東北自然歩道 新・奥の細道

滝観洞のみち

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【写真0】上有住駅ホーム

● はじめに

 滝観洞・白蓮洞の中を通るコースです(コースが鍾乳洞の中を通ります)。

● 調査日

2006年6月18日

● コース概略図

大洞公民館〜滝観洞〜白蓮洞

● 交通アクセス

 JR釜石線上有住駅下車。滝観洞は駅構内(駅直下)にあります。

● コースを歩いて

 花巻から釜石線に乗り換え上有住駅で下車。駅のホームを出て坂道を下り気仙川に架かる橋を渡ります。橋の脇にトイレあり。橋を渡ると丁字路です。起点と思われる大洞公民館はここで右折(気仙川下流)し500mほど先にあります。


【写真1】起点: 大洞公民館

 今来た道を引き返し,気仙川の上流に向かいます。滝観洞の入口手前に自然歩道の地図入り案内板が立っています。


【写真2】自然歩道案内板と入洞受付

新奥の細道
東北自然歩道 滝観洞のみち
 このコースは,JR釜石線上有住駅から滝観洞,白蓮洞に至る全長2.3kmの自然歩道です。
 滝観洞は入口から880m進むと大理石の間から落差29mの「天の岩戸の滝」が流れ落ちており,白蓮洞はリムストーンプール,つらら石,洞穴サンゴカーテンなど,何億年もかけて創造した天然の造形美を鑑賞できます。鍾乳洞の神秘さと小鳥のさえずりを堪能できる約2時間の散策コースです。

 まだ朝9時前で入洞見学の時間には少々早かったので付近を散策してみました。滝観洞前の道をさらに上り詰めると釜石線の踏切とトンネルの入口,その先は日鉄鉱業大洞鉱業所の敷地ですが高い鉄柵で囲まれているため行き止まりでした。元々上有住駅は鉱石の輸送が目的で設置されたのですが今は引き込み線がすべて撤去されその面影はほとんどありません。貨物列車自体も通らないようです。
 受付で料金(滝観洞・白蓮洞両方見学可)を支払いヘルメットと長靴と合羽を借りて滝観洞内に入ります。ちょうど入ろうとした時,見学が終わった方が一人中から出てきました。しかしその後,滝観洞と白蓮洞で2時間弱の間洞窟の中にいましたが誰一人にも会わず貸し切り状態でした。
 気仙川に架かる風恋橋を渡り洞窟に入ります。入口からしばらくの間かなり狭く身を縮めながら進みます。所々に洞内の解説を記したプレートがあります。途中,八つ墓村ロケ現場がありました。八つ墓村は小生が小学生の頃読んだ本なのでなつかしい。

松竹映画 八つ墓村 ロケ現場
1977年5.21〜5.24
原作:横溝正史,監督:野村芳太郎
キャスト:荻原健一,小川真由美,山崎努,山本陽子


【写真3】八つ墓村ロケ現場

 洞内で写真を撮ろうと思いましたが道が狭く水滴が常時落ちてくるのでカメラ片手に歩くのは無理でした。終点の天の岩戸の滝まで880mありますが思ったように進みません。随所に距離表示があるので現在位置を確認しながら歩きます。頭上の岩に何度もヘルメットを衝突させました。
 最後は天の岩戸の滝です。以下,この滝についてパンフレットから抜粋です。

 高さ60m,周囲50mのドームが形づくられていて,天井の大理石の裂け目から落差29mの滝が流れ落ちています。滝の音がドーム全体にゴーゴーと鳴り響き,それは,あたかも古生代からの呼び声でもあるかのようです。

 滝観洞を出た後は白蓮洞に向かいます。受付脇の階段を登ると駐車場がありますがその片隅が白蓮洞の入口です。

自然造形美の白蓮洞
 洞内には大広間と呼ぶ空間がありリムストーンプール,つらら石,洞穴サンゴ,石筍,カーテンなどの”自然の造形美”が展開します。  洞の呼び名は女流歌人柳原白蓮にちなんだもので,歌碑「神代よりかくしおきけん滝つ瀬の世にあらわるるときこそ来つれ」が洞の入口にあります。


【写真4】白蓮洞入口

 人間の年齢にたとえると滝観洞は幼年期,白蓮洞は青年期とのことです。滝観洞は浸食の始まりという事で狭く水の流れも激しかったのに比べ,白蓮洞は広間が続き鍾乳石が成長しています。広間を利用して各種の菩薩像が祀ってあるため,自然探索というより菩薩巡りをしているような感じもします。一番の見所は洗心の池でここにはリムストーンプール(岩の上に襞が彫刻されているような造形),石筍があります。規模は小さいかも知れませんが至近距離で観察できる上に周囲に邪魔する人がいない(シーズンに入ると混雑するかも?)のが気に入りました。


【写真5】洗心の池・リムストーンプール


【写真6】絶景の間

 白蓮洞は出口が反対側にあるので入口の駐車場までしばらく細道を歩きます。洞窟内のため時間がかかりましたが,涼しくて気持ち良い自然歩道でした。

<完>

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