東北自然歩道 新・奥の細道

堤とまきばを通るみち

| HOME | 次へ→ |


【写真0】千貫石堤から焼石連峰

● はじめに

 小生にとって胆江地区では最後に歩いたコースです。千貫石堤周辺は森林公園として整備されています。歩いていると山菜採りの方を多く見かけました。起点・終点共に温泉があるので歩いた後温泉入浴できるのも魅力と思います。

● 調査日

2006年5月21日

● コース概略図

(起点)千貫石→0.8km→おいし観音→2.8km→金ヶ崎牧場跡地→1.8km→バス停萱刈場(終点)
金ヶ崎町−北上市 延長5.4km

● 交通アクセス

 起点の千貫石はJR金ヶ崎駅から田園バス(金ヶ崎町営バス)西根線に乗車,千貫石温泉で下車。ただし土休日は田園バスが運休のため公共交通機関利用の場合は水神温泉バス停から徒歩となる。終点の萱刈場はJR北上駅から岩手県交通瀬美・夏油温泉行きに乗車,水神温泉で下車後徒歩10分。

● コースを歩いて

 (注・小生は終点から起点に向かう逆コースで調査したので,本文も逆コースの案内となっています。)JR北上駅前から夏油温泉行バスに乗車。今年は1日2往復の運行なので朝の便(8:20発)が便利です。水神温泉で下車します。バス停前の交差点を東に向かって進みます。途中,金ヶ崎方面の道が右手に分岐しますがそのまま直進ししばらく進むと起点の萱刈場です。交差点の南東角に自然歩道の地図入り案内板が立っています。自然歩道設立時はこの場所にバス停があったようですが現在は廃止されたようです。

新奥の細道
東北自然歩道 堤とまきばを通るみち
 このコースは,起点千貫石から,おいし観音,千貫石堤をめぐり,金ヶ崎牧場跡地,夏油川を経て,終点萱刈場に至る5.4kmのコースです。  築堤の人柱となったという悲運の乙女を供養するおいし観音像,2千haの美田を潤す水瓶千貫石堤,渓流散策,野鳥観察の森,森林公園,金ヶ崎牧場跡地での小鳥のさえずり等,深遠な森の道約3時間の散策コースです。


【写真1】起点: 萱刈場

 起点の萱刈場交差点から南に向かって進み坂を下ると,右手から金ヶ崎方面に向かう道(県道衣川花巻線)と合流します。夏油川を渡り少し進むと右手に小道が分岐します。自然歩道の道標に従いこの小道に入っていきます。杉の植林地を通り抜けると牧草地が広がります。ここからは残雪の焼石連峰の眺めが美しいです。


【写真2】夏油川

 このまま気持ち良く草原の中を歩くと思っていたら突然薄暗い森の中に入ってしまいました。次第に道は不明瞭になり藪をかき分け倒木を避けながらと難行を強いられます。数年前,ある新聞に本コースのルポが載っていて藪は問題あり,とあったのを思い出しました。その状況は現在でも変わっていなかったということです。左は斜面,右は沢でその間の藪を進むという状況です。次第に沢の水量が減ってきたと思ったらいよいよ行く手は密生した藪で阻まれてしまいました。カエルの声だけが響きます。断念し引き返すと沢を渡る橋がありました。橋と言っても土管の上に盛り土しただけのものです。盛り土にも藪が生い茂り一見では橋には見えませんでした。この橋を渡ると再び踏み跡が明瞭になってきました。出口はもう少しです。


【写真3】藪道の出口

 藪から出たところはちょうど千貫石溜池の西端になっていて池畔にも寄ることができました。ここから先は溜池に沿って進みます。数名の山菜採りに出会いました。千貫石溜池の堰堤から奥羽の山並みの眺めも素晴らしい。一帯はキャンプ場・トイレ・食堂などの施設がありレクリェーションには便利なところです。千貫石神社で道中の安全を祈願し参拝しました。境内にあった岩は人面岩ではないでしょうか。


【写真4】千貫石神社

 堰堤を渡るとすぐ左手からおいし観音像に向かう遊歩道が始まります。階段を上り東屋を通り再度階段を上ると小高い台地に到達します。おいし観音,臥牛像,その他の石碑が立っています。小生が取材中,拝観者が入れ替わり立ち替わり後を絶たない感じでした。

おいし観音像由来
 この像は元禄4年(1891)に完成した千貫石堤の主として牛と共に人柱となったと伝えられる19才の乙女おいしの怨念を哀れんだ地元民が,昭和51年に建立供養したものである。臥牛像を配した眼下には2千haの沃野が開け,湯煙が山里の旅情を慰め西方には千古の緑奥羽連山が凛々として迫る。


【写真5】おいし観音像

 一旦堰堤に引き返し坂道を下ります。再び県道衣川花巻線に出ます。交差点の南側は千貫石温泉です。交差点角に起点の道標と自然歩道の地図入り案内板が立っています。

<完>

| HOME | 次へ→ |

inserted by FC2 system