新潟交通


1999.3.22

友人といっしょに車で青山のジャスコLまで行きそこから歩いて始発の東関屋駅まで向かう。春分の日も過ぎたというのにこの日は天候が悪く関屋大橋を渡るときは猛吹雪に遭い正面から吹き付ける強風のためなかなか前に進めない。

寒さをこらえ何とか東関屋駅にたどりつく。駅構内では各種のお別れグッツが展示・販売されていた。小生は武相高校鉄道研究会の写真集(\1,000)を購入。友人は開業当時の時刻表と沿線地図を入手した。各車両の外形図の展示もあり,よく見ると何とその中の貨車の製造元が小生の勤務する会社だった。テレホンカードが欲しかったが残念ながら無かったようだ。後でわかったことだが,新潟交通のバスカード(\1,000)をたまたまバスの車内で買ったら「さよなら 新潟交通電車線」のタイトルと県庁を背景に東青山駅付近を走る電車の写真入りのカードだった。

切符は1日フリー乗車券(\1,030)を買った。改札を通りホームに向かう。ホームの右側が1番線,左が2番線となっている。我々と同様,記念写真やビデオを撮っている人が多く賑やかである。車掌さんも愛想良くお客さんといっしょに写真をとってもらったりしていた。

モータのうなり音とともに2両編成の白根行電車が発車。発車時はチンチンと鐘が鳴りドアが閉まる。停車時はビビーとブザーが鳴りドアが開く。車内は緑色のロングシートである。関屋分水の鉄橋を渡る。吹雪の中,河川敷でビデオを撮っている人がいる。間もなく東青山駅に到着。10年くらい前,小針に住んでいたことがあるのでここまでは乗車したことがある。当時の始発駅は白山前だった。近くにジャスコがあるので乗降客が多い。この先は初めての乗車区間なので車窓からの風景を楽しむことにした。新大野までは住宅地の中。その先は中ノ口川沿いの路線である。休日で天候が悪いせいか平島−味方中学間はほとんど乗降客がない。

駅舎はどれも古くほとんどが開業当初からのものであり豪雪地帯の農家の納屋のような頑丈な造りとなっている。新潟交通といえば万代バスセンターのような近代化されたイメージがあったので,これらの駅舎を初めて見て非常に驚いた。いくら何でもこれらの古くさい駅はひどすぎると思ってしまった。しかし後で考えてみると逆にこの古さが新潟交通電車の最大の魅力であり新潟の土地になじんでいると思う。よく今までこの状態を維持し続けてきたものだと感心する一方,今後もいくつかは残存して欲しいものだ。

味方駅でかなりの人が下車した。近くに国重要文化財の笹川邸があり,この庭園から写真を撮っている人も数人見受けられた。次の白根が終点なので下車する。白根駅も木造の古い駅舎で中は薄暗い。ただしお別れグッツの販売などがあり人でごった返している。その先の月潟行電車の発車時刻まで間があるので駅舎の外に出て昼食をとることにした。中ノ口川の堤防を南下し橋を渡って下ったところにちょうどラーメン屋があったので中にはいる。このあたりは白根市の中心部でもありちょうど昼時だったので混雑していた。少々待たされたので食べ終わったらダッシュで白根駅に向かい,何とか月潟行きに乗車することができた。小生はホームを走りこの電車の先頭まで行き写真を撮ったりしたのでほとんど飛び乗り乗車であった。他人から見ればマナーが悪い奴と思われただろう。反省。罰が当たりこの写真は手プレになってしまった。

終点月潟に到着。外は相変わらず吹雪。そのせいか何ともいえない寂しい風景である。線路まで下り記念写真を撮った後,同じ電車に乗車し折り返すことにした。

1999.3.22
東関屋
1999.3.22
月潟
1999.4.2

今日は小生にとって新潟交通電車の見納めと思い出かけることにした。越後線関屋駅で下車し新潟交通東関屋駅まで歩く。今日はじっくりと写真を撮るつもりなので適当な駅で降りその周辺を散策しながらいいロケ地を見つけようと思う。中ノ口川沿いで一番近い木場駅に決めた。木場駅で下車。無人駅だと思ったので車掌に切符を手渡そうと思ったら「駅で渡してください。」と言われた。改札には女性の職員がいた。改札を出るときにその脇にある鉄柱にカメラのひもを引っかけてしまったので待合室にいたおばあさんに笑われてしまった。

あたりをぶらぶらしながら写真を撮るのにいい場所を捜す。中ノ口川の堤防上の道路から撮ることにし,電車がくるまでガードレールに腰掛け待機する。雨がボツボツと降りだしてきた。薄暗いのであまりシャッタースピードを速くできない。マニュアル露出&置きピンにセットし準備を整える。いよいよ電車が木場駅を発車し近づいてきた。シャッターをきる。

間もなく雨が本降りになってきたので駅舎の中で帰りの電車を待つ。女性の職員から切符を買う。電車に乗車せずに記念切符だけを買う人もいるので「電車に乗るのですか」と尋ねられた。この職員は昼前後が休憩時間になっているようで窓口を閉める準備をしていた。電車に乗車し何気なく車内の広告を眺める。電車&バスの乗り継ぎ割引乗車券,サントピアワールドへの入場券&乗車券セットなどが紹介されている。このような営業努力も報われず時代の流れとはいえ廃止に至ってしまったのは残念である。

1999.4.2
東関屋にて
9:18月潟行の改札
1999.4.2
木場
1999.4.2
東関屋

・撮影データ
Camera:PENTAX SuperA
Lens:RIKENON 55mmF1.2
Film:Fuji SUPER V 100
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