陸中海岸自然遊歩道

北山崎・黒崎海岸を望むみち(北編)

| HOME | 目次 |

コース概要

普代村の黒崎漁港から黒崎灯台を経由し北山崎までを散策するコースです。
黒崎漁港→0.7km→ネダリ浜→1.2km→くろさき荘→10.2km→北山崎→3.5km→北山浜→1.7km→机浜→1.3km→弁天駐車場→2.3km→明戸キャンプ場(延長20.9km)

交通アクセス

 起点の黒崎漁港は三陸鉄道普代駅から普代村営バス北山崎行きに乗車,黒崎前浜で下車。終点の明戸キャンプ場は三陸鉄道田野畑駅から田野畑村民バス北山崎行きに乗車、(調査中)で下車。

調査日

2009年7月12日
 708 三陸鉄道久慈
 744 三陸鉄道普代
 806 普代浜
 844 黒崎漁港
 859 ネダリ浜
 920 北緯40度シンボル塔
 925〜940 黒崎灯台〜遊歩道入口
1145〜1200 北山崎まで3.0km地点(休憩)
1250 第3展望台
1255 第1展望台
1302 第2展望台
1313〜1323 北山崎バス停
1339〜1354 三陸鉄道田野畑
1438〜1450 宮古駅前→106急行バスに乗換
1700 JR盛岡
1924 JR水沢

コースを歩いて

 コース概要に示したように本コースは北山崎を中心として海岸沿いに南北に続いています。今回は北側の黒崎〜北山崎間を歩いてみました。
 久慈から三陸鉄道に乗車した。野田で高校生が数人下車した後、乗客は小生だけになる。普代で下車。駅舎自体は観光協会などの施設を併設していて規模は大きいが朝のこの時間は人気は全くなくひっそりとしている。駅前に客待ちのタクシーも見当たらない。線路に並行する車道を北に進む。国道パイパス(と思われる)建設中の高架の下を通る。その後、普代川右岸を進む。右手の草むらの斜面にキツリフネが咲く。普代川の河口に出るが砂浜(海水浴場)は対岸にあるので立ち寄ることはできなかった。
 大田名部漁港を通過する。漁港東端のトンネルを抜けるといきなり海岸線に出た。この辺りの海岸線はリアス式特有の鋸刃状ではなく東西に一直線のため広大な海を望むことができる。歩道は海沿いに設置されているので景色を楽しみながら進む。次のトンネルを抜けると左手眼下に黒崎漁港が見える。漁港に分岐する道(車道もあるが階段で下る歩道もある)に入る。遊歩道の起点が黒崎漁港なので目印となる道標を探しながら進んでいく。車道を挟んで南側が小型漁船が停泊している港、北側は山肌の崖であるが崖側に遊歩道の地図入り案内板が立っていた。

【写真1】黒崎漁港と遊歩道案内図

 車道を東に進んでいくと遊歩道入口があるが黒崎漁港〜ネダリ浜の区間は落石等のため通行できないとの掲示があった。ネダリ浜まで0.7kmという距離を考え通行止め箇所まで行ってみて駄目だったら引き返すことに決め遊歩道に入る。遊歩道案内板によれば黒崎漁港〜ネダリ浜の区間が唯一海岸沿いを通るとのことなのでその一部を見学したいと思った。

【写真2】海岸線を通る遊歩道

 遊歩道は海岸沿いの岩礁にコンクリートの橋桁を渡した構造である。断崖直下を通るため落石対策の金網が崖全体に張られている。遊歩道設置から約10年を経過し橋桁や金網に損傷が見られ足下が不安定な箇所がある。突然の地震が発生したらかなり危険なので通行禁止はやむを得ないだろう。黒崎漁港〜ネダリ浜の区間の中間付近は海面すぐ近くまで遊歩道が迫り近くの岩礁に飛び移ることも可能だ。その先の小島はウミネコの住みかで鳴き声が騒々しい。手堀のトンネルを抜け雑草で覆われた遊歩道を下るとネダリ浜に出た。船着き場で家族連れが釣りを楽しんでいる。この浜に漁船は一隻もない。

【写真3】ネダリ浜(写真左下にトンネル)

 ネダリ浜から南に続く車道を上っていくとすぐに遊歩道の分岐があるので階段を上る。この階段はくろさき荘近くまで続き全部で1000段位はあるだろう。所々にベンチの休憩場所がある。ここは最も体力的にきついところで周りの景色を眺める余裕はなかった。道端に咲くセンジュガンピを励みにして上る。
 くろさき荘まで0.4km地点で階段が終わり芝生の広場に出る。中央に展望台がある。その先ミズナラ、アカマツの中、平坦な道を抜けるとキャンプ場の駐車場に出た。駐車場の向こう側にくろさき荘がある。周辺の案内図を確認し、まず北緯40度のシンボル塔に向かう。沿道に咲くハマナス、オカトラノオを過ぎるとシンボル塔に着く。真正面に立つと塔に吊り下がっている地球儀が回転した。

【写真4】北緯40度のシンボル塔

 シンボル塔からまっすぐ進むと砲台がありその右脇の階段を下ると黒崎灯台に到達する。南面の海岸線の展望がよい。これからその海岸沿いを進むことになると思うと期待が高まる。

