東北自然歩道 新・奥の細道

ふるさとを望むみち

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【写真0】道標

● はじめに

岩手県内の東北自然歩道のうち最南端のコースです。宮城県境付近から花泉町の中心部まで,山間から河川敷,芭蕉の歩いた街道など変化に富んだコースです。

● 調査日

2006年4月22日

● コース概略図

(起点)バス停地蔵車→2.5km→川の口橋→3.4km→田野沢山展望台→2.5km→六角堂→3km→紫館公園→1.1km→バス停下原(終点)

● 交通アクセス

起点の地蔵車にはJR東北線一ノ関駅または花泉駅から岩手県交通バス九千沢行きに乗車し地蔵車で下車。終点の下原はJR東北線花泉駅から徒歩10分。

● コースを歩いて

本コースの起点は花泉町の地蔵車というところです。この場所は国道342号沿いで宮城県境はすぐ近くにあります。地蔵車のバス停から国道を一関方面に向かって50mほど進むと交差点があり北東の角に自然歩道の起点を示す道標があります。ここで右折(北に向かう)すると道路左側に自然歩道の地図入り案内板が立っています。

地蔵車バス停時刻 土日 一関行き730,857,1050,1250,1550,1650

新奥の細道
東北自然歩道ふるさとを望むみち
 このコースは,花泉町永井から田野沢山を経由し花泉町涌津(わくつ)に至る全長12.5kmの自然歩道です。途中の田野沢山では,町内全域を見渡すことができ,晴れた日には宮城県の野鳥の楽園伊豆沼そして遠くは,北上川の河口太平洋をも展望することができます。
 林道を下り,田園地帯を横切り金流川(きんりゅうがわ)の堤防に出て,遠く須川岳を望みながら,松尾芭蕉の歩いた道,涌津街道を通り,桜の名所紫館公園に登ると,区画整理された田園風景と花泉の街道を眼下に望むことができます。約4時間の散策コースです。


【写真1】起点の道標

起点から高原状の牧草地が続き気持ちがいい風景です。浄水場の入口から一気に坂を下ると水田地帯に入ります。道の脇に石柱の道標を二つ発見しました。刻まれた文字を見ると昭和5〜6年に立てられた物でした。途中自然歩道は車道から離れ近道を通りますが再び車道に合流します。間もなく川ノ口橋(昭和53.12竣工)です。川ノ口橋は橋の名の通り金流川の最下流の橋でこの場所で北上川に合流します。過去に何度も水害に遭った所のようでその当時の水位を示す標識が立っています。


【写真2】北上川(左)金流川(右)合流点

しばらく金流川の左岸を進みます。金流鉄筋という会社敷地脇から右手斜面に登る細道に入ります(六角堂3.7km,川ノ口橋0.6km,田野沢山2.8km地点)。完全な山道であまり整備がされていないようで笹藪をかき分けながら進む箇所がありました。うっそうとした薄暗いみちでしだいに心細くなってきます。やっと林道に出ました。松の植林地(老松造林区,老松は地名)で見晴らしも良く歩きやすくなります。


【写真3】造林地帯

田野沢山展望台へはコース途中で脇道に入ります。斜面が自然の山ではなくパワーショベルで築いた感じの山でしたが山頂に立つ案内板によれば,ふもとの採石場の土砂で人工的に作った山とのことです。その採石場は西面の眼下にあります。周囲は植採がされており,ちょうど白梅が見頃でした。

田野沢山

 ここは,花泉町内で一番高い田野沢山です。通常,舞石山(もいしやま)という名称で町民に親しまれています。採石場の表層の土を切り上げた人工の山で今でも年々大きくなっています。町内全域を見渡すことができ,また晴れた日には野鳥の楽園として知られる伊豆沼,長沼,そして遠くは北上川河口,太平洋をも展望できます。


【写真4】田野沢山頂上

再び林道に戻ります。下りの道となり神社の裏手を抜け麓に出ます。道標に従って進むと六角堂に到着します。小さな御堂で外見が六角という訳でもありませんので六角堂の所以は不明です。御堂の中に如意輪観世音が祀られているようです。


【写真5】六角堂

水田を横断し金流川左岸の堤防上を進みます。土手のツクシ,川のせせらぎ,遠くに残雪の須川岳と自然歩道らしいいい雰囲気です。雄明橋(昭和42.12竣工)を渡ると小公園(花泉クリーンパーク)がありトイレ休憩ができます。(紫館公園1.5km,六角堂1.5km地点)


【写真6】雄明橋

涌津集落に入ります。国道342号沿いに住宅や商店が建ち並んでいます。松尾芭蕉が通った街道らしく土蔵など古い建物があって旅情を誘います。車の交通量が多いので注意して進みます。郵便局のある交差点を直進(国道は右折)すると紫館公園に着きます。この辺りは鎌倉時代の豪族の館跡とのことです。公園入口に自然歩道の地図入り案内板があります。桜の名所ですが今年の開花は遅くまだつぼみの状態でした。


【写真7】紫館公園

紫館公園から自然歩道終点に向かって進むと,途中,神社の参道入口に奥の細道の石碑がありました。この道を芭蕉が歩いたことを記すために立てられたようです。
東北線の陸橋上で右折,陸橋下の交差点南角に終点の道標が立っています。ここから花泉駅まで約10分です。


【写真8】奥の細道の碑

<完>

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