東北自然歩道 新・奥の細道

奥の嵐山のみち

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● はじめに

 紅葉が京都の嵐山に似ていると言われる奥の嵐山から林道を経由し岩手町沼宮内に至るコースです。

● 調査日

2006年10月28日

● コース概略図

川原新田→1.3km→子抱山→0.9km→新末代橋→3.2km→林道葉木沢線→2.0km→大久保→1.5km→稲荷神社

● 交通アクセス

 起点の川原新田はJR盛岡駅前バスターミナル2番から岩手県北バス沼宮内行に乗車、川原新田バス停下車。終点の稲荷神社はいわて沼宮内駅前から沼宮内営業所行に乗車、城山通バス停下車。または盛岡駅前からJRバス久慈行に乗車し同バス停で下車。

● コースを歩いて

 本コースを訪れる前に1:25,000地形図でコースを調べました。しかし地図上では子抱山しか発見できずその他は全く見当が付きません。そこで当日は先ず子抱山を目指すことにしました。
 いわて銀河鉄道岩手川口駅で下車。昔日の街道の雰囲気を残す静かな街並みを通り抜けると国道4号線に合流します。やがて前方(北の方向)に子抱山が見えてきます。丹藤川を過ぎると北上川が国道と並行して流れています。この付近の北上川は川幅が5m弱しかなく地図がなければ用水路と勘違いしそうです。国道は間もなくこの北上川を橋で越えますが意識していないと気が付かないかも知れません。
 北上川の橋を過ぎると川原新田バス停があります。付近にはパチンコ店UNIONとドライブインがあります。川原新田という地名は本コースの起点と同一なので近くに自然歩道の道標があるはずです。地形図ではパチンコ店前の道を左折(西に進む)し子抱集落に入り途中から子抱山に登る細道が記されているのでまずそちらに寄ってみました。ところが道標は見つからず、山頂に続く林道らしき道にも2,3カ所入ってみましたが民家で行き止まりです。再び川原新田バス停に戻り道標探しをやり直しです。パチンコ店前から国道を北に進むと左側はコンクリートで固められた崖が続きます。この崖が終わると左手に分岐する細道がありますがその細道の入口に自然歩道のコース案内板が立っていました。

新奥の細道
東北自然歩道 奥の嵐山のみち
 このコースは、岩手町川原新田から岩手町沼宮内稲荷神社に至る全長8.9kmの自然歩道です。起点から北上川沿いに進むと通称「奥の嵐山」を通ります。ここは、秋の紅葉が京都の嵐山に似ているところから「奥の嵐山」と呼ばれ遊歩道、展望台が整備され町内を一望できます。東北本線を渡り東に進み間もなくすると針葉樹林が続き森林浴が堪能できます。秋にはキノコとの出合いも?
 車道を過ぎしばらく進むと沼宮内代官所や沼宮内城趾等の史跡があります。約2.5時間の散策をお楽しみ下さい。


【写真1】起点にある自然歩道のコース案内板

 畑の中の道を進みます。道端に石仏あり。途中から奥の嵐山の遊歩道となり気が付くと遊歩道の右側直下に北上川が流れています。北上川の川面に紅葉した木々が覆い被さりこれが奥の嵐山と呼ばれる所以かなと実感しました。


【写真2】奥の嵐山と北上川

 奥の嵐山の遊歩道は北上川に沿って続きますが東北自然歩道は途中から左手に入り子抱山山頂を目指します。いきなり背丈ほどの藪の中に入り踏み跡も乏しく先行き不安になりましたが斜面を上り標高を増すにつれて快適なコースになりました。


【写真3】子抱山遊歩道

 三角点がある子抱山山頂は周囲を雑木で囲まれ展望はありませんでした。山頂を通過し0.3km進むと展望台と新末代橋の分岐点を示す道標があります。分岐点から展望台は直進0.3km、新末代橋は右手斜面を下り0.6kmです。展望台に立ち寄り昼食休憩しました。展望台は新しいコンクリート製で町内放送用の大きなスピーカーが設置されています。ここから岩手町の中心街を一望に見渡すことができます。


