東北自然歩道 新・奥の細道

南昌山ふもとめぐりのみち

| HOME | 次へ→ |


【写真0】煙山ダムから南昌山

● はじめに

 南昌山ふもとの温泉、自然、歴史を訪ねるコースです。

● 調査日

2006年7月8日

● コース概略図

大白沢橋→2.6km→城内山→3.2km→矢巾温泉→0.4km→ぬさかけの滝→1.5km→林業技術センター

● 交通アクセス

 起点の大白沢橋はJR東北線岩手飯岡駅前から岩手県交通パストラルバーデン行に乗車し終点下車徒歩15分。終点の林業技術センターはパストラルバーデンから徒歩約8分。

● コースを歩いて

(注・小生は終点から起点に向かう逆コースで調査したので,本文も逆コースの案内となっています。)
 岩手飯岡駅で下車。駅から東に続く通りを100m程進んだ交差点付近にバス停がありました。交差点の北側が飯岡駅前、南側が飯岡駅口バス停です。どちらから乗車しても構いませんが待ち時間があったので交差点から南に進み跨線橋を越え一つ先のバス停(永井)まで歩きました。バスはのどかな田園地帯を通った後、流通センター内の主要施設を巡回し南昌山のふもとに向かいます。終点の一つ手前の矢巾温泉で下車。数件の旅館が建ち並ぶ通りをうろうろしながら自然歩道の道標がないか探索します。
 道標は温泉街の中心部には見当たらず、幣懸の滝遊歩道入口と南昌病院方面に戻った地点にありました。終点は林業技術センターであることがわかったので矢巾温泉から東に800mまっすぐ進み終点の道標を発見しました。
 林業技術センターの入口に構内施設の案内地図があります。施設内の樹木園は一般に開放されているとのことです。


【写真1】終点: 林業技術センター入口

新奥の細道
東北自然歩道 南昌山ふもとめぐりのみち
 このコースは,大白沢橋から,昔,この地を治めていた斯波氏の家臣の館があったと言われる城内山,煙山ダム,矢巾温泉を経て,昔マタギが南昌山に入山する際安全と狩猟の成功を祈った幣懸の滝,そして岩手県林業技術センターに至る7.3kmの散策歩道です。途中,城内山からの眺めは絶景で自然と歴史に触れることのできる自然歩道です。

 再び矢巾温泉に戻ります。南昌山・赤林山の登山口の表示があります。温泉街でひときわ目立つ建物はこの民芸雑貨店?の看板ギャラリーです。


【写真2】看板ギャラリー

 温泉を通り過ぎしばらく進むと幣懸の滝遊歩道入口です。滝に向かう道は鬱蒼と茂る木に囲まれ薄暗い。

幣懸(ぬさかけ)の滝
 ここから100mほど行ったところにある幣懸の滝は南昌山東麓の登り口にあります。滝の高さは約7mあり,昔,マタギが入山する時に幣(神に祈る時,神前に供え,またおはらいに使う,神などをたらして作るもの)を奉納して,山の安全と狩猟の成功を祈ったところと言われています。


【写真3】幣懸の滝

 一旦遊歩道入口まで戻り道標に従って次の目的地マレットゴルフ場に向かいます。ゴルフ場(グラウンドゴルフ)を縦断するとその先は川沿いに遊歩道や公園(水辺の里)が続いています。後で案内板の地図を見ると自然歩道のコースは水辺の里ではなく川の対岸にある矢巾温泉<=>パストラルバーデン間の車道を通っているようです。川を挟んで並行しているのでどちらを通ってもいいのではないかと思います。
 水辺の里の遊歩道を進んでいくと背丈ほどの大岩があり何だろうと思って近づいてみると宮沢賢治の歌碑でした。賢治は南昌山によく訪れこの付近の川で鉱物採集をしたとのこと。

「まつろなる石をくだけばなほもさびし夕日は落ちる山の石原」


【写真4】賢治歌碑(写真右奥)

 南部アカマツの森を抜けると車道に出ます。すぐ北側の交差点の北東角がパストラルバーデン(日帰り温泉施設)です。


【写真5】パストラルバーデン

 パストラルバーデンの南側は煙山ダム湖です。ダム湖前の駐車場に自然歩道のコース案内板があります。コンクリート製のダムの堰堤を進みます。ダム湖の周囲を時計回りに約半周した後、城内山の上り道に入ります。この道は車両通行止めです。”クマに注意”と立て札がありました。未舗装道を上っていくと電波塔の立つ山頂に至ります。山頂には展望台が設置されていて360°の展望です。この日はあいにく梅雨の時期で視界はよくありませんでした。


【写真6】城内山展望台からの眺め

城内山
 この一帯は,1335年足利尊氏により奥州管領となった斯波氏を迎え,郡内六十六郷と呼ばれていました。この城内山には,斯波氏の家臣の館である煙山館があったと伝えられています。また,山麓には,観音堂があり,毎年2月第1土曜日には顔に炭を付けあい,無病息災を祈るスミ付け祭が行われます。

 山頂から上り口まで戻り最終目的地の大白沢橋に向かいます。道の両側のヤマユリはまだつぼみです。途中、湧き水(むくだに清水)がありました。湧き水の由緒書きも記されていましたが文字が消失していて判読できませんでした。


【写真7】ヤマユリの道

 川に沿って上流に進むと間もなく起点の大白沢橋です。橋の南側にも自然歩道のコース案内板があります。


【写真8】起点:大白沢橋

 帰路は車道を北に進みパストラルバーデンまで歩きました。途中、奥州街道松並木跡や一里塚があります。

矢巾町史跡 和味一里塚
・志和稲荷神社参詣の為、南部利済が整備
・町内には川久保,赤林,和味,上松本 の4カ所が現存
・4.6km間隔で設置されている。

パストラルバーデンバス停時刻 土日 盛岡駅前行 1010,1150,1330,1555

<完>

| HOME | 次へ→ |

inserted by FC2 system