Puppy Linux導入記録 SeaMonkey

(2013.01.06作成, 2013.08.18更新)
 Puppy Linux431標準のwebブラウザはSeaMonkey(バージョン1.1.18)です。外観が小生が以前使用していたNetscape Communicatorと同じなので当初の印象は随分古くさいブラウザだなぁと思いました。日本語フォントの表示はギザギザが目立ち美しくありません。そこでフォントをIPAモナーゴシックに変更しました。見やすくなり個人的に気に入っています。
 SeaMonkeyはプラグインやアドオンの追加やconfig情報を変更することにより機能が拡張できます。参考までに以下に小生の設定を示します。

1.キャッシュの有効化

 SeaMonkeyのキャッシュはディフォルトでは無効となっています。おそらくPuppy LinuxをCD起動でRAM上で動作させた場合、キャッシュが増えるとメモリ不足になるからだと思います。小生の場合、Puppy Linuxをハードディスクにフルインストールしているため最大キャッシュ容量はハードディスクの残容量まで設定できると思われます。キャッシュの利点としては読み込みが速くなること、オフラインでブラウズできることです。これは小生の貧弱なPC環境では有効です。
 設定方法はこちら(Puppy Linuxの Seamonkeyの Cache)を参考にしました。browser.cache.disk.enable の値をTrueに変更します。

2.mntファイルの読み込みと保存

 WindowsのIE6はwebページを名前をつけて保存するとき、mht形式で保存することができます。通常の保存だとHTML、gif、jpeg、javascriptなどの多数のファイルが保存されるためファイル管理が面倒になりますが、mht保存では単一のmhtファイルが保存されるだけなのでファイルの整理がしやすいです。しかしmhtで保存・読み込みの機能はSeaMonkeyに標準装備されていません。
 そこでUnMHTというプラグインをSeaMonkeyにインストールしました。UnMHTのバージョンは5.7.5です。IE6で作成したmhtファイルもSeaMonkeyで読むことができました。ただしSeaMonkeyのmht保存・読み込みはIE6に比べ遅いです。
 UnMHTなどのアドオンはSeaMonkeyの公式サイトからダウンロードできますが、本家のサイトにSeaMonkeyでアクセスしているのに表示レイアウトが崩れておりダウンロードには苦労します。ダウンロードボタンをクリックしても反応しません。ダウンロードボタンを右クリックし「リンクのURLをコビー」を選択→アドレスバーにそのURLを貼り付けで何とかダウンロードができました。

UnMHT
SeaMonkeyの右下にUnMHTのアイコンが現れる

3.FlashPlayer

 FlashPlayerはweb閲覧に欠かせないプラグインです。SeaMonkeyには標準装備されていないため開発元のadobe社のサイトからダウンロードしインストールする必要があります。Puppy Linuxでは「メニュー」→「インターネット」→「GetFlash install Flashplayer」とたどっていくと、以前は自動的にインストールされました。しかし2012年後半からこの方法ではインストールができなくなっています。
 試しにその対策版と思われる、getflash-1.2.petをインストールしてみました。こちらの方は問題なく動作しました。getFlashを起動するとFlashplayerのいくつかのバージョンがリスト表示され、その中からどれを選択するのかを訊かれます。小生の推奨バージョンは10.3 r183です。それ以外のバージョンではSeaMonkeyでFlashを表示すると異常終了しました。

4.Sidebarが表示されない

 SidebarはSeaMonkeyの左端にブックマーク・履歴などの一覧を表示する機能です。WindowsのIE6のお気に入りと同等機能なのでPuppy Linuxを使い始めた頃は常用していました。このSidebarが時々表示されなくなる不具合がありましたのでその復旧方法をメモしておきます。
 原因は/root/.mozilla/default/r3y1skkw.slt/panels.rdfというファイルがこわれているか消失しているためと思われます。あらかじめバックアップしていたpanels.rdfを上書きコピー、または新規にユーザープロファイルを作成すると新規ユーザー用のフォルダにpanels.rdfが作成されますのでこれを上書きコピーするとSidebarが復活しました。

5.googleニュース

 googleニュースのトップページを開くと読み込み終了までのしばらくの間(約2~3分)SeaMonkeyのマウス操作ができなくなります。ソフトがフリーズしたような感じです。そして読み込み終了時に下図のようなエラーメッセージが現れます。

Unresponsive script

 Stop scriptボタンを押すとSeaMonkeyは正常に戻ります。しかしgoogleニュースは約10分間隔で記事を自動更新しているようなのでgoogleニュースを閲覧中は約10分間隔でフリーズ状態とエラーメッセージが現れることになります。これは気持ちのいいものではありません。
 対策方法はThunderbirdが起動時に警告を吐いて止まるを参考にしました。dom.max_script_run_timeの値を20にします。この対策によりフリーズとエラーメッセージの出現頻度はかなり減少しましたので効果があったと思います。