【写真4】子抱山展望台からいわて沼宮内駅

 分岐点まで戻り山を下ります。麓の北上川沿いの遊歩道に出た地点に子抱山遊歩道の案内板がありました。


【写真5】子抱山遊歩道案内板

 しばらく北上川沿いの遊歩道を進みます。途中湧き水あり。高橋建設の作業場の中を通り抜けると国道4号線に出ます。新末代橋は北上川に架かる国道4号線の橋です。


【写真6】新末代橋

 新末代橋を渡った後国道4号線を横断し住宅地の細道を通ります。その後道幅の広い道路に出て右折、スーパーJOISの駐車場前でいわて銀河鉄道の踏切を渡ります。この付近は道標を見失うと迷いやすいと思います。
 乙茂内沢沿いの車道を進みます。最初は水田が広がっていますが、途中から未舗装の細道となり沢の流れも次第に細く小さくなります。


【写真7】未舗装の細道に入る

 林道葉木沢線に合流。道幅が広くなり歩きやすくなります。自然歩道のコース案内板に記載されていたとおり針葉樹(カラマツ)が続きます。


【写真8】林道葉木沢線

 林道歩きは距離が長くしばらく単調ですが静かで車も通らないのでのんびりと歩きました。突然前方の視界が開け水田や牧草地が広がります。ここから大久保集落に入ります。


【写真9】林道出口・大久保集落

 江刈内沢に沿って開けた土地に水田が広がります。野口町(地形図では野口町、住宅地図では江刈内第12地割)で道標に従い右折(北に向かう)します。


【写真10】野口町・ここで右折

 終点の稲荷神社まで1.3kmとなりもう少しでゴールと思っていましたがここで上り坂となりペースダウンです。最後の一踏ん張りが必要です。ピーク地点を越え下り坂となり岩手町の中心地沼宮内の住宅地に入ります。


【写真11】峠を越え住宅地に入る

 この辺りは狭い谷に住宅が密集しています。沼宮内小学校前を通り橋を渡ると右手に赤鳥居があります。ここが終点の稲荷神社です。稲荷神社の敷地は広く近くの葬祭センターなどの駐車場に使用している方がいました。

稲荷神社由来
 享禄元年俵藤太秀郷六族の一人河村治部春秀、白掛の假城(東北本線元川原木踏切東南寄りの山腹)から氏神稲荷大神を奉じ北上川沿下、城山に居城を築き、この山下に稲荷神社を祀り併せて沼宮内一帯を開拓した由である。

岩手町秋祭り
 沼宮内稲荷神社例大祭はその年の豊作を祝って行われるお祭りです。人形や造花等で飾った山車が5〜6台、町内を練り歩きます。10月第1金・土・日開催。(岩手町パンフレットより)


【写真12】稲荷神社

 自然歩道のコース案内板は神社境内ではなく神社から少し離れた城山新町地区青年婦人会館前にありました。城山通バス停もこの近くにあります。


【写真13】終点にある自然歩道のコース案内板

 終点に到達したものの自然歩道のコース案内板に記されている沼宮内代官所や沼宮内城趾等の史跡はまだ見かけていません。稲荷神社前の自然歩道の道標に城山1.3kmと記されているのでそちらの方にあるようです。道標に従いバス通りを東に進むと公園入口バス停(保育園の前)がありここが城山公園の入口のようです。しばらく公園を探すため何度も同じ道を行ったり来たりを繰り返しました。結局、保育園の前で北に向かう道に入り国道281号を横断し坂道を上ったところに城山公園(沼宮内城跡)がありました。尚、稲荷神社の北向かい側にある招福寺の裏から沼宮内城跡に至る小道があり帰路はこちらを通りました。

沼宮内城跡由来
 沼宮内民部常利の城と伝えられる。文治5年(1189)源頼朝が奥州平泉の藤原氏征討の時戦功のあった相模国河村氏の一族とされている。


【写真14】沼宮内民部之城跡

 城山公園は遊歩道、東屋、ベンチがあり展望も良いところです。一番小高いところに城跡の石碑が立っていす。東屋の隣に立つイチョウの黄葉が印象的でした。

<完>

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