東北自然歩道 新・奥の細道

りんごと山桜のみち

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【写真0】飯岡山麓のリンゴ園

● はじめに

 盛岡市の西側山麓にあるリンゴ園を通るコースです。

● 調査日

2006年7月23日,2007年5月1日

● コース概略図

(起点)つどいの森→5.1km→

秋葉神社

→0.4km→高舘古墳→0.6km→つづ屋敷(終点)

↑0.9km↓

飯岡山

● 交通アクセス

 起点のつどいの森はJR東北線岩手飯岡駅から岩手県交通バス湯沢団地行に乗車し県営住宅前で下車、徒歩30分。温泉入浴する場合は岩手飯岡駅から赤湯温泉行の無料送迎バスも利用可。終点のつづ屋敷はJR盛岡駅から岩手県交通バス羽場経由矢巾営業所行に乗車しつづ屋敷で下車。

● コースを歩いて

 岩手飯岡駅で下車。駅から東に続く通りを100m程進んだ交差点付近にバス停があります。交差点の北側が飯岡駅前、南側が飯岡駅口バス停ですが湯沢団地行は飯岡駅前バス停が発着となります。バスは都南地区の中心市街地を一周し盛岡南インター経由で湯沢団地に向かいます。起点のつどいの森の最寄りのバス停は湯沢県営住宅前ですが一つ乗り越し公園前で下車しました。団地内を通り抜けるとつどいの森入口です。


【写真1】つどいの森入口

 坂道を上っていきます。ちょうど学校の夏休みが始まり送迎の車両が頻繁に往来しています。緑地公園・民族資料館・サイクリングターミナルなどの施設が続きます。起点の案内板はバンガロー前の駐車場内にありました。バンガローに宿泊する子供や父兄でにぎわっていました。サイクリングターミナルでは入浴400円と記されていました。


【写真2】起点: つどいの森バンガロー前

新奥の細道
東北自然歩道 りんごと山桜のみち
 このコースは,起点都南つどいの森から飯岡山を経て終点つづ屋敷(バス停)に至る全長7.9kmの自然歩道です。
 起点から飯岡山南側山麓までは一面のりんご畑と山桜が楽しめます。飯岡山頂上(山麓から往復1時間)から盛岡の市街地が一望でき,岩手山,姫神山や早池峰の眺望にも恵まれています。千手観音堂や高舘古墳はいにしえのロマンが漂い,往時の面影を偲ばせます。約3時間の散策コースです。

 一旦、つどいの森入口まで引き返し車道を北に向かって歩き始めます。歩道が無く大型車両が多いので安全には非常に神経を使います。しばらく進むと左手に赤湯温泉が見えてきます。


【写真3】赤湯温泉

 車道を1kmほど進んだ所で道標に従い左折、西側の山麓沿いの未舗装道に入ります。未舗装道を抜けると盛岡東京電波(株)などがある工業団地になります。団地内の道をそのまま北進したところ川で行き止まり。少し引き返し東に進んだところ自然歩道の道標を発見しました。この辺りは迷いやすい所です。飯岡山が次第に迫ってきます。沿道にはリンゴ園が拡がっています。


【写真4】飯岡山

 途中、石割桜0.3kmと道標に記されてあったので立ち寄ってみようと思いましたが道の整備中で悪路のため断念しました。次回は桜の季節に訪れてみたい。その後、墓地前を通過し千手観音堂手前で飯岡山の登山コースに入ります。最初は送電線巡視路をたどり中腹にアップダウンがありますがその後は整備された森林(アカマツが多い)となり気持ちよく歩くことができます。山頂付近は大岩が点在します。山頂には赤ペンキ鉄骨の展望台が立っています。この日は小雨混じりの天気で展望は悪かったのですがふもとの集落を見渡すことができました。尚、登山道は別のコースもあるようです。


【写真5】飯岡山登山道

 下山後、当国九番札所飯岡観音に参拝しました。


【写真6】千手観音

千手観音
 現観音堂の千手観音は,上飯岡萬福谷地区にあった萬福院(庵院)のもので,延層年中(西暦803)のものと伝えられています。伝説によりますと,征夷大将軍坂上田村麻呂がエゾ征伐で当地に長陣をとった時,兵糧に困り田村将軍念持の観音様を一心に祈り,木の実や青菜を炊いて兵糧に充て飢えを逃れ遂にエゾを平定したとのことです。この勝利こそ厚い観世音菩薩の加護と功徳に他ならないとこの地にまつったものと伝えられています。

 北側に隣接する秋葉神社にも寄りました。境内に盛岡市保存樹木(スギ350年,モミ150年)があります。


【写真7】秋葉神社

 秋葉神社を発ち用水路を渡って少し進むと自然歩道のコース案内板がありました。水田地帯を通過し高速道路沿いの道になりますが、この付近にあるはずの高館古墳が見当たりません。何かしら手がかりになる目印がないか探し歩くことにしました。結局、自然歩道のコース案内板から北400m先の集落内に高館古墳の標柱を発見しました。この標柱には「道路方向七00米」と記されているのみで古墳の年代や出土品などの説明書きはありません。見落としたのかも知れません。


【写真8】高館古墳標柱

 高速道路の下を通ると間もなくつづ屋敷バス停です。近くに終点の道標も立っています。


【写真9】終点:つづ屋敷バス停

 バス時刻に間があるので、飯岡十字路〜サッカー日本代表小笠原選手の母校前など寄り道しながら帰路につきました。

2007年5月1日

 高館古墳周辺を再取材しました。先回の取材では高館古墳の所在地を見つけることができなかったのが心残りでした。気にしていると情報が入ってくるようで盛岡市遺跡の学び館の企画展「黄泉の国への入口〜古代蝦夷首長の墓〜」で高館遺跡のパネル展示がされているとの新聞記事を目にしました。2007年1月13日、遺跡の学び館に見学に行き高館古墳の情報を得ることができました。
 この日は近くの志波城跡を見学後、高館古墳に向かいました。自然歩道のコース案内板のすぐ後に高館古墳の標柱が立っていました。また、少し離れたところから見ると丘の上にも標柱があります。先回気づかなかったのはこれらの標柱が草木に隠れていたからだと思います。付近のヤマザクラはまだつぼみでした。
 丘の上に上るには自然歩道のコース案内板から秋葉神社方面に少し戻り用水路沿いにある小道に入ります。丘の上は私有地の畑ですが一本のアカマツが古墳の目印となります。

高館古墳
 飯岡山東麓に張り出した丘陵の先端に位置する。現在1基のみ墳丘が残存するが昔は6基ほどあったという。昭和8年に調査されたものは直径3.65m高さ1.5mの墳丘から須恵器、土師器、蕨手刀2振(全長約60cm,約55cm)、水晶の切子玉、鉄製馬轡が出土したという。また現存する1基については、昭和42年に調査されており、長さ2m幅60cmほどの河原石と山石を小口積みして作られた石室に天井石が残存していたという。


【写真10】高館古墳

 「つづ屋敷」バス停の名称が「辻屋敷」に変更されていました。

<完>

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