6.Yahooニュース

 Yahooニュースのトップページ(ニュース一覧)は前項に記載したgoogleニュースのトップページのような不具合は無く読み込みも速いです。ところが個々のニュースを閲覧しようとしてリンク先を開くとSeaMonkeyは異常終了します。Yahooからニュース記事を探す必要性は特にないのですが異常終了は気持ちのいいものではありません。
 ごくまれに異常終了せずに普通にYahooニュースが表示されるときがあるのでその条件を調べてみました。その結果ですが最初にgoogleニュースのトップページを開きます。次にYahooニュースを開くと異常終了しないで表示できることがわかりました。理由は不明です。
 いろいろ調べているとYahooのサイトはLinux用に配慮されていないという情報がありました。確かにYahooのトップページを開くと「あなたの環境ではYahooの機能が使えないことがあります」という意味の表示が現れます。小生はPuppy LinuxとSeaMonkeyというマイナーな組み合わせだから仕方ないと思っていましたが、他のLinuxユーザーでも困っている方が多いようです。当面の対策は
です。この変更をした後Yahooのトップページを開くとカラフルなアイコンが並んでいる本当のYahooトップページが表示されました。今までのちょっと地味な表示から一変したので驚きました。また、Yahooニュースは異常終了しなくなりました。さらにgoogleトップページの表示が2012年12月後半からおかしくなり(検索ボタンの横幅が異常に大きくなった)ましたが上記の変更で元に戻りました。

7.YouTubeダウンローダ

 YouTubeダウンローダはPuppy Linuxに標準装備されていて「メニュー」→「インターネット」→「You2Pup」で起動します。ところが2012年5月時点でダウンロードに成功したのは半分位、2012年12月時点ではすべてダウンロード失敗という状況でした。YouTubeのシステムが変更されたのが原因らしいです。小生の場合ストリーミング動画での視聴は自宅近所の競馬場のレースぐらいなものだったのでダウンローダを使用することはなくさほど問題とは思っていませんでした。
 ところがある日どうしてもダウンロードしたい動画が出て来ました。現状の貧弱なPC環境では高画質にするほどコマ落ちが多くなるためです。ダウンロードして保存したファイルならば画質は多少なりとも(PCの能力不足で良好な再生ができないこともあります)改善されます。ただし保存は最近強化された著作権法の違法行為になる場合があるので注意が必要です。
 小生はSeaMonkey公式サイトのアドオンから動画ダウンローダをインストールしました。アドオンの名称はFlashGotでバージョンは1.5.1(バージョン1.5.3も使用できました)です。ダウンロードの方法はYouTubeの動画再生を一時停止しメニューバーから「ツール」→「FlashGot」→「FlashGot Medien」でダウンロードが開始されます。FlashGotの公式サイトを見るとメニューバーの表示は英語で表示されているのですが小生の環境ではなぜかドイツ語で表示されています。
(2013.8.18追記): YouTubeなどの動画サイトの仕様変更によりFlashGot1.5.3はほとんど動作できなくなっています。またFlashGotの最新バージョンはSeaMonkey(バージョン1.1.18)に非対応となっています。

FlashGot ドイツ語メニュー

8.Gyao

 GyaoはYahooの動画サイトです。LinuxパソコンでGyao動画を視聴しようとすると「ご利用のOSでは、映像を視聴できません」というメッセージが表れ視聴できません。この問題の対策方法の一つとしてwebブラウザの設定を変更しAndroid OSとしてGyaoにアクセスする方法が知られています。この方法がPuppy Linux431の標準環境(SeaMonkey 1.1.18)で可能なのか試してみました。参考サイトはUbuntu日本語フォーラムです。
 まず、SeaMonkeyの公式サイトからUser Agent Switcherというアドオンをダウンロードします。小生がダウンロードしたのはバージョン0.7.3です。SeaMonkeyのメニューバー「ツール」→「Defalut User Agent」→「Edit User Agents」で「New」ボタンをクリックしAndroidという名のUser Agentを登録します。User Agentの入力内容は長文で、Mozilla/5.0 (Linux; U; Android 2.3.5;ja-jp; ISW11F Build/FGK500) AppleWebKit/533.1 (KHTML, like Gecko) Version/4.0 Mobile Safari/533.1 となります。

Edit User Agents

 Gyao動画を視聴する時はメニューバー「ツール」→「Defalut User Agent」→「Android」と選択します。SeaMonkeyのウインドウの中央上側に3×5cmくらいの(画面解像度によって異なります)黒い長方形が表れます。この長方形をマウスでクリックするとフルスクリーン画面に切り替わりGyao動画が視聴できます。途中で視聴を終了するときはキーボードのEscを押します。早送り、巻き戻しなどの操作は未確認です。Ubuntuなどではフルスクリーンではなくウインドウ枠内にGyao動画を再生する方法も報告されています。しかし小生のPC環境ではフルスクリーンでもAndroidスマホと解像度は同等レベルなので画像の粗さはあまり目立たず、とりあえずこれで満足しているところです。

9.読み込み速度の改善

 Ubuntu軽量化 of Satlab Websiteを参考にconfig画面の設定を変更してみました。
 これは改善効果が大きく驚きました。Webページの内容によりますが読み込んでからすべてが表示されるまでの時間が速くなったことが体感できます。会社で使っているPC(Windows7x64)と比べても遜色無い位です。低スペックPCでも快適な閲覧ができ痛快です。

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