東北自然歩道 新・奥の細道

渓流と遊ぶみち

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● はじめに

 葛丸川の渓流とダム湖から林道を経由し新山神社に至るコースです。

● 調査日

2006年10月22日

● コース概略図

起点→0.3km→一の滝→0.3km→たろし滝→3.9km→葛丸ダム→7.4km→新山神社

● 交通アクセス

 起点の葛丸川方面はJR石鳥谷駅前から市営バスの便がある(平日のみ)。休日は石鳥谷駅から徒歩約1時間30分。終点の新山神社はJR日詰駅前から岩手県交通バス永井経由盛岡行または見前経由盛岡行に乗車し志和町で下車、徒歩約1時間。

● コースを歩いて

 予定では日詰駅前の岩手県交通バス営業所から志和町方面行バスに乗車し、まず新山神社に向かうつもりでした。定刻に来たバスに乗車したのですがバスは国道4号線を北上し紫波町の中心街の日詰を通ります。どうやらバスを乗り間違えたようです。同じ時刻に経路が異なる盛岡行の3台のバスが発着していることに気づきませんでした。日詰バス停で下車しJRの紫波中央駅まで歩き仕切り直しすることにしました。日詰の中心街を初めて訪れましたが昔の街道の宿場町の雰囲気が残っています。
 紫波中央駅から石鳥谷駅まで電車で移動。最初の目標地を新山神社から葛丸渓流に変更しました。休日のため石鳥谷駅から葛丸渓流方面にバスの便は無いので徒歩で向かいます。石鳥谷駅南の陸橋を越える道路をひたすら西に進んで行きます。この道は平日市営バスが通っています。また歩道があるので歩きやすい。県道13号交差点に紅葉の葛丸渓流の写真を背景にした案内板が立っていました。交差点を過ぎると葛丸川が道路の南側に並行します。途中、左に分岐する細道に入り山祇神社に参拝。近くの民家の菊が美しい。


【写真1】葛丸川の渓流

 紅葉が始まっていて見学の車両が頻繁に通過します。しかし道幅が狭いので対向車とすれ違うときは徐行が必要です。道端に起点の道標を発見しました。少し進むと駐車場の広場、トイレ、東屋、自然歩道のコース案内板がありました。

新奥の細道
東北自然歩道 渓流と遊ぶみち
 このコースは、起点たろし滝から終点新山神社までの12.5kmの自然歩道です。
 葛丸川の渓流に沿って、一の滝、三鞍山、たろし滝、葛丸ダム等があり、バードウォッチングや森林浴、渓流釣りと四季折々を楽しむことができます。また宮沢賢治ゆかりの地の山々を見ることができます。
 新山高原には牧野、ゴルフ場、つつじの名所の新山園地等があります。また新山展望台からは町内を見渡すことができます。
 新山神社は、平泉藤原氏の祈願として創建されたと伝えられております。約5時間の散策コースです。


【写真2】起点付近のコース案内板と休憩施設

 少し休憩した後、さらに車道を進むと一の滝です。車道から滝に下る小道があります。車道からも滝を見下ろすことができます。


【写真3】一の滝(車道から撮った写真)

 たろし滝付近には案内板と駐車場があります。

たろし滝
 トケシ森から葛丸川に注ぐ沢水が山の中腹で凍りついてできる大氷柱。昔から地元の人たちが氷柱の太さでその年の作柄を占ってきたと言われています。毎年2月中旬に測定が行われます。"たろし"とは"つらら"のことでその形が滝に似ていることから「たろし滝」の呼び名がついたと言われています。

 しかし、駐車場から望めるのは葛丸川の流れだけで滝は見当たりません。小道を下って川岸に出ましたが滝は無く川の向かい側に大きな岩があるだけでした。しばらく周りをうろうろしました。小道の入口に手書きの素朴な地図があり、たろし滝は川を渡り150mとのこと。せっかくここまで来たので靴を脱ぎ素足で徒渉。川底はつるつるして滑りやすいですが直径10cmほどの丸太が川を横断するように置かれていたのでその丸太をつかみながら渉りました。その先は黄色と黒色のナイロンロープがたろし滝まで続いていてそれを頼りに鬱蒼とした森の中を進みます。
 この日は沢水が全く無かったのでたろし滝には高さ約10mの岩壁と小祠があるのみでした。雰囲気は新潟県妙高高原燕温泉の惣滝に似ていて荘厳です。小祠に参拝。この時期訪れる人は少ないだろうから御利益があることを期待することにしました。車で来てここに何があるのだろうと停車・駐車する人がほとんどですが、たろし滝まで訪れる人は滅多にいないようです。。


【写真4】たろし滝

 大きくカーブしながら斜面を上りきると葛丸ダムです。ダムの案内板を読むと葛丸ダムは北にある山王海ダムと親子関係にあるとのこと。葛丸ダムは貯水量が少ないので取水トンネルと導水トンネルで2つのダム間の水をやりとりしながら水量の調整を行っています。
 またこの辺りは宮沢賢治の「楢の木大学士の野宿」のモデルと言われる青ノ木森・塚瀬森・権現森・高狸山・諸倉山があるとのこと。ダムに建っていた賢治碑には以下の歌が刻まれていました。

葛丸
ほしぞらは
しづにめぐるを
わがこころ
あやしきものに
かこまれて立つ


【写真5】葛丸ダム上流

 ダム湖畔の紅葉が美しく小生と同様写真を撮っている方も見かけました。ダム上流の橋を渡った後、展望が良いところに東屋があり昼食休憩。その先は林道で特別な展望もなく長い単調なコースになります。


【写真6】林道

 林道にはいくつかの分岐点がありますが道標があるので迷うことなく進むことができました。林道は途中から未舗装になります。左手に新山ゴルフ場が見えてきて長い林道歩きが終わりとなります。


【写真7】ゴルフ場

 放送局の施設が建ち並ぶ小高い丘に対面するように新山園地があります。現在、花の季節は過ぎ訪れる人はいないようです。トイレ、自然歩道のコース案内板、展望台があります。展望台からは紫波町全体と岩手山・姫神山の眺望がよい。


【写真8】展望台からの眺め

 展望台から少し下ったところに新山神社があります。日中でも薄暗くひっそりとしたたたずまいでした。


【写真9】新山神社

 麓まで、狭くカーブが多い車道を下ります。ゴルフ場帰りの車の通行が多いので避けながらの歩行は快適ではありません。ゆっくりと薄暮の風景写真を撮り歩きながら志和町バス停に到達しました。

<完>

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