陸中海岸自然遊歩道

浄土ヶ浜展望のみち

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コース概要

宮古市。浄土ヶ浜から潮吹穴を経由し休暇村陸中宮古まで散策するコースです。
浄土ヶ浜→0.7km→蛸の浜→2.1km→大沢海岸→3.3km→潮吹穴→2.3km→休暇村陸中宮古(延長8.4km)

交通アクセス

 起点の浄土ヶ浜はJR山田線宮古駅から岩手県交通バス浄土ヶ浜行きに乗車,終点下車。終点の休暇村陸中宮古はJR大船渡線宮古駅から岩手県交通バス休暇村陸中宮古行きに乗車、終点下車。

調査日

2009年3月22日
 616 JR水沢
 722〜725 JR盛岡→106急行バスに乗換
 935〜1005 宮古駅前
1027 奥浄土ヶ浜
1051 遊歩道入口(蛸の浜0.3km,大沢海岸1.8km地点)
1105 蛸の浜展望台
1142 大沢海岸
1225 大沢海岸1.9km,潮吹穴1.4km地点(昼食休憩)
1319 潮吹穴
1400 はまなす展望台
1422 姉ヶ崎展望台
1437 姉ヶ崎サン・スポーツランド
1445〜1505 休暇村陸中宮古
1532〜1554 JR宮古
1924 JR水沢

コースを歩いて

 盛岡駅で宮古行き106急行バスに乗り換える。乗り継ぎ時間はわずかしかない。駅の改札を出てからバス乗り場まで走る。県北バスの窓口でバスカードを購入し飛び乗った。元々7時25分のバスに間に合わないことを想定し予定を立てていたので以後の旅程に余裕ができそうだ。バスは時刻表通りに宮古駅前に到着。休暇村陸中宮古行きのバスよりも浄土ヶ浜行きのバスが先発するので本日は浄土ヶ浜から歩き始めることにした。
 バスは市街地を東に進みシートピアなあど(物産販売、余暇活動施設)に寄ってから鍬ヶ崎町の商店・住宅が密集する狭い道を擦り抜ける。時計回りに宮古湾を半周した後、曲がりくねった坂道を上ると浄土ヶ浜観光船乗り場のターミナル前に着く。車窓から外の景色を見回すと陸中海岸自然遊歩道の地図入り案内板があった。ここが起点であろう。なぜならバス終点の奥浄土ヶ浜には案内板や道標は見当たらなかったからだ。一般の観光客は広い駐車場があるこの場所から徒歩で浄土ヶ浜に向かう。バスはその観光客の脇を追い抜き終点の奥浄土ヶ浜バス停に到着した。

【写真1】浄土ヶ浜

 写真を撮ったりしながら散策した後、西の方に伸びているはずの遊歩道を探すが見当たらない。元浄土ヶ浜レストハウスの建物が工事中で周囲は背丈を超える鉄板が張り巡らされている。このため遊歩道は寸断されていた。仕方なく車道を歩くことにした。県道248(浄土ヶ浜道)に入ると橋の上から蛸ノ浜の海岸線沿いに遊歩道が続いているのが見えた。橋の北端に遊歩道入口と記された道路標識があったのでそちらに入る。遊歩道の入口付近は墓地が並ぶ斜面になっていて彼岸の墓参の人が訪れている。まっすぐ下ると丁字路に突き当たる。ここに、右:蛸の浜0.3km,左:大沢海岸1.8kmと記された遊歩道の道標が立つ。

