ローカル線乗車日記[JR七尾線]
石川県七尾市
乗車日: 2002年1月19日
【写真】JR七尾駅ホーム
先週と同様青春18きっぷの消化の旅に出かけました。今回は七尾線です。北陸線津幡駅から分岐し能登半島の和倉温泉が終点です。和倉温泉から先は「のと鉄道」が通じていますが日帰りは無謀と思われるのでこちらは見送ることにしました。費用の節約の為なるべく普通列車に乗車する事にすると往路は朝一番の信越線,復路は最終の信越線となりハードな一日になりそうです。

富山で乗り継ぎの間,早い昼食(立山そば)を済ませました。津幡で七尾線に乗り換えます。津幡駅ホームには立ち食いそば屋の設備がありましたが営業休止中のようでした。金沢方面からやってきた七尾線の車両は3両編成の415系通勤電車でピンクと水色系統の派手な塗装色でした。車内のシートはえんじ色で肘掛けや首枕の部分の竜宮城を思わせるデザインが特徴的です。乗り心地は悪く常にガタガタ音を立てて揺れています。レールが短く継ぎ目の振動が直接車体に響いてくる感じてす。

都市近郊に見られる通勤電車型の車両はローカル色がなさ過ぎるなぁと感じました。宇ノ気・高松と住宅が密集している町を過ぎ,羽咋でかなりの乗客が下車し車内は閑散となりました。いよいよ寂しくなったと思ったのもつかの間,能登部から学校あがり(当日は土曜日)の学生がどっと乗車し車内は一気に賑やかになりました。そのまま終点の七尾着。七尾駅はホームが5つぐらいあったような気がします。意外にも大きな駅でした。駅構内は乗降客で混雑し都会の駅と大差ありません。駅前には大和デパートがあり,また観光バスの往来も多く活気を感じました。能登は半島の鄙びた寒村地帯という先入観がありましたが,これを見て改めることにしました。

七尾で和倉温泉行きに乗り換えます。車両はのと鉄道のディーゼルカーです。ホームもJR側と柵で仕切られていてのと鉄道の職員がその柵の扉を開け乗り継ぎ客の改札をします。和倉温泉まではJRの路線なのでいささか疑問に感じました。もともとのと鉄道はJR線が第三セクター化されたもなのでJRに業務を委託されているのかも知れません。乗り継ぎ口の改札で青春18きっぷを提示し「和倉温泉まで行く」と告げ問題なく通過できました。

2両編成の車両は学生で混雑し通路も立ち客で埋まりました。下車時は1両目の車両の運転台の中に立つ係員に切符を提示し下車します。地方鉄道の乗降システムは千差万別で要領がわからずいつも困惑してしまいますが学生の後に続いて無事下車できました。車内で改札するせいか駅側の改札口は無人でした。【写真】のと鉄道七尾駅ホーム

今回の旅の目的はもちろん七尾線乗車ですが,せっかく和倉温泉に来たのですから温泉に入るのが第二の目的です。ただし,温泉に直行せずしばらく周辺を散策し程良い運動をした後に温泉に入るような計画を立てました。まず,石崎港に向かいました。小型漁船がたくさん停泊しています。岸壁を一往復し潮の香りを充分吸いました。その後,瓦工場の脇を通り水先鼻という地図上では海の眺めが良さそうな所に向かいました。しかしこの場所一帯は枯れ草が茂る埋め立て地となっていて美しい風景とは無縁な場所でした。すぐ西側に温泉旅館の高層建築が聳えておりいずれはこの場所にも同様の建物が建ち並ぶのではないかと思います。

次に温泉街の北側にある標高約60mの高台に登ります。松林の中,車道を歩き進むと頂上付近に電波塔が幾つか立っています。ちらほらと林の陰から下界の景色も見えますが残念ながら決定的な展望はありません。ついでに三角点を探すつもりで進んでいくと車道脇に入口を示す赤布を見つけました。しかし鬱蒼とした竹藪の中を突き進まなければならないようなので諦めました。

ここから一気に温泉街に下ります。中腹に小公園があり眼下に住宅地,その先に海岸線に屏風のように立ち並ぶ高層ホテル,海,能登島が展望できました。住宅街は幅1mにも満たない細い路地が縦横に走っています。それから車道に出ると小料理屋・麻雀店・ホテルの従業員宿舎などのいかにも温泉街といった街並みとなります。加賀屋という世界的にも知られる巨大ホテルの東側にいくつもの源泉が湧いていました。一帯はボート乗り場・駐車場などがある整備された公園となっていて一見してここが和倉温泉の中心であることがわかります。また,源泉には金属製のざるが置いてありこれで温泉卵を自由に作れるとのこと。

共同浴場の総湯は源泉から東に向かいT字路に突き当たったところやや左側にあります。総湯の建物の前には足湯がありここに座り足を浸けているだけなら無料ではないかと思います。券売機で入浴券\480を購入しそれをフロントに出します。靴箱・更衣室のロッカーは鍵付き(無料)で盗難の心配はないので安心できます。浴室は大浴場の他にサウナや露天風呂がありましたが,露天風呂は周囲がコンクリートの建物に囲まれていて風情はありません。温泉は飲むことができ柄杓で受け取って飲むと強烈に塩辛い。本日一番印象に残った出来事でした。

帰路はまっすぐ和倉温泉駅に向かいます。総湯から駅まで徒歩25分でした。ちょうど大阪からの特急が到着した時刻で駅前は客待ちの送迎バスで溢れていました。この特急はサンダーバード44号として折り返し大阪に向かいますが,小生は途中の羽咋までこの特急に乗車し羽咋から普通列車に乗り継ぐことにしました。さすがに特急は加速が良くレールの継ぎ目の振動もさほど気にならず快適です。羽咋でホームの反対側に待機していた普通列車に乗り換えます。富山で5分間の停車の隙に定番の鱒寿司弁当を買い帰路につきました。一方,総湯で温泉卵を買いそびれたことが悔やまれます。

越後石山527〜636長岡639〜805直江津816〜1015富山1048〜1129津幡1146〜1253七尾1320〜1326和倉温泉1652〜1718羽咋1726〜1811津幡1813〜2111直江津2124〜2250長岡2253〜2359越後石山

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