陸中海岸自然遊歩道

陸中海岸北限のみち

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コース概要

久慈市。陸中海岸国立公園の北限にあり、海食棚の岩場を通るコースです。
白前→1.5km→横沼展望台→1.0km→侍の湯きのこ屋(旧国民宿舎北限閣)→0.5km→北侍浜キャンプ場→0.9km→侍石→0.9km→田子の木(延長4.8km)

交通アクセス

起点の白前は久慈駅前から市営バス侍浜南線に乗車し白前で下車。終点の田子の木は久慈駅前から市営バスに侍浜線に乗車し外屋敷で下車、徒歩30分。

調査日

2009年9月22日
 808 JR水沢
 952〜1005 JR二戸→JRバススワロー号に乗換(料金1,500)
1115 久慈駅東口→タクシーに乗換(料金3,700)
1134 白前バス停
1137 遊歩道起点
1235 横沼展望台
1305 侍の湯きのこ屋
1345 侍石
1409 田子の木(遊歩道終点)
1430 国道45号横断
1514〜1635 JR侍浜
1649〜1730 久慈駅前→JRバス白樺号に乗換(料金2,790)
2012〜2029 JR盛岡
2136 JR水沢

コースを歩いて

 本コースは陸中海岸自然遊歩道の中では最北のコースで陸中海岸国立公園に指定されている区域のほぼ最北端を通る。リアス式海岸の終端部のせいか他地区と比較して断崖の落差もそれほど大きくない。そのため遊歩道は海岸近くを通り常時潮騒の音が聞こえ、ほぼ平坦で歩きやすかった。
 県南部にある自宅から沿岸北部に位置する久慈市の日帰り往復となると時間的な余裕は少ない。以前の計画では久慈市内で一泊し北山崎見学を兼ねて本コースを訪れるつもりであったが他の予定や体調を考慮し日帰りに変更した。新幹線、タクシー乗り継ぎで何とか行けそうだ。
 途中の盛岡は雨だったが久慈は時折小雨がぱらつく程度。JRパス(スワロー号)の終点久慈駅前でバスを降り地下道をくぐり東口に出てタクシーに乗車した(西口の方が表玄関だが東口から乗車した方が走行距離が短いと思った)。持参した地形図を乗務員に示し行き先を白前(遊歩道起点はこの付近と予想したため)と告げる。国道45号を北上しながら車内で乗務員と雑談すると遊歩道途中にある国民宿舎は日帰り温泉施設(きのこ屋)に変わったとのこと。タクシーは侍浜本町の交差点で右折しきのこ屋方面に向かう。乗務員は横沼付近から速度を落とし停車位置を探っているが小生はとにかく白前まで行って欲しいと希望した。この道路は市営バスの路線のため沿道にバス停があるので現在地を把握しやすい。

【写真1】白前(起点)

 幸い白前バス停と隣接して遊歩道の道標が立っていた。タクシーを降りバス停前から東に下る車道に入る。間もなく遊歩道の大型案内板がありコース起点の道標が立っていた。遊歩道に入る。沿道にはヤマゼリ、ノコンギク、ツリフネソウ、ナンブアザミ、キツネノボタン、アキノキリンソウ、ミズヒキ、ノブキ、キバナアキギリ、イヌコウジュが咲き、樹木は遊歩道入り口付近はスギ林、その後アカマツ、ケヤキ、クワ、イタヤカエデ、ミズナラなど。激しい波の音が聞こえ海が近い事が分かる。
 間もなく直下に海が見える断崖の上を通る。断崖側には転落防止の柵が設置されている。海に面した急斜面の岩場にハマギクが群生していた。ハマギク観察は本日楽しみにしていた目的の一つである。ただしこの場所は急斜面で危険なので写真を撮るのは困難だ。ちょうど12時、広場とベンチがある地点に着いたので昼食休憩とする。

【写真2】断崖の上を通る

 樹林帯を抜けると再び海岸線が見える場所に出た。この付近は海岸段丘と呼ばれる地形であろう。段丘上から海水面までの落差は10mほどになり一見海岸線まで下ることができそうな感じがする(実際は危険なので不可能だろう)。段丘の上まで踏み跡が続いていたので立ち寄ってみた。岩場の上部はハマハイビャクシンで覆われていて下部にハマギク、ハチジョウナが咲く。またツタウルシも目立つ。ここでは存分に写真撮影ができた。
 遊歩道の観察ポイントの一つの横沼展望台は途中右に分岐する道から入る。この道の入口に工事関係者以外立入禁止の立て札とバリケードがあったので当初は通過した。が、気になって引き返した。海岸に向かう道は100m先で左右に分かれ、右が展望台、左が工事関係者の作業小屋に続いている。展望台からは先ほど立ち寄った南面の段丘が良く見えた。次に作業小屋の方にまわってみた。北側の草木が刈払われているのでそのための作業がされているのだろう。この時は作業者は誰もいなかった。こちらの岩場でもハマギクが多い。陸地寄りの林と岩場の境目付近ではコハマギクが幾つか咲き始めている。

【写真3】横沼展望台から南面のながめ

 車道に出る。道標に従い右折し緩やかな坂を下っていく。車道右手の側溝にツルケマン、ツリフネソウが咲く。数件の民家と神社の前を過ぎると間もなく横沼漁港に出た。漁港の手前(車道の左側)にトイレがあるがその裏から遊歩道が続いている。左折を示す道標はハマハイビャクシン、ハマギクに囲まれていた。

【写真4】横沼漁港

 斜面を上ると広い草原に出た。草原の西に侍の湯きのこ屋がある。遊歩道は草原を南北に通っているのだが小生はここで草原の斜面を上りきのこ屋の正面入口の方(駐車場・車道)に向かってしまった。道を間違ったと気づき草原に戻る。ベンチがあり海を見渡すことができる。
 再び車道に出て左折。すぐ先にキャンプ場の入口がある。駐車場を縦断し管理棟の手前から海岸に下る。ハマギクが咲き誇る道を下っていくと海水プールに着く。海岸近くの岩場を長方形に掘り下げたプールだがシーズンオフの現在は海水は貯められておらず空っぽである。プール北側に展望台がありここでも豪快に打ち寄せる波を見る。この辺のコハマギクはまだ開花していない。

【写真5】プール北側の展望台から

 遊歩道に戻りキャンプ場の中を北に進む。行楽客がテントを張っている。キャンプ場の終端に東屋がありその先の樹林帯を抜ける。前浜漁港に至る車道を横断すると右手に侍石がある。石の上は平坦で広々とした台地となっていて展望が良い。案内板には、この場所は藩主南部利直公が休息した盤石であると伝えられている、とある。

【写真6】キャンプ場北部の園地

【写真7】キャンプ場最北部の展望台から

【写真8】侍石のハマギク

 アカマツ林の中を進む。沿道にコハマギクが咲く。小沢が流れ込む周囲にオクトリカブト、ツルケマン、オオカニコウモリ、キタマムシグサ。最後は坂道を上り遊歩道終点の田子の木に到達した。

【写真9】田子の木(終点)

 その後、当初の予定通り侍浜駅まで車道を歩いた。途中、侍浜松(巨木を育む森)の遊歩道入口があったが急いで歩けば15時の列車に間に合うかも知れないと思い今回は通過した。侍浜駅→久慈駅→盛岡行きバスを経由して帰路に着く。

<完>

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