【写真2】蛸の浜

 スギの植林地からコナラ、アカマツ、ハシバミ、ムシカリ、クロモジ、ハリギリ、ホオノキ、ヤマブキ、アカシデ、クリなどの雑木林に変わる。海岸線からやや離れたコースを北上していく。蛸の浜から0.7km地点の道標に蛸の浜展望台に分岐する道が示されているので寄ってみた。細長い半島の先端部に至る道で最後の方は岩場になる。岩場を下れば絶景が望めそうだが今日は無理せず引き返した。
 遊歩道沿いに常緑樹が多くなるがモミだ。モミ生育地は岩手県が北限のようだが今まで小生が実際目にしたモミの北限は釜石の尾崎半島だったので思いがけず自己記録を更新することになった。モミは遊歩道の終点近くの休暇村陸中宮古付近まで確認できた。後で小生がネット上で調べた範囲では北限は諸説ありその中で最も北に位置するのが宮古市黒森山だ。休暇村陸中宮古は黒森山と緯度が近い(休暇村の方がやや北にある)。
 急斜面を下り大沢海岸に出る。大沢集落から海岸(防潮堤方向)に通じる車道に突き当たるので左折する。この場所に遊歩道の地図入り案内板がある。道標に従って今度は右折し坂道を上る。数件の民家の前を通過後、車道から竹林の中の細道に入りその後スギの伐採跡地を上っていく。峠を越えると小沢沿いの道に代わり木橋で何度も右岸左岸を渡り歩く。このあたりはケヤキが多い。道端のカタクリが葉を盛んに伸ばしているが花期には早い。小沢の河口の浜(大沢海岸1.9km,潮吹穴1.4km地点)で昼食休憩とした。日出島が正面に見える。水平線の向こうまで閉伊崎が伸びている。その南側に月山が見える。

【写真3】大沢海岸の遊歩道案内板

 雑木林の斜面を上り下りすると民家の裏庭の縁を通り車道に合流した。そのまま車道を北上すると集落を抜け日出島漁港で行き止まりとなる。引き返し遊歩道の入口を探すと集落の中の丁字路の奥の方に道標があった。道幅が狭いので見落としやすい。民家の間の道を過ぎると雑木林に入る。潮吹穴駐車場方面からの道と合流する。ここから休暇村陸中宮古まで道幅が広く解説付きの案内板もしっかりした造りに変わる。
 突然樹木がなくなり視界が開ける。辺り一面ハマハイビャクシンの植生に変わる。緩やかな斜面を下ると潮吹穴展望台に着いた。潮を吹く穴はどれなのか潮が吹くまでわからない。案内板には潮が吹かない時もあるのでほら吹き穴と呼ばれている等々とあり今日は見ることができないのかと思いながらしばらく待機していると展望台右手の岩穴からうっすらと蒸気のような潮が上がり風に流されてゆく。一帯は常時潮をかぶるので樹木が育たずハマハイビャクシンが優勢になっていると思われる。

【写真4】潮吹穴と日出島、後方は月山

 この先休暇村陸中宮古まで樹林帯の中の道となる。随所に解説付きの案内板があり以下の内容が記載されていた。

・この付近の樹木はアカマツ・ミズナラ混交林だが次第にアカマツからミズナラに遷移しているとのこと。
・草花はハマギク、コハマギク、スカシユリ。休暇村付近にはニッコウキスゲ、ハナイカダ。
・野鳥はヤマガラ、シジュウカラ、カケス、アオゲラ。

 シジュウカラのさえずりの中を進んでいくとはまなす展望台への分岐があったので展望台に寄ってみた。つづら折りの道を下ると海岸線の岩場に東屋とベンチがある。ちょうど遊覧船が通過した。南面に見える断崖が見所と思う。分岐まで引き返し少し進むと休暇村陸中宮古の周囲に設置されている遊歩道に合流する。合流点から休暇村の建物が見える(距離100m)。

【写真5】はまなす展望台から南面の展望

 道標に従い姉ヶ崎に向かう。姉ヶ崎の突端の島にウミネコの大群が見える。案内板によれば繁殖地が従来の佐賀部(田老)からこちらに移ってきているとのこと。またチョウゲンボウ、ハヤブサが観察できるそうだ。

【写真6】姉ヶ崎

 遊歩道はサン・スポーツランド(屋内プール)東で車道に突き当たりここに遊歩道の地図入り案内板が立つ。ここが終点のようだ。スポーツランドに出入りする親子連れで歩道が混雑するほどだった。休暇村敷地内の芝生や緑地の中を横断。梅が咲いている。ビジターセンターは冬季閉鎖中(12〜4月)だった。休暇村陸中宮古前で宮古駅行きのバスを待つ。団体客と一緒に乗車。宮古駅から列車で帰路に着いた。

<完>

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