東北自然歩道 新奥の細道

古刹をめぐるみち <正法寺>

● 兵士沢から正法寺へ


▲ 正法寺集落

兵士沢から正法寺に行くには一山越えなければならない。道は山中のハイキングコースであり人が通れる道幅しかない。兵士沢にある上り口の道標には正法寺まで1.2kmとある。上ってゆくとすぐに工事現場がありパワーショベルが道を遮っていた。左側の山の斜面が削られており道はその下に埋まっている。ちょうど昼休みが終わり作業開始の時だったので難なく通してもらうことができた。ジグザグに山を登っていく。上りきったところに無線中継設備のような建物が建っている。展望はないが広々とした空間があるのでちょっとした休憩ができる。


▲ 正法寺まで1.2km

ここから一気に下りとなる。薄暗い森の中の道である。車道に出る。道標が無いので正法寺から兵士沢へ逆コースを歩くときは道に迷うと思う。車道に出たら左折する。車道はすぐに右に大きなカーブをしている。そのまま道なりに行けば国道343号に合流するが本コースは車道が右にカーブした所のすぐ左手にある住宅の手前の畑の中を横断する。進んでいくと国道343号線の高架橋の下に出る。この高架橋の下を正法寺へ通じる旧道が通っている。ここに本コースの終点を示す道標がある。


▲ 終点の道標

正法寺集落の中を通り正法寺に向かう。正法寺は現在,総門などの修繕工事中のため境内に工事事務所などが建っており本堂の大茅葺き屋根を十分堪能できないのは残念である。工事は数十年もかかる大工事とのことである。境内にはいるときは拝観料が必要である。ただし今年(1998年)の正月に家族で行ったときは正月ということで無料で中に入り参拝することができた。またこの時は収蔵庫内も拝観させていただき貴重な品々を見ることができた。尚,正法寺前には土産物と食堂を備えた観光施設がある。


▲ 正法寺集落
 

−−−正法寺−−−
大梅拈花山円通正法寺(曹洞宗)は「奥の正法寺」と呼ばれ,水沢駅から東南約12kmの黒石町字正法寺にあり,貞和四年(一三四八〜正平三年)四月五日無底良韶和尚の開基と伝えられる。ここはもともと聖地で,黒石寺の奥の院のあったところといわれる。日本曹洞宗第三の本山で,曹洞宗の三本山というと越前の永平寺,能登の総持寺(現在は神奈川県鶴見にあり)と陸奥の正法寺をさすのである。
(観光水沢 一九七三年三月三一日 発行 水沢市・水沢市観光協会より)


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