【写真5】黒崎灯台から南面の眺め

 くろさき荘前の駐車場の南西角(車道沿い)にトイレがある(トイレは現在使用禁止)。トイレの裏側に北山崎への遊歩道入口があり熊に注意の看板が立つ。この入口はなかなか見つけられずしばらく周囲をうろうろした。道は北山崎まで林間を通る。くろさき荘から1時間ほどは林間の中で展望は無い。ハクウンボク、クロモジ、ヤマボウシ、アカマツ、ミズナラ、ウリハダカエデ、ハウチワカエデ、ムラサキシキブ、コマユミ、アオダモ、アオハダ、バイカツツジ、ウラジロノキ、クリ、ナツハゼ、スギ、シラカバ、ケヤキ、サンショウ、コゴメウツギ、ホツツジ、モミジガサ、ホタルブクロ、フタリシズカなど。

【写真6】遊歩道案内図(くろさき荘から1.5km地点)

 道は良く整備されている。アップダウンはほとんどなく歩きやすい。沢を木橋で何度も横断する。

【写真7】小沢を渡る(北山崎まで5.5km地点)

 くろさき荘から2.7km地点で道幅が広くなり車両も通行できる作業道(未舗装)になる。この先は道標に従って作業道の右左折を繰り返しながら進む。くろさき荘2.9km、北山崎7.3km地点で展望所に分岐する道がある。分岐から0.1km進むとベンチがあり林間越しに海を望むことができる(1030到着)。同様に、くろさき荘3.5km、北山崎6.7km地点にも展望所に分岐する道がある(展望所に1040到着)。どちらの展望所も林間越しの限られた展望しかないが涼しい風が吹き休憩には良いところだ。ここまで林間の薄暗いコースだったが展望所分岐付近から伐採跡地や畑の脇を通るので明るいのどかなコースとなる。

【写真8】伐採跡地を通る

 くろさき荘6.3km、北山崎3.9km地点に小沢にかかる橋がある。この橋は普代村と田野畑村の村界である(1128着)。ここから道幅が狭くなり100m程進むと丁字路があり荒れた作業道に突き当たる。道標は見当たらないので勘に頼って左折した。緩い坂道を上っていくと作業道から細道に変わる。ヤマハンノキの林の中を通る。道標もあった。下草が茂っているが歩行には支障無い。北山崎まで3.0km地点の橋の近くで休憩(1145〜1200)。地図上ではこの先厳しい上り下りとなりそうだ。それでも今日のペースならあと1時間で北山崎に着くだろう、など、今後の行程を再確認する。
 休憩後出発する。間もなく一直線の下りとなりその後、沢沿いに下る薄暗い道となる。路上にマタタビの花びらが落ちている。ミヤマイラクサが多い。次第に沢の水量が増え峡谷状になる。途中に堰堤がありその少し下流で沢から離れ明るい林道に出た。今度は上り坂となる。センジュガンピ、モミジイチゴ、ヨツバヒヨドリ、ハナニガナ、ウツボグサ、エゾタツナミソウ、樹木はノリウツギ、アカマツである。あと残り1km程で北山崎と道標に記されているが一向に海岸に出る雰囲気はない。
 北山崎まで0.8km地点(通過時刻1240)で林道と分かれ左手の階段を下る。道は細い。鞍部まで下った後再び上る。そのまま上っていくと北山崎の第3展望台入口に出た。そこでまず第3展望台に寄ることにした。ウッドチップが敷き詰められた遊歩道を進むと5分弱で第3展望台に着く。第1展望台のある岬(いわゆる北山崎)の北面が見える。アカマツで覆われている。やや海岸線から離れているので断崖は見えない。
 一旦引き返しビジターセンター前を通過し左折。第1展望台を目指す。ここまで来ると観光客が多い。人々の後を付いていくと第1展望台に着いた。南面の展望がよく洞門のある岩が見える。しかしこの場所もやや海岸線から離れているので断崖は手前のアカマツ林の影になり迫力のある海岸風景は見えない。
 最後に第2展望台に向かう。第1展望台の左脇から第2展望台まで遊歩道が続いている。階段をどんどん下った後、岬の尾根に沿った平坦な道になる。途中、陸中海岸自然遊歩道の明戸方面に下る階段があるが通行止めの表示があり入口にはロープが張られている。この通行止めについては岩手県のホームページに記載があり事前に知っていたので、元々明戸方面に下る予定は無かった。しかし文献※1記載の海蝕洞穴を通るコースは恐らく通行止めの区間なのだろう。訪れることができないのは残念に思う。第2展望台で遊歩道は行き止まりとなる。小生一人しかいない。ここから南面の景色は観光パンフレットでおなじみの海岸風景であった。手前に見えるまがくき島の頂上がミサゴの営巣地と案内板にある。

【写真9】北山崎第2展望台より南面の展望

 帰りのバスの時刻が迫っているので早足で引き返す。観光客向けの数件の土産物屋の前を通過する。時間に余裕があれば売店や食堂でゆっくりしたいところだが初めて来た土地なのでまずバス停の場所を探さなければならない。駐車場に着くと隅にマイクロバスが待機していた。どうやらこれが田野畑村民バスらしい。乗務員はシートを倒して昼寝中。車内にNHKラジオが流れている。乗務員に一声かけて乗車した。
 バスの車窓から遊歩道の道標を数カ所見かけた。北山崎から南のコースは未踏なので次回訪問時の参考にしたい。終点の田野畑駅前で下車する。乗客は小生のみ。列車の時刻まで少し余裕があったので駅舎内の売店で田野畑アイスクリームを買い、駅のホームのベンチに座っていただいた。至福の一時である。食べ終わった頃、宮古行きの列車がやってきた。

<完>

参考文献
※1「たのはたホッとナビ」岩手県田野畑村の観光パンフレット(三陸鉄道島越駅で入手)

| HOME | 目次 |

inserted by FC2 system