様 雨戸のコロ イギリス人の設計 分解後ミガキ 柱は木組み 合いマークは昔のまま
 町の芸術家の彫刻品

曳山関連では
 江戸時代の景気づけが発端
 3台展示(町内では全部で6セットある)
 屋台の下に人が入る。屋台の上には精巧な模型(操り人形など)
 在原業平の寝殿造り
 吉原
 京都
 鶴
 水
 七福神の恵比寿様 右手に釣り竿 左手に鯛
 彫刻と漆と厚い金箔
 提灯の明かりはは控えめにし曳山を引き立てる。
 屋根は折れ曲がる。障害物を避けるため。

 予想以上に展示内容が良かったので長居をしてしまった。ガイドと一緒に見学したので見落とした点も多かったと思う。縄文土器などはもう一度じっくりと見るべきだったとあとで後悔した。乗車予定の列車の時刻は過ぎてしまったので次の列車の時刻まで再び町内の散策をする。裏通りにはいると坂道と格子戸の街並みが続く。【写真】城端駅ホーム
 直江津で1時間の待ち時間があったので夕食を摂るため途中下車した。新しい直江津駅は線路を跨いだ橋上駅舎でエスカレータ付きの立派なものである。豪華客船をモデルにデザインされていると通路の案内板に記されている。立派な駅舎と対照的に古い町並みは変わらない。信越線に乗り換え,長岡・新潟で乗り継ぎ白新線の最終電車で帰宅した。

大形(627)→(1249)城端(1515)→(1846)直江津(2005)→(2343)大形

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